リーダー層「追加出図」投入時間・事例第 10 位(2-3-10)

iyoblog (2-3-10)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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リーダー層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 10 位「追加出図」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-30-1 へリーダー層手戻り・後処理投入時間第 10 位で「追加出図」テーマの全階層浪費時間と占有率を示す。

また図 2-30-2 へ同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-30 へ本テーマ予防取組みで必要な対応原則法例を示す。

 本テーマが、リーダー層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 2 %、リーダー層の手戻り・後処理業務比率は、45 %。勤務時間に対しては 0.9 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.009 = 4.3 分/日 )となり、リーダー層全員が休み無し状態では、略毎日4分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月× 12 ケ月 = 240日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年)と仮定すると、実質ではリーダー層全員が略毎日5分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門リーダー層は、年間 180 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ(追加出図)に対するリーダー層の役割は、自身が直接追加出図作業せねばならない状態を無くす事である。

本テーマの時間発生が有る事は、リーター層が追加出図の時間を直接発生させている事を意味する。

つまりリーダー層自身が直接開発・設計テーマ処理に取組んでいるからに他ならない。

それ自身は何も悪い行為ではない。

寧ろ称賛すべき内容を伴っていると評価されるべきである。

しかしリーダー層の本来の役割とは何か? を考えて見る事が必要である。

リーダー層は、本来管理者層の意向と直接の指示の許に、チームメンバーを率いて与えられたテーマ事案の実務面で商品開発・設計消化を通し、目標品質の達成と向上、クレームの削減、期間短縮化の実現、効率向上の為の手戻り・後処理業務の削減化と予防、チームメンバー社員および構内協力者層の資質向上教育の実施、標準化推進および業務内容機械化(コンピュータ化)実現の下ごしらえ準備を進める事、等が主体となる。

従って実務面の各種直接指揮を執る以上、自身も直接開発・設計テーマに手を直に着けざるを得ない状態も発生する。その結果として本テーマの発生実績となる。

「改善点と予防取り組み法」

 ここで本テーマの追加出図が何故必要となるか? と言えば、着手テーマ毎の当初所要工数見積りと出図日程計画設定方法に問題があると考え、見直しする必要がある。

 判り易く言うと所要工数見積りと出図日程計画設定方法の再検討を必要とする意味は、着手から図書出図まで設計・出図図書作成所要工数見積りが、当初着手すべき内容項目に洩れ、抜けが無い様キチンと把握されているか? が判明してから、所要工数見積りへ取組まねばならない状態を言う。

また工数見積り不備で所要工数不足状態で出図納期として日程計画設定に無理が生ずると、後から納期遅れに伴う追加出図が避けられず発生する。

 また営業を経由して客先要望から納期が決められ、期間内の工数山積みを消化できる必要投入時間と人員が確保できない場合には、納期遅れが避けられない。

この場合にも、納期遅れの追加出図が当然避けられない。

 更にリーダー層自身が見積り、習熟度の低い持帰り外注設計等に業務委託すると、手戻り・後処理が多く消化不良を起こし納期遅れで追加出図の原因となる。

 他に出図後の製造クレームで当初の設計案のままでは工作、加工または製造できず、再設計、追加出図となる場合もある。

その他、当初は所要工数見積りと設定した日程計画通り順調に完成させたと思っても、立会時に客先から仕様洩れを指摘され、予期せぬ追加出図を伴う追加設計へ着手せざるを得ない不測の事態が発生する場合もある。

 更に当初充てにした持帰り外注受託者が急な病気入院や交通事故欠勤で日程を消化できず日程に狂いが生ずる場合もある。

 リーダー層が前述事項を埋めるために自ら追加出図へ手を出さざる得ないことへ、何の疑問も持たないのか? 大勢の担当者へ個別テーマで直接指揮に当たるリーダー層個人の資質が問われるテーマと受止める必要がある。

「予防取り組みの改善効果」

 やむを得ずリーダー層自身が直接開発、新規設計テーマへ着手したり、直接持帰り外注設計者へ委託着手する場合には、後で不足とならない所要工数見積り、出図迄の日程計画設定方法も仕様項目の一部として、納期遅れで追加出図せずに済ませる必須条件と目標設定が大切である。

これを忘れるとリーダー層は、後で工数不足で納期遅れの追加出図を発生する結果となる。

 出図納期遅れを発生させる良く出る原因の1つに、追加確認を必要とする設計検討必須項目が増える事がある。

その理由には、着手した後から仕様追加必須項目が見付かり、その裏付けを採る為の調査、試験等の工数と期間が増えてしまう事である。

これは、当初の仕様作成が不備であった場合と客先から仕様変更要求が有った場合に生ずる。

これを無くすには、類似先行設計品で標準仕様を作成して、機能の抽出洩れ、性能、特性、要求設計条件設定に不備が出ない様に普段から準備して置く事が望ましい。

この準備効果は、後から客先による仕様変更要求発生を少なくすると共に、追加出図防止と予防に特に有効である。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・リーダー層投入時間10位事例」部分へ今回ブログ掲載に当り大幅に加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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