協力者層「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」投入時間・事例第 6 位(2-6-6)

iyoblog (2-6-6)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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協力者層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 6 位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-56-1 へ、協力者層手戻り・後処理時間6位で「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-56-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-56 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、協力者層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 8 %、協力者層の手戻り・後処理業務比率は、20 %。勤務時間に対しては 1.6 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.016 = 7.7 分/日 )となり、協力者層全員が休み無し状態では、略毎日8分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定する 8.7 分/日となり、実質では協力者層全員が略毎日9分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門協力者層は、年間 800 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。 この投入時間値は、常時 1 名が毎日 3 時間 12 分を超える時間を本テーマだけの為に費やされていると置き換え見る必要がある。

これを何とか減らさなければならない。危機感を持つ必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 受託する協力者層(派遣者を含む構内外注設計者層と持帰り外注設計者層)に採って大事な事は、委託者側から開発・設計能力が高いと評価された立場であれば、受託者が作成した図面類の検図で不備や間違いの摘出と指摘を通して正しい図面の作成法を学ぶ場を与えられていると理解して貰う事が大切である。

この場合に協力者層が摘出・指摘できる不備・間違いには、別の企業で設計経験を充分に積み上げた人を除けば、自分達が社員担当者から教わった内容の範囲内でしかできない限度と弱点がある。

従って当初できる事は、寸法、寸法線、加工記号、精度および公差記号、材料、処理、数量、名称。図番、等の簡単な記載洩れ、明らかな記載間違い程度の範囲に限られる。

ここで問題点は、前述した内容の殆どは作図担当者自身が充分注意しながら作図して貰えれば、本来発生させずに済ませた内容項目ばかりではないのか? と言うことができる。

これらを協力者層へ教育の名目で行わせる事態が本来正しい教育行為か? と言う問題点を含んでいる。

この問題点とは、作図者が自分で確保できる図面品質は、自分で先ず確保して貰う原則を社員、協力者の区別無くキチンと構築する必要がある。

出図前の検図行為は誰が行うか? ではなく、できれば減らしたい。そして無くしたい。

出図前検図を止む無く行うのは、出図してから製造技術上で加工できない等の製造クレーム・トラブルを防止する。

完成後の市場クレーム・トラブルを無くすことに、本来の目的がある。これを忘れない。

製造技術上で問題を起こす不自然な形状設計か? 加工可能か? 不能か? 測定は可能か? 不能か? 組合せは可能か? 不能か? 分解可能か? 不能か? 使用中問題を起こす可能性は有るか? どうか? 別の企業で設計経験を充分に積み上げた人を除けば、設計経験が浅い協力者層にそれらを判断する能力は十分ではないと言える。

しかし協力者層が不自然と感ずる場合には、委託担当者へ確認するか? 委託担当者と一緒に製造部門へ出向き、現場で一緒に見て貰い確認する方法がある。

これを、機会ある度に積極的に実施して貰うと良い。

「改善点と予防取り組み法」

 何故協力者層が、本テーマ(部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認)だけの為に、前掲した多くの時間を発生させる必要があるのか? 

第1の要因は、構内協力者層と持帰り外注設計者層の直接出図前検図を協力者層の検図だけに頼ると擦り抜けて出図後に製造クレームや市場クレーム原因を発生させる可能性が高い。

しかし委託者側としては、検図段階で判る範囲で良いからできるだけ見付けて除去して欲しいと言う気持ちが強い。

問題点は、協力者層が注意を払った積りで検図しても製造クレームと市場クレームとなる原因を殆ど見付け切れない可能性が高い事である。

その理由は、協力者層は自分で消化しなければならない簡単な部品設計等の案件を同時に抱えながら他の人達の検図も行う。

そのため内容を理解できないまま実を入れて充分対応仕切れていない事も大きい。

第2の要因は、構内協力者層、持帰り外注設計受託者層へ社員委託担当者から直接業務受託時に、必要な図面品質確保に必要な注意事項の教育と指導法に不備がある場合も想定できる。

ここで不備とは、不注意の間違い等の本人が注意していれば防げる間違いを防ぐ為の注意点を教育して貰っていない事である。

この場合には、受託者側から要求して、その都度受託時に着手上の注意点を教育、指導して貰う事が大切である。

これらには、筆者が関与先で対応した良い対策例がある。業務受託時に、特に注意を払って貰いたい事項を箇条書きしたメモの添付を一緒に要求する。

受託時に説明を受け、受託者が納得したらサインする。

勿論委託者も一緒にサインする。この効果は、非常に大きい。

これは、筆者が診断で関与した多くの企業で関係者全員へヒアリングした際、多くの所で委託者は「受託者が依頼通りに作業して呉れない。」、受託者は「依頼されてない事を実施してないと言う。」相反した異見に多く遭遇した事である。

前述事項を実施した後の、委託者と受託者による事後点検時間を大幅に短縮した経緯と実績がある。

「予防取り組みの改善効果」

 構内協力者層、持帰り外注設計者層の受託でも、協力者層の本テーマ投入時間を減らす上で確保すべき注意点は、後から指摘して直させる方式は止め、原則事前教育、指導実施方式へ切り替えて貰う。

これにより、出図前点検と納入時の受入れ時点検を原則軽減できる体制を徐々に構築する。

また受託者に判らない、判断が着けにくい項目が見込まれる内容部分には、構内協力者層だけでなく持帰り外注設計者に対しても委託者側が教育面で多少の金額を負担しても実施して貰う。

委託者は、設計方法書、手順書、基準書、手本図、規格等の資料類を整備、構築しながら原則可能な情報全てを協力者層と持帰り外注設計者へ無条件で提供する。

また協力者層に対するだけで無く、持帰り先へ社員委託担当者が出向いて、定期巡回による事前教育と指導を実施する。

これらの積み上げが、協力者層と全階層から出図前検図負担を軽減する。

そのため本人で確保できる図面品質は、原則本人へ確保させ、周囲がこれを助けない。

原則本人自身で図面品質確保へ責任を持って取組む様に習慣化を仕向ける。

基本原則は、事後点検で図面品質を確保できる事は殆ど無く、あくまで事前教育と指導実施を義務付け対応して貰う。

これらの実行により、主として構内協力者層の本テーマ負担の軽減化が徐々に実現可能となる。

これに伴いその他の階層の本テーマ関係軽減も確実に実現する。

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「引用文献」

・本稿は筆者が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・協力者層投入時間6位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」公開済み

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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