開発仕様書案で確認すべき項目・ポイント・事例(3-12)

iyoblog (3-12)「設計の働き方改革とDR(設計審査)の具体的取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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事例編・第二部「DR0(商品企画・開発仕様作成)実施法編」

iyoblog (3-12)・「開発仕様書案で確認すべき項目」

「現状と問題点」

 開発仕様書の要求機能・要求性能・要求特性・要求設計条件などの各詳細項目と目標数値設定では、開発商品購買対象者となるエンドユーザのターゲット階層をキチンと定め、モニタリング調査を実施した上で、その結果を根拠に作成に当たる事が大切である。

 モニタリングでは、購買見込み客層を対象に統計学上の根拠に基づき 4,000 人以上でサンプルを見せ、実際に提供使って貰うなどした上で良し悪しのアンケートを行う。

その結果に基づき開発仕様書上で要求機能・性能・特性・設計条件などの各詳細項目と目標数値設定で必要な変更を加える。

モニタリング結果で開発仕様書案へ変更を加えた場合には、当然また変更仕様で製作し直したサンプルでモニタリングを遣り直し、良し悪しをアンケートする。

場合に依っては、これを何回も繰り返す覚悟も必要である、

図3-12へ「開発仕様書案で確認すべき項目」を示す。

「着眼点・分析と評価法」

 モニタリングに依るアンケート結果で 95 %(正規分布上の ± 2 σ 値)以上の好感度が得られた物また項目内容については、無条件で開発着手「OK」の判断とする。

一般的には、90 %程度「OK」で判断する例もある。

モニタリングへ提供するサンプル品は現物が一番望ましいが、製作費が高価、物が大きい、準備に時間が掛る場合など無理が伴う場合には、デザイン画や写真またはモックアップ模型に換えて行う例も有る。

 モニタリングで通常 4,000 人以上を対象に調査する根拠は、約半分近くの人は回答して貰えない。断られる現実が有る。

そのため有効回答数を 2,000 件以上確保する方策として、一般的に行われている結果である。

ここで有効回答数を 2,000 以上確保する理由は、DATA 誤差を ± 2.5 %以下に抑える目的がある。

但し購買対象者が限られている場合には、類似商品、先行商品ユーザを探し、それらの人へ直接アンケートすると良い。

この場合には、できる丈電話や用紙記入方式に依らず直接面談する事が望ましい。

「改善点と実施取組み法」

 開発仕様書作成段階で要求機能、性能、特性、設計条件の各項目でモニタリングに依る根拠裏付けが必要なのは、市場に先行商品、類似競合品が有る場合は特に重要で、確実に競争力を確保する上で避けられない。

先行類似商品と違いを購買対象者へ意識できる様に特徴差を設定する事が大切となる。

機能に違いが有るのか? 性能に違いが有るのか? 特性に違いが有るのか? 設計条件に違いが有るのか? 明確に違いを設定しなければならない。

性能面でユーザとなる購買者に競合商品より違いを意識させる差は、凡そ 20 %以上の違いが必要である。

仮に価格が同じで入手できるなら、明確に割安感を意識する。仮に価格が 10 %高くて 20 %性能が良い場合では、購買者にどう受取られるか? これは計算高い人には、未だ若干の割安感を理解できる。

しかし多くの購買者は微妙と判断し、購買意欲に強く訴える力とは成り難い。

これが 30 %の性能差では、大きく異なって購買意欲と成って反応する。

ここの違いに、注意を払いたい。

「実施による改善効果」

 開発仕様書案の取りまとめでは、要求機能、性能、特性、設計条件の各項目と目標数値でそれぞれ購買見込み客層へのモニタリングを行い裏付け根拠を明確に把握した上で設定する事が大切である。

開発仕様書が確りした裏付け根拠も無しに適当な思い付きで作られた場合には、完成した商品が確実に市場で売れる保証は何も無い。

正に博打と同じ事に成ってしまう。

これは、絶対に避けなければならない。

開発商品が必ず市場で一定のシェアを確保できる様にするには、ターゲット市場とターゲット購買層を明確に決めモニタリングをキチンと行い、その結果に基づいてきめ細かに仕様設定を行う。

また類似先行商品との差別化を購買見込み客層へ明確に表示する事で、一定のシェア獲得が確実となる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2017年3月号臨時増刊号へ投稿掲載した「設計の品質保証に必須のDR実施法 50 事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革とDRの具体的取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社・出版局)へお問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

「総論 」

iyoblog (3-0-1)・(はじめに) 設計の品質保証を左右するDR(Design Review = 設計審査)

「解説」

iyoblog (3-0-2)・第1章・DR-0(商品開発企画の仕様書と構想図作成段階)の取組み法と現状実態

iyoblog (3-0-3)・第2章・DR-1(開発試作品設計・検証および基本設計段階)の取組み法と現状実態

iyoblog (3-0-4)・第3章・DR-2(詳細組立図と部品設計・出図図書作成段階)の取組み法と現状実態

事例編・第一部「DR組織および事前準備関連取り組み法」

iyoblog (3-01)・市場クレームの手戻り予防では、DRの主要目的を点検会から事前指導会へ重点を転換する

iyoblog (3-02)・客先指摘仕様洩れ手戻り予防では、基本仕様項目の主要部はDR会が作成する

iyoblog (3-03)・事前市場ニーズ調査では、先行競合品と併せ、新規見込み購買層調査も義務付ける

iyoblog (3-04)・先行技術調査では、先行メーカー動向と併せ、新規参入見込みメーカー有無動向調査も義務付ける

iyoblog (3-05)・開発仕様書の要求機能設定では、市場ニーズ調査から従来品に無い特徴機能設定を義務付ける

iyoblog (3-06)・開発品の要求性能設定では、市場ニーズ調査から従来品に無い特徴性能設定を義務付ける

iyoblog (3-07)・開発品の要求特性設定では、従来品に無い特徴有る特性設定を義務付ける

iyoblog (3-08)・要求設計条件設定では、従来品に無い寿命値設定を義務付ける

iyoblog (3-09)・要求設計条件設定では、従来品に無い信頼度値設定を義務付ける

iyoblog (3-10)・開発品の構想図作成では、従来品に無い原理・方式・構造選択を義務付ける

事例編・第二部「DR-0 ・商品企画・関連仕様作成取り組み法」

iyoblog (3-11)・開発仕様書と構想図作成段階で確認すべき項目

iyoblog (3-12)・開発仕様書案で確認すべき項目

iyoblog (3-13)・構想図案で確認すべき項目

iyoblog (3-14)・メカ系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-15)・制御・実装系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-16)・計測器系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-17)・メカ系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-18)・制御・実装系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-19)・計測器系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-20)・構想設計案作成図書で確認すべき項目

「事例編・第三部・DR-1(1) ・ 商品企画・関連仕様作成実施取り組み法」

iyoblog (3-21)・試作品設計段階で事前確認すべき項目

iyoblog (3-22)・メカ系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-23)・制御・実装系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-24)・計測器系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-25)・メカ系部位試作品案の検証で事前確認すべき項目

iyoblog (3-26)・制御・実装系部位試作品案の検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-27)・計測器系部位試作品案の検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-28)・メカ系部位試作品案の検証結果評価法で事前確認すべき項目

iyoblog (3-29)・制御・実装系部位試作品案の検証結果評価法で確認すべき項目

iyoblog (3-30)・計測器系部位試作品案の検証結果評価法で確認すべき項目

「事例編・第四部・DR-1(2) ・ 基本設計着手時の不具合予防取り組み法」

iyoblog (3-31)・基本設計で開発品と既存品組合せ部位の確認項目

iyoblog (3-32)・基本設計で環境条件の確認項目・その1

iyoblog (3-33)・基本設計で環境条件の確認項目・その2

iyoblog (3-34)・基本設計で環境条件の確認項目・その3

iyoblog (3-35)・基本設計で鉄系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-36)・基本設計で鉄系材料使用部位の確認項目・その2

iyoblog (3-37)・基本設計で非鉄系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-38)・基本設計で非鉄系材料使用部位の確認項目・その2

iyoblog (3-39)・基本設計で非金属系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-40)・基本設計で非金属系材料使用部位の確認項目・その2

「事例編・第五部・DR-2 ・ 詳細設計着手時の不具合予防取り組み法」

iyoblog (3-41)・詳細設計で炭素鋼熱処理部品の確認項目

iyoblog (3-42)・詳細設計で部品形状の確認項目

iyoblog (3-43)・詳細設計で衝撃強さ確保の確認項目

iyoblog (3-44)・詳細設計で摩耗強さ確保の確認項目

iyoblog (3-45)・詳細設計でねじ締結部の確認項目

iyoblog (3-46)・詳細設計で部品素材選択の確認項目

iyoblog (3-47)・詳細設計でステンレス鋼選択の確認項目

iyoblog (3-48)・詳細設計で深絞り品置き割れ防止の確認項目

iyoblog (3-49)・詳細設計で溶接品質確保の確認項目

iyoblog (3-50)・詳細設計で異種金属接触による腐食防止の確認項目

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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