詳細設計で部品形状の確認項目・事例(3-42)

iyoblog (3-42)「設計の働き方改革とDR(設計審査)の具体的取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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事例編・第五部「DR- 2(詳細設計着手時の不具合予防)実施法編」

iyoblog (3-42)・「詳細設計で部品形状の確認項目」

「現状と問題点」

 メカ系装置類構成部品の詳細設計では、寿命確保面から部品形状に注意を払う必要がある。

部品表面に各種の切欠きが有ると寿命が短縮する。

ここで寿命が短縮すると云う意味は、部材の疲れ強さを低下させ短期間に損傷・破損する事を云う。 

ここで切欠きとは、ノッチ効果(通常軸表面に大小を問わずV字状の切欠き溝や傷が有る状態)、段付き効果(直径太さが途中で急激に小径に段差が着く状態)、溝付き効果(軸にOリング溝、C型止め輪溝、キー溝、スプライン溝などが有る状態)、穴空き効果(軸方向中空穴、直角方向貫通穴が空いている状態)などを云う。

部品に前述各種の切欠き、溝、穴などが有ると、長期の使用期間中に切欠き、溝部、穴部へ応力が集中し疲れ強さが低下し、やがて短期間に損傷・破損し寿命となる。

図 1 から図 3 へ「詳細設計で部品形状の確認項目」を示す。

「着眼点・分析と評価法」

 部品表面に傷となるノッチ・切欠き・溝・穴が有ると、短期間に疲れ強さが低下する。

その原因は、溝や切欠き底部の角・隅(コーナ部)形状に起因する。

角・隅部形状が鋭いと、応力が集中しそこから割れが拡大する。

これを避けるには、底部の角・隅部へ丸み( r 形状 )を着けると応力集中が緩和する。

r 形状をできるだけ大きく平滑にする程、緩和効果が大きい。

O リング溝、キー溝底部隅のr形状では、大きい程応力集中に対する緩和効果も大きい。

 更に腐食環境下では、応力集中に伴う疲れ強さは極端に低下する。

丸棒表面でも鍛造肌のまま、熱処理肌のままの場合と研削仕上げ肌では、研削仕上げ肌の方が疲れ強さ値は大きい。

軸に直角方向の貫通穴抜け部へ r 形状(注・r 面取り)を着けずバリが出ている場合には、応力集中でバリ部から割れが拡大しやがて疲労破壊で破断に至る。

「改善点と取組み実施法」

 ノッチ効果(通常軸表面へ大小を問わずV字状の切欠きや傷が有る状態)を緩和し、応力集中を軽減・低減するには、部品表面へ加工傷を着けない注意が必要である。

設計上どうしてもノッチが必要な場合には、V溝底部へできるだけ大きく 1 粍以上の R(丸み)形状を着ける。

段付き効果(直径太さが途中で急激に小径に段差が着く状態)が設計上で必要な場合には、小径付根の隅部へ 1 粍以上の R を着ける。

この寸法は、1 粍より 2 粍、2 粍より 4 粍と大きい程良い。

溝付き効果(軸に O リング溝、C 型止め輪溝、キー溝、スプライン・セレーション溝が有る状態)が設計上で避けられない場合には、溝底隅コーナ部へ最低でも必ず 0.5 粍以上の r 形状を着ける。

嵌合せとなる相手部品に r 部とぶつかる角隅がある場合には、えぐり(逃がしまたはリセス)加工を行うと良い。

穴空き効果(軸方向中空穴、直角方向貫通穴が空いている状態)が設計上で避けられない場合には、貫通部内側・外側共にバリが出ない様に必ず大きな r 面取りを行う。

これらを必須要件とする。

「実施による改善効果」

 溝の底隅部、バリとなる角隅部には、何れもできるだけ大きめの逃がし加工で r 面取りを行う。

これらを実施する事で、部品形状面から応力集中に伴う疲れ強さの低下による損傷・破損を防ぎ、部品寿命を延ばす事が可能となる。

また部品表面粗さにも注意し、できるだけ平滑仕上げとする事で疲労破壊による寿命期間短縮に伴う損傷・破損防止が可能となる。

これらを、忘れない。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2017年3月号臨時増刊号へ投稿掲載した「設計の品質保証に必須のDR実施法 50 事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革とDRの具体的取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社・出版局)へお問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

「総論 」

iyoblog (3-0-1)・(はじめに) 設計の品質保証を左右するDR(Design Review = 設計審査)

「解説」

iyoblog (3-0-2)・第1章・DR-0(商品開発企画の仕様書と構想図作成段階)の取組み法と現状実態

iyoblog (3-0-3)・第2章・DR-1(開発試作品設計・検証および基本設計段階)の取組み法と現状実態

iyoblog (3-0-4)・第3章・DR-2(詳細組立図と部品設計・出図図書作成段階)の取組み法と現状実態

事例編・第一部「DR組織および事前準備関連取り組み法」

iyoblog (3-01)・市場クレームの手戻り予防では、DRの主要目的を点検会から事前指導会へ重点を転換する

iyoblog (3-02)・客先指摘仕様洩れ手戻り予防では、基本仕様項目の主要部はDR会が作成する

iyoblog (3-03)・事前市場ニーズ調査では、先行競合品と併せ、新規見込み購買層調査も義務付ける

iyoblog (3-04)・先行技術調査では、先行メーカー動向と併せ、新規参入見込みメーカー有無動向調査も義務付ける

iyoblog (3-05)・開発仕様書の要求機能設定では、市場ニーズ調査から従来品に無い特徴機能設定を義務付ける

iyoblog (3-06)・開発品の要求性能設定では、市場ニーズ調査から従来品に無い特徴性能設定を義務付ける

iyoblog (3-07)・開発品の要求特性設定では、従来品に無い特徴有る特性設定を義務付ける

iyoblog (3-08)・要求設計条件設定では、従来品に無い寿命値設定を義務付ける

iyoblog (3-09)・要求設計条件設定では、従来品に無い信頼度値設定を義務付ける

iyoblog (3-10)・開発品の構想図作成では、従来品に無い原理・方式・構造選択を義務付ける

事例編・第二部「DR-0 ・商品企画・関連仕様作成取り組み法」

iyoblog (3-11)・開発仕様書と構想図作成段階で確認すべき項目

iyoblog (3-12)・開発仕様書案で確認すべき項目

iyoblog (3-13)・構想図案で確認すべき項目

iyoblog (3-14)・メカ系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-15)・制御・実装系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-16)・計測器系構想設計部位案で確認すべき項目

iyoblog (3-17)・メカ系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-18)・制御・実装系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-19)・計測器系構想設計部位案で検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-20)・構想設計案作成図書で確認すべき項目

「事例編・第三部・DR-1(1) ・ 商品企画・関連仕様作成実施取り組み法」

iyoblog (3-21)・試作品設計段階で事前確認すべき項目

iyoblog (3-22)・メカ系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-23)・制御・実装系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-24)・計測器系部位試作品設計案で事前確認すべき項目

iyoblog (3-25)・メカ系部位試作品案の検証で事前確認すべき項目

iyoblog (3-26)・制御・実装系部位試作品案の検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-27)・計測器系部位試作品案の検証前に確認すべき項目

iyoblog (3-28)・メカ系部位試作品案の検証結果評価法で事前確認すべき項目

iyoblog (3-29)・制御・実装系部位試作品案の検証結果評価法で確認すべき項目

iyoblog (3-30)・計測器系部位試作品案の検証結果評価法で確認すべき項目

「事例編・第四部・DR-1(2) ・ 基本設計着手時の不具合予防取り組み法」

iyoblog (3-31)・基本設計で開発品と既存品組合せ部位の確認項目

iyoblog (3-32)・基本設計で環境条件の確認項目・その1

iyoblog (3-33)・基本設計で環境条件の確認項目・その2

iyoblog (3-34)・基本設計で環境条件の確認項目・その3

iyoblog (3-35)・基本設計で鉄系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-36)・基本設計で鉄系材料使用部位の確認項目・その2

iyoblog (3-37)・基本設計で非鉄系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-38)・基本設計で非鉄系材料使用部位の確認項目・その2

iyoblog (3-39)・基本設計で非金属系材料使用部位の確認項目・その1

iyoblog (3-40)・基本設計で非金属系材料使用部位の確認項目・その2

「事例編・第五部・DR-2 ・ 詳細設計着手時の不具合予防取り組み法」

iyoblog (3-41)・詳細設計で炭素鋼熱処理部品の確認項目

iyoblog (3-42)・詳細設計で部品形状の確認項目

iyoblog (3-43)・詳細設計で衝撃強さ確保の確認項目

iyoblog (3-44)・詳細設計で摩耗強さ確保の確認項目

iyoblog (3-45)・詳細設計でねじ締結部の確認項目

iyoblog (3-46)・詳細設計で部品素材選択の確認項目

iyoblog (3-47)・詳細設計でステンレス鋼選択の確認項目

iyoblog (3-48)・詳細設計で深絞り品置き割れ防止の確認項目

iyoblog (3-49)・詳細設計で溶接品質確保の確認項目

iyoblog (3-50)・詳細設計で異種金属接触による腐食防止の確認項目

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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