協力者層「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」投入時間・事例第 4 位(2-6-4)

iyoblog (2-6-4)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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協力者層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 4 位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-54-1 へ、協力者層手戻り・後処理時間4位で「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・手直し・後処理」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-54-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-54 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、協力者層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 11 %、協力者層の手戻り・後処理業務比率は 20 %から、勤務時間に対しては 2.2 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.022 = 10.6 分/日 )となり、協力者層全員が休み無しでは、略毎日11分弱を本テーマへ振り向ける実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 12 分となり、実質協力者層全員が略毎日 12 分を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門構内協力者層は、年間 1,100 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時 1 名が毎日 4 時間 30 分ずつ相当の時間を本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ( DR 指摘による仕様書・図面修正・手戻り・手直し・後処理 )の主な対象者は、設計能力が高いと評価の受託協力者層および持帰り受託外注設計担当者が開発・新規設計テーマを受託した事案で発生する作業である。

本テーマ削減または予防取組みに対する協力者層および持帰り受託外注設計担当者の役割には、次の2通りのケースがある。

第1は、受託協力者が作成した開発・設計試案に対するDR指摘で修正対応する場合。

第2は、社員担当者が作成した開発・新規設計案のDR指摘で修正対応へ協力する場合である。

第1の受託協力者層および持帰り受託外注設計担当者自身が、社員委託担当者から与えられた仕様書に基づき作成した構想図または計画図案でDR指摘による修正が発生する場合である。

この場合では、指摘された変更、修正を必要とする項目内容の詳細を改めてキチンと整理、摘出して明確に理解仕直しの必要がある。

要求仕様が変われば、これを達成または実現する原理、方式、構造、形状、使用材料、処理法、工作・加工法、組合せ等の選択法としての構想図、計画図案が大きく変わる。

従って開発・新規設計案の作成段階から業務受託する場合には、委託者の要求仕様項目を細部まで丁寧に打合せの段階で聞き出し、改めて仕様書素案としてまとめ直し、洩れが無く、後で変更が無い事を確認してからでなければ、構想図、計画図案の作成には着手しない。

また仕様書が確定していない案件に着手してはならない。

特に後での大きな変更を避けるため、構想図、計画図案の作成も1案のみで無く、複数、できるだけ10案以上用意提示し、その中から社員委託担当者側が最も気に入った数案を残し、コスト試算と技術的に実現可能か? の裏付けを採り、横並びの評価比較表を作り、複数の最終案をDR会で審査して貰う様に進める。

DR会でOKが得られた最終案が確定したら、その後の基本設計、詳細設計作業へ進める事が手順として大切である。

 ここで問題点は、キチンとした開発、新規設計着手時の手順や取組み法が判らずに取組めば、思考錯誤で前記の繰返しは、何回やれば良いか? また何時終わるか? の保証が無い。

放置すればテーマ内容によっては1回や2回では済まず、多い場合には10回以上、何十回も繰返す可能性も高い。

問題は何時終わるか? が判らないだけで無く、当初立てた目標性能、特性、要求設計諸条件(確保達成すべき目標寿命や信頼度値)を実現できる保証と見通しが無いまま訂正を繰返しながら取組む事になる。

 第2のケースは、そのまま担当する社員へ置き換え対応すれば良い。

「改善点と予防取り組み法」

 ここで大切な事は、誰が取組んでも確実に一定期間内に目標を達成できる取組み法で進める必要がある。

その方法とは、原理試作、方式試作、構造試作、量産試作の各段階で、できるだけ数多く設計試案を用意、検証し、1つずつ目標をクリアーして完成度を高めながら次へ進める取組み法である。

これが所要期間内に実現できないと、当初目標の性能値を途中で引き下げたり、検証を疎かにし、極端な場合は省略したりすると、完成してから重大事故原因に繋がり、やがて大きなクレーム要因となる。

 委託担当者側が指導上で一番大切な事は、受託者である協力者層担当者および持帰り外注設計担当者に採って未経験分野の開発、新規設計着手時であっても、一定目標期間内に各段階と必要な手順を追って完成度を確実に高める進め方で取組んで貰う事である。

 そのためには、最少単位の機能要素(ボルトとナット組合せの様な単純最少単位で機能を実現できる素子)開発テーマから着手させると良い。

この場合に同じ目標を実現する方法でも、原理、方式(基本原理を複数組合せ目標達成する組合せ法)、構造、形状、材料、処理、工作法等、これらの組合せ法は無数に存在する。

 全て零からスタートする場合に筆者は、着手目標テーマを定め特許調査で先人が苦労して編み出した実現方法を先ず検索、収集、調査から始める。

これは、自分で考えるより、物事を冷静に判断できる。

なまじ中途半端なアイデアが有るとこれに拘り、完成できるか? どうか? 判らない物を何時までも追う落とし穴に嵌る。

 次の段階では、実際に世の中に出回っている先行商品・製品で使われている物件事例を参考に、目標実現性の高い組合せ案件で試作、検証へ取組む。

その中から目標達成確実性の高い物を残し、更に次の機能要素の組み合わせへ進めて貰う。

「予防取り組みの改善効果」

 達成すべき設計目標テーマと条件が決まり、所要期間に制限がある場合には、構造簡単な機能要素開発から着手する。

原理、方式、構造、等は、特許調査により先人の知恵を拠り所に、検証は先行商品、製品で実際に使われている構造例を参考に新しい組合せ案を作成し、試作、検証で確実に完成度を高め、目標へ近づく手順で作業を進める。

これらの手順は、社員担当者取組みと協力者層受託担当者および持帰り外注受託担当者へ委託による取組み法の違いは何も無い。

 この時注意すべき点は、紙の上で1つに絞り込み、勝負をしてはいけない。

必ず異なる10種類以上できるだけ多く試験用モデルを用意し、目標実現度の高い案件を複数件必ず残す様に進める。

更にそれらを組合せ、より性能を高める試作、検証へ進める取組み法へ移行する。

紙の上で試作、検証案を1つに絞込み、目標未達でまた最初からやり直しを繰返す取組み法は、何回目で完成できるか判らないが、前記手順の繰返しで、後戻りせずに完成度を高める取組み法では、原理試作、方式試作、構造試作、量産試作と言う4階段を確実にSTEP UPして完成品へ到達できる。

前記取組み法を確り協力者層受託担当者および持帰の外注受託担当者へ教え、修得して貰い、義務付け、習慣化することで、目標期間内に完成させ、本テーマを確実に減らす予防が可能になる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・協力者層投入時間4位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」公開済み

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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