全階層「現場からのクレーム処理」投入時間・事例第 5 位(2-1-5)

iyoblog (2-1-5)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 5 位「現場からのクレーム処理」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-51 へ全階層投入時間合計第 5 位で「現場からのクレーム処理」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-52 へ本テーマの階層別1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-5 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 5 位の能力浪費予防と削減取組法例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 7 %、勤務時間に対しては 2.1 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.021 = 10.1 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 10 分強近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 4,490 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

「着眼点・分析と評価法」

本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層(年2,940時間)が一番多く、新人層(年750時間)、リーダー層(年540時間)、協力者層(年150時間)、管理者層(年108時間)と続く。

1人当り投入時間で見ると新人層(年83時間)、ベテラン層(年58時間)、リーダー層(年54時間)、管理者層(年22時間)、協力者層(年6時間)と続く。

 これらの時間は、担当者が詳細設計時の部品設計と出図図書(ドキュメント)作成時に部品材料選択、熱処理や表面処理、および加工・工作知識不足等で、製造や工作部門、および加工依頼の取引先から製作できない等で問合せや出図図書の差替え要求として出された結果の手直し等で発生させている時間と見做す必要がある。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働220日(20日/月×12ケ月-休暇分20日/年=220日/年)と仮定すると、新人層が毎日22.6分ずつ。ベテラン層が毎日15.8分ずつ。リーダー層が毎日14.7分ずつ。管理者層が毎日6.0分ずつ。協力者層が毎日1.6分相当ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 これは、管理者層とリーダー層は原因発生者の現場からの製造不備クレーム内容に応じて、時には現場へ一緒出向き、対策および処理法の対応に充てざるを得ない時間である。

ベテラン層、新人層、協力者層は、それぞれ担当者として現場に出向きながら製造クレームの対応処理に直接充てざるを得ない時間と見做す必要がある。

また本テーマを詳細に分解すると、材料と熱処理選択知識不足に起因する対応面、および製造法と工作法知識不足に起因する対応面へ内容を分けて発生時間削減法を考える必要がある。

これを判り易く表現すると、材料と熱処理選択法の知識不足と、製造法と工作法知識不足とは、設計担当者に対する必要な、

①技術基礎教育の不備または欠如、

➁教育不備を補う活用可能な設計経験則類資料化整備の不備と欠如、

➂教育と経験則資料化不備を補う上司、先輩による事前、途中巡回指導の不備と欠如、

④担当者全員に対し、着手した業務の自分で確保できる設計および図面品質は原則自分で確保し、他人へ迷惑を掛けない様にするモラルとマナーを確り身に着けさせる面での日常指導不備と欠如結果等の着け払いとして発生している理解と対応が必要である。

「改善点と予防取り組み法」

技術基礎教育面の不備に対しては、3年間で600時間程度を掛けて、担当者全員へ材料と熱処理法、および製造法と工作・加工法等の知識を確り修得させる。

 経験則資料化整備面の不備に対しては、リーダー層と経験あるベテラン層が中心になり、期間と目標を定め事例集の形態でまとめる。

 事前・途中の巡回指導は、リーダー層と経験あるベテラン層が中心になり、それぞれ受持ち対象者を決め、毎日午前と午後定時・定例巡回指導を実施する。

 自分で確保できる品質は自分で確保し、他人へ迷惑を掛けない仕事のモラルとマナー意識保持は、

毎日の朝礼で実施して欲しい凡ミス(ヒューマンエラー)防止上の注意点等を書き出し、これを唱和しながら身に着くまで繰り返す。

「予防取り組みの改善効果」

 教育効果は、修得できた項目から反映される。しかし教育に伴う修得には、時間が掛かることを覚悟する。

しかし一度身に着けば、担当者にとって一生の財産となる。

また修得結果は、勤務するその後の期間、仕事に直接反映される。

この効果が大きい。年金との関係で最低25年以上の勤務する場合を考えれば、3年間の教育費用に対する効果は遥かに大きな物となる。

経験則の資料化効果は、活用できる資料が完成した分、またその時点から仕事へ直ぐ反映が可能となる。教育より期間が短く効果が反映する特徴がある。

上司、先輩による毎日その都度の事前、途中の定時、定期巡回指導実施は、結果と効果を仕事へ直ぐ反映する。実施が早い程、効果も大きい。

担当者に対する仕事への責任感と、他人へ迷惑を掛けない気持ちを持って取組んで貰うことは、品質確保と手戻り・後処理削減には絶対に欠かせない。

また効果を持続する上でも、必須要件である。何れも欠かさず実施する。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間 5 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを変更、加筆し、不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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