全階層「設計仕様・設計内容事後チェック」投入時間・事例第 4 位(2-1-4)

iyoblog (2-1-4)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」 設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 4 位「設計仕様・設計内容事後チェック」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-41 へ全階層合計第 4 位で「設計仕様・設計内容事後チェック」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-42 へ本テーマの階層別1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-4 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 4 位の能力浪費予防と削減取り組み法を示す。


 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 7 %、勤務時間に対しては 2.1 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日× 60 分/時間× 0.021 = 10.1 分/日)となり、設計技術部門全員が略毎日10 分強近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 4,550 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。
 
               「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層(年 2,280 時間)が一番多く、協力者層(年 1,300 時間)、新人層(年 470 時間)、リーダー層(年 450 時間)、管理者層(年 54 時間)と続く。

1 人当り投入時間で見ると協力者層(年 52 時間)、新人層(年 52 時間)、ベテラン層(年 45 時間)、リーダー層(年 45 時間)、管理者層(年 11 時間)と続く。

これらの時間は、設計担当者が仕様設定と構想設計時の企画審査(DR・0)前と、基本設計審査(DR・1)前に於ける自己点検時と、その結果の手直しで発生させている時間と見做す必要がある。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日( 20 日/月× 12 ケ月-休暇分 20 日/年= 220 日/年)と仮定すると、協力者層が毎日 14.2 分相当ずつ。

新人層が毎日 14.2 分ずつ。

ベテラン層が毎日 12.3 分ずつ。

リーダー層が毎日 12.3 分ずつ。

管理者層が毎日 3.0 分ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 これは、管理者層とリーダー層はDR前の事前相談時指摘に充てている時間、ベテラン層、新人層、協力者層は、それぞれDR前に自己点検結果の修正に充てている時間と見做す必要がある。

また本テーマを更に分解すると、仕様設定内容修正と構想図・計画図作成 (DR・0 )面、および基本設計案(DR・1 )作成面に対する内容修正を分けて対応法を考える必要がある。
 
               「改善点と予防取り組み法」

 開発および新規品設計着手時には、仕様(要求機能、性能、特性、設計条件、等)作成から開始する。

営業情報に基づき市場または顧客要求を設計仕様書としてまとめるに当り、製作を開始または製品を完成してから顧客指摘で変更や再製作等に至る機能抜け、性能不足、特性不備、設計条件設定間違いが無い様に対応する。

また同時にコスト面から過剰品質にならない様に慎重に、達成すべき目標値を設定しなければならない。

 本テーマの1つは、設定した仕様案を実現する構想図または計画図案を一緒に作成し、最初の全社設計審査(DR・0 )会を経て、部門長の承認、実施設計案としての基本設計案作成へ移行する。

この段階でDR・0 指摘を受けると、仕様書および構想図の修正が発生する。

この段階での指摘項目には、仕様内容設定面に関する部分が多い。

 本テーマ 2 つ目は、DR・0 をクリアした後、実施設計案としての要求仕様を満足できる基本設計案作成段階へ移行する。

ここでは通常新規開発を必要とする構造案 (試作、検証が伴う) 部分と、既存技術対応構造部分の組合せ案の作成となる。

 この部分の全社基本設計審査(DR・1 )会が承認となれば、通常出図図書(ドキュメント)作成に至る詳細設計(DR・2 )対応段階へ移行する。

しかしDR・1 で指摘を受けると、本テーマの修正作業発生となる。

この段階での指摘内容は、通常試作・検証を必要とする部分に集中する。

               「予防取り組みの改善効果」

 商品・製品企画段階の仕様書案と構想図案の設計審査(DR・0 )会指摘による手直しを少なくするには、開発・新規設計仕様書および構想図案と、類似先行商品・製品の仕様書および構造図による横並び比較対象表および構造図比較表を作成してDR・0 会メンバーに示すことが大切である。
開発・新規設計品案と先行類似既存品の仕様書案および構造案の横並び比較表を作成することは、

開発品と既存品との仕様と構造部分の特徴と違いを明瞭に示すことである。

また同時に開発・新規設計品(仕様と構想図)案の全社設計審査(DR・0 )会へ提示に当たっては、機能面、性能面、特性面、設計条件(寿命と信頼度値)面がそれぞれ異なる最低 3 案以上(できればより多く)を同時に用意して審査(DR・0 )会へ臨む様に心掛ける。

これを怠ると、通常同じ審査(DR・0 )会による指摘を何度も繰り返す結果となる特徴がある。審査(DR・0 )会指摘が減ることで、手戻り・後処理時間の10 %程度を削減が可能となる。

全社基本設計審査(DR・1 )会指摘による本テーマ時間の削減では、未経験の開発・新規設計部分が組込まれる場合には、試作・検証が必要となり、通常その実施法に対する指摘による手直しが中心となる。

 また必要な検証を怠ると市場・客先クレーム多発の原因となる。

クレーム多発の原因とは、試作・試験で機器・装置類の保証可能な主要構成部品寿命期間と経過年数毎の信頼度値がきちんと事前把握されない為である場合が多い。

構成部品の寿命と経過年数毎の信頼度値が事前把握されていれば、不具合発生前に交換必要部品の事前対応が可能となり、クレーム発生を予防(未然防止)可能となる。

これがきちんと把握それていない場合には、不具合でクレームとなる迄対応できない結果となる。

クレーム対応に伴う手戻り・後処理時間は、多くの製造企業で 45 %(勤務時間の 13.5 %相当)を占める共通実態がある。

従って寿命期間と経過年数毎の信頼度値を事前検証できちんと把握対処することで、これら時間の削減が期待できる。

また同時並行的に基本設計審査(DR・1 )会指摘が減ることで、手戻り・後処理時間 8 %相当の削減効果が期待される。
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「引用文献」

・本稿は筆者が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間4位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理削減・予防」変更・加筆し、不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60「総論・第5章」

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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