管理者層「品質改善活動」投入時間・事例第 4 位(2-2-4)

iyoblog (2-2-4)「設計の働き方と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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管理者層投入時間第 4 位「品質改善活動」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-14-1 へ管理者層投入時間第 4 位で「品質改善活動」テーマの階層別年投入時間と占有率比較を示す。

また図 2-14-2 へ同テーマの階層別 1 人当り年投入時間と占有率比較例を示す。 

更に表 2-14 へ本テーマ予防取組みで必要な対応原則法例を示す。

(注・本テーマは、管理者層にとっては全階層手戻り・後処理の投入時間10位内へ入らないテーマである。)

本テーマが、管理者層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 12 %、管理者層の手戻り・後処理業務比率は、54 %。勤務時間に対しては 6.5 %に相当する。

これは 1 日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.065 = 31.2 分/日 )となり、管理者層全員が休み無し状態では、略毎日 31 分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると、実質では管理者層全員が略毎日 35.3 分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門管理者層は、年間 648 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 ここで本テーマの品質改善活動は、予防への取組みであり手戻り・後処理に該当するか? の疑問が生ずるかも知れない。

しかし他の多くの手戻り・後処理作業に悩む結果で、間違いなく生ずる作業の一つである。

 品質改善活動で取上げるべき対象内容は、

①「開発、設計に起因する客先、市場クレームを減らし、如何に対策作業を無くして行くか? 」、

➁「出荷前客先立会時指摘された仕様洩れに伴う追加出図、製作を如何に無くして行くか? 」、

➂「製作図面出図に伴う現場からの製造クレームに伴う図面差替え作業を減らし、対策作業を如何に無くして行くか? 」、

④「本人以外のDR時指摘作業、出図前検図時指摘作業と、担当者本人の図面修正作業を如何に減らし、無くして行くか? 」等を不具合発生都度の機会のたびに検討している現状がある。

 品質改善活動へ参加するメンバーは、図 2-14-1 と図 2-14-2 へ示される様に、管理者、リーダー、ベテラン(先導的役割を果たしている成熟したベテラン層)が中心である。

これは、不具合を繰返し出し続ける直接開発、設計作業に充たる担当者をどう教育、指導するか? と、今直近で発生している不具合対策テーマを如何に早く解決すべきか? の2側面を処理するためである。

 先に①で挙げた「開発、設計に起因する客先、市場クレームを減らし、対策作業を如何に無くして行くか? 」では、実際に発生している不具合案件で、客先で即回復処理に当たる応急処理法を決め、担当者へ指示することが、優先する。

と同時に類似不具合の続発を防止、予防する措置方法も検討、実施する。

 ➁で挙げた「出荷前客先立会時指摘された仕様洩れに伴う追加出図、製作を無くして行くか? 」では、①と同じ様に実際に発生している不具合案件で、客先で即回復処理に当たる応急処理法を決め、担当者へ指示することが、優先する。

また引き続く案件で同じ指摘を受けずに済む類似不具合の続発を防止、予防措置方法も検討、実施する。

 また➂で挙げた「製作図面出図に伴う現場からの製造クレームに伴う図面差替え作業を減らし、対策作業を無くして行くか? 」では、実際に現場で発生している不具合案件で、即図面修正処理に当たる応急処理法を決め、担当者へ差替え指示することが、優先する。

と同時に他の担当者へ類似不具合の続発を防止、予防する注意喚起方法も検討、実施する。

 ④で挙げた「本人以外のDR時指摘作業、出図前検図時指摘作業と、担当者本人の図面修正作業を如何に減らし、無くして行くか? 」では、緊急対応を必要とする事案以外は、今後他の担当者へ類似不具合の続発を防止、予防する注意喚起方法を中心に検討、実施する。

「改善点と予防取り組み法」

 先に①で挙げた「開発、設計に起因する客先、市場クレームを減らし、対策作業を如何に無くして行くか? 」取組みでは、本気で客先、市場クレーム防止、予防を図りたいと望む場合には、緊急対応を必要とする事案の処置法で終わらせること無く、真のクレーム原因解明が大切となる。

 真の原因解明とは、客先、市場で不具合発生前に確実な予測できる状態を作ることである。

機械、電機製品では、構成部品の寿命による機能喪失がクレーム対策費用面では、70 %を占める。その内 80 %が、振動・衝撃劣化、等が原因である。

つまり製品構成部品の寿命と信頼度を事前把握していれば、寿命は予測できる。開発、新規設計時に部品寿命把握を義務付け、基本設計審査(DR1)事前指導会の場で実施する。

 ➁で挙げた「出荷前客先立会時指摘された仕様洩れに伴う追加出図、製作を無くして行くか? 」取組みでは、商品、製品企画時の仕様書作成で機能洩れ、達成すべき目標性能、特性、設計条件設定に間違いの無い様取組む。

類似先行商品、製品類でキチンとした標準仕様書を作成し、次に取組む際に客先と追加仕様の有無をその都度、企画審査(DR・0)事前指導会の場で厳格に実施する。

➂で挙げた「製作図面出図に伴う現場からの製造クレームに伴う図面差替え作業を減らし、対策作業を無くして行くか? 」取組みでは、詳細設計着手時の詳細設計審査(DR・2)事前指導会の場で、部品材料選択法、処理法、形状選択上の注意点、工作法選択上の注意点、部品組合せ上の注意点、等を製造部門関係者と一緒に徹底指導の実施が必要となる。

 ④で挙げた「本人以外のDR時指摘作業、出図前検図時指摘作業と、担当者本人の図面修正作業を如何に減らし、無くして行くか? 」取組みでは、担当者本人が個人で対応すべき内容と、組織的に管理者、リーダー、成熟したベテラン陣が援助、支援すべき内容と範囲をキチンと分けて、教育、先輩陣が構築したノウハウ(KNOW-HOW)とノウホワイ(KNOW-WHY)類の資料化、日常の巡回事前指導実施の義務化、徹底が大切となる。

「予防取り組みの改善効果」

 前出した①で挙げた、基本設計審査(DR1)事前指導会の場で行うべき部品寿命検証実施を義務付け徹底する。

 前述➁で挙げた、企画審査(DR・0)事前指導会の場で作成仕様内容を厳格に繰り返し実施する。

前述➂で挙げた、詳細設計審査(DR・2)事前指導会の場で、部品材料選択法、処理法、形状選択上の注意点、工作法選択上の注意点、部品組合せ上の注意点、等を製造部門関係者と一緒に徹底指導を実施する。

 前述④で挙げた、担当者自身で対応すべき内容と、組織的に援助、支援すべき内容と範囲をキチン分け教育、資料化、日常の巡回事前指導実施を大切とする。

 これらを着実に実施することで、例えば目標を立て 1 年で半減化、2 年で 4 分の 1 化、3 年で 8 分の 1 化、等を目指し、実現させることも可能となる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・管理者層投入時間4位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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