全階層「検図による図面修正、手戻り、手直し」投入時間・事例第 3 位(2-1-3)

iyoblog(2-1-3)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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設計の手戻り・後処理予防取り組み法・全階層投入時間第 3 位「検図による図面修正、手戻り、手直し」の予防法

「現状と問題点」

 図 2-1-31 へ全階層合計第 3 位で「検図による図面修正、手戻り、手直し」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-32・へ全階層合計第 3 位で「検図による図面修正、手戻り、手直し」テーマの階層別 1 人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 3 位の能力浪費予防と削減取り組み法を示す。

本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 9 %、勤務時間に対しては 2.7 %に相当する。

これは 1 日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.027 = 13.0 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 13 分近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 5,730 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

「着眼点・分析と評価法」

本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層(年 2,610 時間)が一番多く、協力者層(年 2,300 時間)、新人層(年 700 時間)、リーダー層(年 90 時間)、管理者層(年 30 時間)と続く。

1 人当り投入時間で見ると協力者層(年 52 時間)、新人層(年 52 時間)、ベテラン層(年 45 時間)、リーダー層(年 45 時間)、管理者層(年 30 時間)と続く。

これらの時間は、出図図書(ドキュメント)作成者が直接手直しで発生させている時間と見做す必要がある。

これを 1 日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月-休暇分 20 日/年 = 220 日/年と仮定)すると、協力者層が毎日 25.1 分相当ずつを投入。

新人層が毎日 21.3 分ずつを投入。

ベテラン層が毎日 13.9 分ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 なおリーダー層が年 90 時間( 1 人当り毎日 2.5 分ずつ)、管理者層が年 30 時間( 1 人当り毎日 1.6 分ずつ)ずつ、本テーマへ投入の発生がある。

これについて筆者の知る例では、ベテラン層が消化しきれない分をリーダー層および管理者層が担当社員を経由せず社外の持帰り外注等へ直接設計委託した分を依頼者が点検し、納期に合わず直接手直し出図手配している例を見た経験がある。

これの良し悪しについては、一考の必要がある。

本件に対する考え方と対応法は、別のテーマで詳述したい。

「改善点と予防取り組み法」

「検図による図面修正、手戻り、手直し」テーマの投入時間を減らすには、後から修正、手直しを必要とする絶対件数を減らすことに尽きる。

つまり担当者が、検図者から図面修正、手戻り、手直しの指摘を受けずに済む出図図書作成に努力すれば良い。

 No.1「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」テーマで触れたが、設計時に作りこまれる欠陥、不備、間違い原因には、担当者の判断の間違い等による場合と、不注意等による場合があることを説明した。

また本テーマ「検図による図面修正、手戻り、手直し」原因の殆どは、不注意の間違い部分が多いことを指摘した。

従って本テーマの発生時間を減らすには、担当者が出図図書作成時不注意の発生防止に集中することが大切となる。

また周囲の他人へ迷惑を掛けてはいけないと言う強い気持ち持つこと、後で検図者が見て呉れるから適当で良いと言う気持ちを持たない様に仕向けることである。

 多くの企業で検図時の指摘に記入洩れが多い実態があることから、模範図を用意し、寸法および寸法線、寸法公差および幾何公差、加工面粗さ記号および仕上げ記号、材料および処理法指定、製作必要数量、角(ばり・面取り)・隅(肉盗み)の形状、名称と図番、注記事項、等にその都度、きちんと良く注意が行き届く様に仕向ける。

 また前述した簡単な項目については、原則本人へ注意を払わせ、出図前の上司、先輩、同僚による検図対象項目から外す (検図しない)事が望ましい。

つまり担当者の不注意の間違いに対しては、周囲が検図指摘で助けない様にする。

そのためには自己点検がきちんと行われていない出図図書は、原則出図許可を与えない指導が大切である。

「予防取り組みの改善効果」

上司、先輩、同僚による簡単な記載項目に対する検図を徐々に減らしながら、担当者の図面品質を確実に高め本テーマ時間を減らすには、毎月検図していた対象項目から除外するテーマを一つ決め、不注意の間違い防止強調月間の様なキャンペーン活動を展開する進め方がある。

筆者が関与した企業で取組んだ例を紹介すると、発生頻度の高い順に、最初の1ケ月目は「寸法の記入洩れ防止強調月間」、2 ケ月目は「公差の記入洩れ防止強調月間」、3 ケ月目は「加工記号の記入洩れ防止強調月間」、4 ケ月目は「材料と処理法記入洩れ防止強調月間」、等の様に進めると良い。

実運用面では、キャンペーンで取上げた月から各テーマを検図の対象から除く。

つまり担当者本人が責任を持って無くす様に努力して貰う。

これを毎月一つずつテーマを継続して積み上げる。

例えば3年後を目標に置き、先ず不注意による間違い防止の様な本人で確保できる品質は、本人自身で確実に確保、撲滅できる状態を作り上げる。

 これらを即実行し、結果を見ながら定着するまで繰り返す事が大切となる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間第 3 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」に変更加筆し不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60「総論・第5章」

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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