新人層「販売・取説・マニアル校正」投入時間・事例第 5 位(2-5-5)

iyoblog (2-5-5)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 5 位「販売・取説(オペレーティングマニアル・メンテナンスマニアル・トラブルシューティング)マニアル校正」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-45-1 へ、新人層投入時間第5位で「販売・取説(オペレーティングマニュアル・メンテナンスマニュアル・トラブルシューティング)・マニュアル校正」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-45-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-45 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 9 %、新人層の手戻り・後処理業務比率は、26 %。

勤務時間に対しては 2.3 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.023 = 11 分/日 )となり、新人層全員が休み無し状態では、略毎日 11 分を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 12.8 分/日となり、実質では新人層全員が、略毎日 13 分弱ずつを本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 421 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時1名が毎日1時間55分ずつ相当の時間を、本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ(販売・取説(オペレーティングマニュアル・メンテナンスマニュアル・トラブルシューティング)・マニュアル校正)の全階層投入時間中に占める新人層の比率は、35 %を超える。この意味は、各企業共に未だ設計処理能力を充分身に着けていない教育途中の新人層に相応しい作業と位置付けているためと思われる。

勿論原文作成に当たったベテラン層は、校正作業を当然行う。リーダー層、管理者層も目通しは必然的に行う。しかし一番本テーマへ時間を掛け行っている対象者は、新人層である。

何故各製造企業設計技術部門の新人層は、本テーマだけの為にこれだけ多くの時間が繰り返し投入され続ける必要があるのか? 本テーマ原因発生者は、原文作成者であるベテラン層担当者である。

外部へ発行されるマニュアルとなるため、作成者以外の目を通し、間違いはキチンと正して置きたい。

その為に避けて通れない作業として発生する部分と捉える必要がある。

これを新人層および社内技術部門関係者から除きたいと思う場合には、印刷業者へ委託する等の方法で対応する必要がある。

「改善点と予防取り組み法」

 筆者はここで手戻り・後処理作業は、原則悪と定義して開発・設計技術部門から基本的に減らす、徐々に無くすにはどうしたら良いか? の観点で個々のテーマへ対処法を採り上げ説明させて頂いている。

 自分たちでどうしても遣らなければならない事と、できるから行う事は、キチンと区別すべきと考える様にお勧めしたい。

その意味で新人層が行う本テーマ作業取組みは、社外化できるなら専門業者へ任せ、社員負担を取除くのが好ましいと説明したい。

但し、校正作業を通し新人層へ機械装置類の教育効果を図りたいと考え行う場合には、新人層が着手する設計テーマに関連する部分へできるだけ絞込み行う事を勧めたい。

 本テーマの校正作業を通し、マニュアル類の勉強をして貰うと言う教育効果を期待する意味があるか? を考えた場合に、新人層に対する時間の使い方面で、もっと優先するテーマがある筈だと考えたい。筆者は診断時の階層分類上で新人層を入社3年以内の主として教育時間半分、実務見習い時間半分で養成中の人達をイメージして区分けした。

 これは、キチンと新人層へ将来開発・設計者として一定レベルの技術的ポテンシャルを身に着けて業務へ取組んで貰うためには、最低1,800時間以上の教育、訓練時間と期間が必要と理解しているためである。

その根拠は、筆者が技術士試験を受験、合格するために取組んだ時の経験から割出した最低必要な時間である。

期間とは、1日3 時間 × 年 200 日 ×3年としての計算である。

午前3時間は、仕事上に必要な技術基礎教育に充てる。

午後は先輩の手伝いを通し、実務見習いとして時間を充てる。

自分の給料分を稼いで貰う感覚である。

午後の実務見習い期間中は、教える立場のベテラン層から見れば実質半分は手取り足取りの教育で推移せざる得ない状態と理解される。

「予防取り組みの改善効果」

 筆者が技術コンサルタントの立場で診断、業務改善、設計者教育等で関与した多数の製造企業開発・設計技術部門の実態は、殆どの企業で投入時間の 30 %が本書で紹介する手戻り・後処理時間テーマで浪費されている現実がある。

その理由を辿ると、入社後3年の新人層段階で確りした技術基礎教育を体系的に行われていない、またはできない為、5年以上 10 年経っても注意していれば自分で防げる簡単な間違いを繰返す未熟なベテラン層を多数抱えている実態に唖然とするからである。

 その意味で、新人層段階では、開発・設計業務上で出図後に製造クレーム・トラブル防止に必要な製造技術基礎教育と、商品・製品出荷後の市場・客先クレーム・トラブル防止に必要な開発、新規設計品寿命と信頼度値確認の技術検証方法修得に対する教育・訓練を確り身に着く迄行う事をお勧めしたい。

 特に開発・設計部門へ配属された新人教育で大切な事は、未知のテーマへ遭遇した際に、他人の支援無しに、自分で解決できる能力を確り身に着けさせる事である。

ここで未知のテーマへ遭遇した際と表現した意味は、他人の支援無しに仮説を立て、モデルを試作し、DATAを採取、分析・評価し、設計仕様をまとめる開発能力を身に着ける事を言う。

長く勤務して貰う(年金受給資格の最低25年以上の勤務と、高齢化に伴う定年延長を)前提で考えれば、新人層段階の3年は極めて短い期間である。寧ろ新人層期間に確り必要な教育を実施しないと、製造クレーム、市場・客先クレーム多発と手戻り・後処理発生に伴う浪費部分と、失う損失は、投入時間値の10倍以上となり、各社売上金額の2%を超える損失計上実態がある。

その意味で新人層に対する教育効果は、これらをドラスチックに引き下げる結果を充分に期待できる様になる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間5位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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