制御・実装系部位構想案作成段階で確認すべき項目・ポイント・事例(3-15)

iyoblog (3-15)「設計の働き方改革とDR(設計審査)の具体的取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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事例編・第二部「DR0(商品企画・開発仕様作成)実施法編」

iyoblog (3-15)・「制御・実装系部位構想設計案作成段階で確認すべき項目」

「現状と問題点」

 制御・実装系部位構想設計案とは、制御・実装系機能要素部位構想設計案を省略して表現した。

構想図案を作成するに当って制御・実装系部位の機能要素毎にブロック化、ユニット化、モジュール化、部品化を進める糸口としての考え方を考慮して貰いたい為である。

これは後日保守・保全面で部品交換を簡単化し、装置などの稼働停止時間・期間の短縮に貢献する。

 制御・実装系部位構想設計案作成では、製法とコスト(製造原価)面から必ず複数(できる丈数多く)案を用意する。

この場合に制御・実装系部位毎に新規開発が伴う部位と、既存設計品で対応可能な部位へ明確に分けて作業を進める事が効率面から大切である。

 ここで制御・実装系部位構想設計案を必ず複数案作成で進めると説明した理由は、仕様書案で設定された目標コスト(製造原価)実現では、構想図作成段階から着手が大切である。

各制御・実装系部位構想図案作成毎に見積りを行い、必ずコスト試算する。

これを横並び比較し、目標コストを下回る場合のみ、試作品設計へ移行し、試作品製作、技術検証へ進める。

これを必須要件とする。

その意味は試作品技術検証でも、目標性能、特性、設計条件達成確認では、数多くの異なる試作品準備が必要となる。

コスト面からの手戻り予防では、特に大切となる。

図 3-15 へ「制御・実装系部位構想設計案作成段階で確認すべき項目」を示す。

「着眼点・分析と評価法」

 制御・実装系部位構想図案の作成では、先ず開発仕様書案で抽出設定した機能要素項目毎に新規開発品が必要か? 既存設計品で対応可能か? を明確に分類・整理する。

その結果に基づき新規開発品が必要な機能要素項目で制御・実装系部位構想図案の作成へ着手する。

ここで構想図作成期間を大幅に縮めたいと望む場合には、社員のみ丈で無く外注設計者も同時複数的に委託活用し制御・実装系部位構想図案の作成へ当る工夫も必要である。

 図 3-15 で示す「制御・実装系部位構想図案作成段階で確認すべき項目」で抽出した項目例は、開発品を製作する上で、社内製作か? 外部へ委託製作か? 素材調達で従来取引先からの調達可能か? 新規調達先開拓が必要か? に大きく分けて検討必要項目を列挙した。

「改善点と取組み実施法」

 新規開発品が伴う制御・実装系部位構想図案作成では、必要品の使用材料・材種類が容易に入手できるか? それを社内加工・製作できるか? を考える必要がある。

使用材料・材種の入手が容易でない。

社内加工・製作が容易でない場合には、従来の取引先で対応できるか? どうか? を確認する必要がある。

それらを面倒でも一つずつクリアした上で構想図の作成を進める必要がある。

同時に社内加工・製作時のコスト、取引先で加工・製作時のコスト試算による確認も同時一緒に必要である。

 材料・材種の入手が容易でない。

従来取引先での加工・製作も困難と成ると、材料・材種の入手と、加工・製作の為に特別な対応が必要となる。

その場合のコストが、どう成るか? 新規設備導入および工場建設と専門技術に精通した経験有る人員確保など、対応法についても考慮する必要が生ずる。

これらを一つずつ調査・検証しながら作成に当たる必要がある。

 特に電子系実装部品については、技術革新のスピードが速く 1 年後に製造してない部品も出る可能性が高く、新商品完成後の保全・修理対応に対する準備を忘れてはならない。

「実施による改善効果」

 既存品に無い新商品開発は、新しい製造プロセス開発そのものである。

ここで製造プロセス開発とは、必要な製造工程の技術開発が必要になる事を言う。

従って既存の加工・製造技術に無い加工・製造技術の開発が必要になる場合も同時に想定して、構想図案の作成に当たる配慮が必要になる。

 例えば、装置制御に使うプログラマブルコントローラ(PLC)で考えて見ると判り易い。

PLCが未だ出現していない時には、制御回路は主にリレーと電磁開閉器を並べ制御盤へ収納してモーターやソレノイド弁などの動力機器やセンサーへ接続固定したシーケンシャル動作で使用していた。

これがPLCの出現により各動力機器のシーケンシャル動作を自由に変更可能に代えた。

これにより、装置制御の設計と実装作業が大分楽になった。

その効果は、非常に大きい。

外部には一般公開されないが、新しい独自の製造設備が同時に開発されているのである。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2017年3月号臨時増刊号へ投稿掲載した「設計の品質保証に必須のDR実施法 50 事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革とDRの具体的取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社・出版局)へお問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

「総論 」

iyoblog (3-0-1)・(はじめに) 設計の品質保証を左右するDR(Design Review = 設計審査)

「解説」

iyoblog (3-0-2)・第1章・DR-0(商品開発企画の仕様書と構想図作成段階)の取組み法と現状実態

iyoblog (3-0-3)・第2章・DR-1(開発試作品設計・検証および基本設計段階)の取組み法と現状実態

iyoblog (3-0-4)・第3章・DR-2(詳細組立図と部品設計・出図図書作成段階)の取組み法と現状実態

事例編・第一部「DR組織および事前準備関連取り組み法」

iyoblog (3-01)・市場クレームの手戻り予防では、DRの主要目的を点検会から事前指導会へ重点を転換する

iyoblog (3-02)・客先指摘仕様洩れ手戻り予防では、基本仕様項目の主要部はDR会が作成する

iyoblog (3-03)・事前市場ニーズ調査では、先行競合品と併せ、新規見込み購買層調査も義務付ける

iyoblog (3-04)・先行技術調査では、先行メーカー動向と併せ、新規参入見込みメーカー有無動向調査も義務付ける

iyoblog (3-05)・開発仕様書の要求機能設定では、市場ニーズ調査から従来品に無い特徴機能設定を義務付ける

iyoblog (3-06)・開発品の要求性能設定では、市場ニーズ調査から従来品に無い特徴性能設定を義務付ける

iyoblog (3-07)・開発品の要求特性設定では、従来品に無い特徴有る特性設定を義務付ける

iyoblog (3-08)・要求設計条件設定では、従来品に無い寿命値設定を義務付ける

iyoblog (3-09)・要求設計条件設定では、従来品に無い信頼度値設定を義務付ける

iyoblog (3-10)・開発品の構想図作成では、従来品に無い原理・方式・構造選択を義務付ける

事例編・第二部「DR-0 ・商品企画・関連仕様作成取り組み法」

iyoblog (3-11)・開発仕様書と構想図作成段階で確認すべき項目

iyoblog (3-12)・開発仕様書案で確認すべき項目

iyoblog (3-13)・構想図案で確認すべき項目

iyoblog (3-14)・メカ系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-15)・制御・実装系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-16)・計測器系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-17)・メカ系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-18)・制御・実装系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-19)・計測器系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-20)・構想設計案作成図書で確認すべき項目

「事例編・第三部・DR-1(1) ・ 商品企画・関連仕様作成実施取り組み法」

iyoblog (3-21)・試作品設計段階で事前確認すべき項目

iyoblog (3-22)・メカ系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-23)・制御・実装系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-24)・計測器系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-25)・メカ系部位試作品案の検証で事前確認すべき項目

iyoblog (3-26)・制御・実装系部位試作品案の検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-27)・計測器系部位試作品案の検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-28)・メカ系部位試作品案の検証結果評価法で事前確認すべき項目

iyoblog (3-29)・制御・実装系部位試作品案の検証結果評価法で確認すべき項目

iyoblog (3-30)・計測器系部位試作品案の検証結果評価法で確認すべき項目

「事例編・第四部・DR-1(2) ・ 基本設計着手時の不具合予防取り組み法」

iyoblog (3-31)・基本設計で開発品と既存品組合せ部位の確認項目

iyoblog (3-32)・基本設計で環境条件の確認項目・その1

iyoblog (3-33)・基本設計で環境条件の確認項目・その2

iyoblog (3-34)・基本設計で環境条件の確認項目・その3

iyoblog (3-35)・基本設計で鉄系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-36)・基本設計で鉄系材料使用部位の確認項目・その2

iyoblog (3-37)・基本設計で非鉄系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-38)・基本設計で非鉄系材料使用部位の確認項目・その2

iyoblog (3-39)・基本設計で非金属系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-40)・基本設計で非金属系材料使用部位の確認項目・その2

「事例編・第五部・DR-2 ・ 詳細設計着手時の不具合予防取り組み法」

iyoblog (3-41)・詳細設計で炭素鋼熱処理部品の確認項目

iyoblog (3-42)・詳細設計で部品形状の確認項目

iyoblog (3-43)・詳細設計で衝撃強さ確保の確認項目

iyoblog (3-44)・詳細設計で摩耗強さ確保の確認項目

iyoblog (3-45)・詳細設計でねじ締結部の確認項目

iyoblog (3-46)・詳細設計で部品素材選択の確認項目

iyoblog (3-47)・詳細設計でステンレス鋼選択の確認項目

iyoblog (3-48)・詳細設計で深絞り品置き割れ防止の確認項目

iyoblog (3-49)・詳細設計で溶接品質確保の確認項目

iyoblog (3-50)・詳細設計で異種金属接触による腐食防止の確認項目

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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