協力者層「図面改廃処理」投入時間・事例第 7 位(2-6-7)

iyoblog (2-6-7)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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協力者層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 7 位「図面改廃処理」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-57-1 へ、協力者層投入時間7位で「図面改廃処理」テーマの全階層浪費時間と比率を示す。

また図 2-57-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-57 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

(注・本テーマは、全階層手戻り・後処理合計時間10位内へ入らないテーマである。)

 本テーマが、協力者層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 6 %、協力者層の手戻り・後処理業務比率は、20 %。勤務時間に対しては 1.2 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.012 = 5.8 分/日 )となり、協力者層全員が休み無し状態では、略毎日6分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 6.5 分/人・日、実質では協力者層全員が略毎日7分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門協力者層は、年間 600 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時 1 名が毎日 2 時間 24 分を超える時間を本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

これを何とか減らさなければならない。危機感を持つ必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 ここで本テーマの図面改廃処理作業が、協力者層に何故発生するか? これが、問題である。

 図面改廃処理とは、担当者が着手進行中の設計テーマでは、殆ど発生しない。

過去の製品図書(ドキュメント)を再活用し、同じ製品を作る場合にメンテナンスが行われていないと、再出図した際に以前あった不具合を再発させる可能性がある。

担当者に前記記憶が残っている場合には、これは是非避けたい。

従って再出図前の図面改廃処理作業が必要になる。

 また最近手離れした出荷済み製品で予期せぬ客先クレームが発生し、急遽対策設計に取組まざるを得ず、問題部品と周辺関連部品の改良設計が必要となり、これに伴い図面改廃処理が発生するケースは多い。

 他に製作中の製品図書の中に、製造クレームとなったが、現場と相談し、図面改定無しで形状変更、材質変更、処理法変更、面粗さ変更、公差変更、等を個々に行う場合もある。

これを図面へ反映させるため、製品完成後の次のテーマへ着手する前に図面改廃処理するケースも発生する。

また取引が無くなった持帰り外注設計者へ以前委託した案件処理で、やはり頼むべき適切な担当者がいないため頼めず、代わって構内協力者層へ図面改廃処理の委託せざるを得ない場合も有る。

これらを如何に減らし、無くすべきか?として考える必要がある。

「改善点と予防取り組み法」

 本テーマの図面改廃処理とは、本質的に以前不具合を発生した図面類を再利用できる様に改良処理に当たる行為を言う。

不具合を改良する行為だから図面改廃処理は、良い事ではないのか? と考えるかも知れない。

しかし行わずに済む方法が有れば、無い方が良いに決まっている。

その為にどう減らすか? を考える必要がある。

原因発生者が、その都度、その場で訂正または実施した設計改良項目を一緒に作られた仕様書と共に変更処理を実施していれば、後から改めて行う必要が無い。

これを行わなかった為に発生する作業である。

従って大事な事は、設計品で不具合が生じた場合の図面類メンテナンスの原則は、その都度・その場で対応処理をする事が大切となる。

これを設計ルールとして階層に関係無く、設計技術部門の全員に義務付け、実施を守って貰う必要がある。

 原則論で考えれば、後から改廃処理が生じない設計を心掛ければ良い。

しかし現実は、これが出来ないために発生する。

何故生ずるか? の原因を少なくする必要がある。

第1は、現場の加工仕易さの様子を見てから最終形状を決める様にしようとする成行き、第3者任せの取組み法、としての考え方は止める。

先ず設計上で望ましい形状はこれだ、と言う設計者の考え方・ポリシーを明確にする。

但しその場合には、根拠とした裏付けをキチンと採る。

この裏付け根拠がキチンとしてないと、自信が持てず他人の一寸した指摘に左右され安易な変更に至る。

部品形状を決める場合には、安易に1つの案でまとめず、何時も形状が異なる複数で、幾通りもの案を並行して考え、要求仕様を満たすには、何の案の選択が1番妥当か? を横並び比較しながらまとめる。

この時仕事は早い方が良いと、安易に終わらせてはならない。

部品として完成してからの品質確保(市場クレーム防止)、作り易さ(製造クレーム防止)、コスト面、等に対する配慮をする場合に優先順位を着け、慎重に最終選択する。

後から手直し、改廃処理発生で失う時間との得失にも配慮する。

「予防取り組みの改善効果」

 協力者層に採って優先すべき着手テーマは、何か? 最終的には、受託した業務を通し市場、顧客に喜ばれ、時期に合った適正な価格(プライス)と、且つ利益が出る原価(コスト)で作れ、売れる商品、製品を開発、設計へ支援、協力すること。

受託した業務を通し商品、製品開発、設計では、市場、客先で後からリコール(不具合回収)で損害となる品質問題を発生させないこと。

開発、設計で市場・顧客クレームや製造・ラインクレーム対策で手戻り・後処理の原因発生者とならない協力者となることに尽きる。

単なる図面作成のCAD入力作業を請け負う協力者としての仕事をすれば良いと考える事なく、開発、設計者として協力していると自覚し、良い開発、設計とは何か? を何時も考えながら、仕様書を満たす裏付け法に注意を払う事が大切である。

そのため製造クレーム知識をキチンと修得したいと望む場合には、委託者へその勉強会や指導会の機会を作ってくれる様に依頼し、その為の資料提供を求めれば良い。

委託者側も協力者層へ速さだけを求めている訳では無く、後で品質不具合を起こさず、図面不良の無い仕事を求めていることに、一番注意を払いたい。

これらの努力が、結果的に後での図面改廃処理作業を減らす結果に結びついていると理解する。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・協力者層投入時間7位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」公開済み

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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