協力者層「設計不良の後始末」投入時間・事例第 10 位

iyoblog (2-6-10)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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協力者層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 10 位「設計不良の後始末」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-60-1 へ、協力者層手戻り・後処理時間10位で「設計不良の後始末」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-60-2 へ、同テーマの 階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-60 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

(注・本テーマは、全階層手戻り・後処理合計投入時間 10 位内へ入らないテーマである。)

 本テーマが、協力者層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 3 %、協力者層の手戻り・後処理業務比率は 20 %から、勤務時間に対しては 0.6 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.006 = 2.9 分/日 )となり、協力者層全員が休み無しでは、略毎日3分弱を本テーマへ振り向ける実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 3.3 分となり、実質協力者層全員が略毎日3分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門協力者層は、年間 300 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時1名が毎日1時間 12 分ずつ相当を本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ(設計不良の後始末)に対する経験と実績を持つ開発・設計能力の高い協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者が原因発生者となる場合の役割は、大きく4つある。

第1は、製品引き渡し後の無償保障期間内に客先で稼働中に予期せぬ突発的不具合で稼働停止に伴う客先クレーム発生時の後始末処理である。

第2は、製品完成引渡し前の立合い時に仕様欠落の客先指摘で追加設計、製作、再組立発生時の後始末処理である。

第3は、協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者の製造知識不足による出図後の製造クレーム発生時の後始末処理である。

第4は、DR(DR・0、DR・1、DR・2、の各段階)時指摘と出図前検図時指摘による手戻り・後処理発生時の後始末処理である。

これらは何れも原因発生者が着手時に適切な社員委託担当者からの教育と事前指導が欠如した結果の着け払いとして発生したと考え再発防止、予防へキチンと対応して貰う必要がある。

ここで本テーマの設計不良の後始末が、経験と実績を持つ協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者に何故多く発生するか? これが、解決すべき最大の問題点である。

 第1に挙げた製品引き渡し後の客先で稼働時に予期せぬ突発的不具合で稼働停止に伴う客先クレーム発生時の後始末処理原因の問題は、基本設計時に開発品部分の寿命と信頼度値把握の技術検証不備か、または欠落結果と考える必要がある。

結論は経験と実績を持つ筈の協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者が、着手時に開発、新規設計品部分の寿命と信頼度値把握の技術検証実施をキチンと義務付けされず、且つ社員委託担当者の許で必要な教育と事前指導されなかった事が直接の原因と理解して再教育して貰う必要がある。

 第2に挙げた製品完成引渡し前の立合い時に仕様欠落を客先指摘で追加設計、製作、再組立発生時の後始末処理原因の問題は、結論は経験と実績を持つ筈の協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者が、社員委託担当者の許で着手時に開発品部分の仕様書作成に抜けが生じない様にキチンと作成できる方法と能力を教育と事前指導できなかった事が、直接の原因と理解し再教育して貰う必要がある。

本来仕様書は、協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者任せにせず、社員委託担当者が作成して協力者層受託担当者へ達成すべき目標指示書として引き渡す事が望ましい。

第3に挙げた協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者の製造知識不足による出図後の製造クレーム発生時の後始末処理の問題は、結論は協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者が、社員委託担当者の許で、着手時に製造技術上で製造・ラインクレームを起こさない様に注意点をキチンと教育、事前指導しなかった事が直接の原因と理解し再教育して貰う必要がある。

第4は、DR(DR・0、DR・1、DR・2の各段階)時指摘と出図前検図時指摘による手戻り・後処理発生時の後始末処理の問題は、結論は協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者が、社員委託担当者の許で、開発品部分の商品・製品企画と構想図・計画図作成上の注意点、基本設計取組み上の注意点、詳細設計取組み上の注意点、出図図書作成上の注意点を協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者へキチンと教育、事前指導しなかった事が直接の原因と理解し再教育して貰う必要がある。

「改善点と予防取り組み法」

 前述4項目で列挙した内容は、協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者が全ての責任を1人で負ってできる訳でもない。

また物理的に無理がある。従って社員委託担当者へ協力を仰ぎ一緒に処理対応で、取組む必要がある。

 協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者は、社員委託担当者を動かし教育や指導面で協力して貰うには、3つの人を動かす動機が必要である。

1つ目は、論理(大儀明文)。

2つ目は、依頼者への信頼感。

3つ目は、協力する事に対する損得勘定である。

論理とは、手伝って貰う必要がある理由となる理屈である。社員委託担当者がキチンと教え指導して呉れるとクレームが減る。

仕事が楽になる。部門・会社の業績向上に繋がる。担当者の成績も上がる等の根拠を説明することである。

信頼感とは、社員委託担当者が協力者層受託担当者教育と指導を手伝うと上手く行く。信頼して協力すれば、自分の成績・業績も良くなる。と思う感覚に訴える事である。

損得勘定とは、社員委託担当者が協力者層受託担当者の教育と指導を手伝うと自分が直接得をする事が多い。と思う感覚に訴えることである。

委託担当者の立場で会社や部門が良くなっても手伝う者へ何も恩恵がなければ、動かない。

論理だけでは、動かない。手伝わない。

また日頃信頼感情を抱かない人の依頼事を手伝わない。動かない。

手伝う事で委託担当者自身に対し得する事が判れば、感情抜きで動き、快く手伝う。

一緒に協力して貰いたい時には、この3項目に対する依頼を受ける人の感情、感覚を何時も忘れない。無視しない。

「予防取り組みの改善効果」

 本テーマの協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者による設計不良の後始末が、現実に中々減らせないのは、必要と思われる事が判っていながら今までキチンと取組まれて来なかったためである。

今まで社員委託担当者が個人的に協力者層受託担当者および持帰り外注設計受託者教育と事前指導の必要を感じながら、自身も動けなかった理由は、周囲の人、特に委託者側の管理者層、リーダー層、指導的な成熟したベテラン層の人達を含め一緒に巻込んで取組めなかった結果が大きい。

その直接原因は、周囲の人を動かすインパクトが無かったからに他ならない。

 本テーマに限らず、手戻り・後処理で生じている現象テーマとして、何故不具合が起こり得るのか? その原因と対策法など論理的に詰めると誰にでも判っている事ばかりと言える。

しかし実際には、効果的対策が実行されずに繰返し引きずっている実情がある。

どうしても遣らなければならない事項については、社員委託担当者が、個人的な損得勘定の感覚に訴えても取組み法を変える必要がある。

その結果の効果は、図り知れない。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・協力者層投入時間10位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」


(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」公開済み

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」公開済み

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」公開済み

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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