リーダー層「品質改善活動」投入時間・事例第7位(2-3-7)

iyoblog (2-3-7)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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リーダー層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 7 位「品質改善活動」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-27-1 へリーダー層手戻り・後処理時間7位で「品質改善活動」テーマの階層別浪費時間と占有率を示す。

また図 2-27-2 へ同テーマの 1 人当り年浪費時間と比率を示す。

更に表 2-27 へ本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

(注・本テーマは、全階層手戻り・後処理投入合計時間第 10 位内へ入らないテーマである。)

 本テーマが、リーダー層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 4 %、リーダー層の手戻り・後処理業務比率は、45 %。勤務時間に対しては 1.8 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.018 = 8.6 分/日 )となり、リーダー層全員が休み無し状態では、略毎日 9 分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日(20 日/月 × 12ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 9.8 分/日となり、実質ではリーダー層全員が略毎日 10 分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門リーダー層は、年間 360 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ(品質改善活動)に対するリーダー層の役割は、大きく4つある。

第1は、製品引き渡し後の客先で稼働時に予期せぬ突発的不具合で稼働停止に伴う客先クレーム発生を予防(未然に防ぐ)する取組みである。

第2は、製品完成引渡し前の立合い時に仕様欠落を客先指摘で追加設計、製作、再組立発生を予防する取組みである。

第3は、担当者の製造知識不足による出図後の製造クレームを予防する取組みである。

第4は、DR(DR・0、DR・1、DR・2の各段階)時指摘と出図前検図時指摘による手戻り・後処理時間発生を予防する取組みである。

第1のテーマ取組みでは、開発・設計テーマへ着手時の基本設計段階で、開発部分となるユニット、モジュール、機能素子部品の寿命、信頼度値の確認試験をキチンとした実施を事前指導で義務付ける事である。

 第2のテーマ取組みでは、商品・製品開発企画段階で、基本仕様作成で機能抜け等が発生しない様に担当者任せにせず、管理者層とリーダー層がDR会へ参加して一緒に基本仕様作成に当たる事が望ましい。

 第3のテーマ取組みでは、未熟なベテラン層(勤続10年以内で特に問題を繰返し多く発生させるベテラン層の一部担当者)、新人層、協力者層に対する製造技術基礎教育の実施に当たる事である。

(注・不具合問題を殆ど出さない成熟したベテラン層は除く)

 第4の取組みでは、本人が注意していれば防げる、確保できる図面品質等は原則自分で確保し、他の周囲の人達に迷惑を掛けない仕事に対する責任感としてのマナーとモラルを確り身に着ける教育の実施に当たる事である。

「改善点と予防取り組み法」

 第1の取組みで大切な事は、担当者に対し開発・新規設計品では必ず試作して寿命値と経過期間毎の信頼度確認の試験実施方法を実習で修得できる迄繰返して確り教育する。

 第2の取組みでは、先行類似既存設計品でキチンとした標準仕様書モデルを用意し、これをベースに比較確認を行う習慣を繰返し身に着く迄修得して頂く。

 第3の取組みでは、担当者に対し設計上必要な製造技術知識が確実に身に着く迄繰返しの教育実施で修得して頂く。

またそのために必要な時間を確り確保する。

 第4の取組みでは、本人が注意していれば防げる図面品質確保では、他人の検図支援に頼らず本人が努力して確保する迄訓練を繰返し実施する。

この場合に出図前の検図を周囲の人が助けないのが一番重要となる。

寧ろ不備な図面をわざと出図させ、製造で叱られることが本人に採っての一番の薬となる。

 しかし本人で判断できない項目や未知のテーマへの取組みが必要な場合には、組織的に支援が大切になる。

教育の不備を補うため先輩たちが構築した経験則の資料化や着手前に必要な確保すべき注意点の事前指導、日常の簡単な項目の判断に迷って悩んでいる際に先輩達の巡回時に助言する等の取組みが大切である。

「予防取り組みの改善効果」

 日頃迷っている項目に対する巡回時に行うアドバイスは、担当者にとっては大変有難い支援であり、効果も大きい。

巡回がキチンと行われ難い場合には、担当者毎に誰へ相談すべきか? 一人一人に相談すべき成熟したベテラン者を指名して対応できる様にして置くと良い。

これは担当者教育の場合にも同じで、教育は集合教育ではなく、一人ずつ教育担当の成熟したベテランを指名して常時支援できる対応法構築が大切となる。

 教育期間の修得できるまでの空白をカバーする手段、方法として、各種経験則の資料化による支援活動も重要となる。

この場合に資料を活用する側の人向けに、その人だけに必要な資料を揃えて名前を付けて配布する配慮も大切である。

その資料の持つ意味は、貴方だけの為に作成、用意した資料だから、是非大事に日常活用して下さい、と言う意味を込めて配布する。

自分だけの為に作られた資料なら、本人は大事に扱わねばならない、と言う気持ちになる。

この説得力が資料としての、効果を発揮する。

簡単な事でも、教育を受ける側、資料を使う側、指導を受ける側の気持ちも大切にする。

これらの配慮が、リーダー層指導で大切にする。

人は、自分を大切に扱って接して呉れる人には、心を開き信頼する習性がある。

品質改善活動で結果を出したいと望む場合には、これらをリーダーは日常行動で周囲の人に対し忘れてはならない。

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「引用文献」

・本稿は筆者が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・リーダー層投入時間7位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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