全階層「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」投入時間・事例第 10 位(2-1-10)

iyoblog (2-1-10)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 10 位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」の能力浪費予防と削減取り組み法例

「現状と問題点」

 図 2-1-101 へ全階層合計第10位で「DR指摘による仕様書・図面修正手戻り・後処理」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-102 へ本テーマの階層別1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-10 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 10 位の能力浪費予防と削減取り組み法例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 2.8 %、勤務時間に対しては 0.84 %に相当する。これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.0084 = 4.0 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 4 分の時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 1,670 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間では協力者層 ( 年 1,100 時間 ) が一番多く、ベテラン層 ( 年 300 時間)、新人層 ( 年 120 時間 )、リーダー層 ( 年 90 時間 )、管理者層 ( 年 30 時間 ) と続く。但し新人層 ( 年 120 時間 ) と管理者層 ( 年 30 時間 ) の時間は、共に 10 位以下の順位となるテーマである。

1 人当り投入時間で見ると協力者層 ( 年 44 時間 )、新人層 ( 年 13 時間 )、リーダー層 ( 年 9 時間 )、管理者層 ( 年 6 時間 ) 、ベテラン層 ( 年 5.9 時間 )と続く。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日 ( 20 日/月 × 12 ケ月-休暇分 20 日/年 = 220 日/年 ) と仮定すると、協力者層が毎日 12 分相当ずつ。新人層が毎日 3.5 分相当ずつ。リーダー層が毎日 2.5 分相当ずつ、ベテラン層が毎日 1.6 分相当ずつ。管理者層が毎日 1.6 分相当ずつを、それぞれ投入している実態となる。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ時間を減らす、または予防するとは、

①開発企画審査(DR・0)時指摘事項へ修正対応、

➁基本設計審査(DR・1)時指摘事項へ修正対応、

➂詳細設計審査(DR・2)時指摘事項へ修正対応、の3段階で手戻り・後処理発生時間の削減および予防法を考える必要がある。

 開発企画審査(DR・0)時指摘内容では、これから新規着手する商品・製品企画段階の仕様書案と構想図・計画図案に対するDRメンバーによる要修正または必要追加項目の指摘である。

このDR段階で後から欠陥・不備となる指摘洩れが生ずると、立会時の検収・出荷前に直接客先から仕様洩れ事項に対する追加と変更、または改良要求となる指摘を受け、追加設計、製作、組立や、改造設計作業と追加工事発生となる場合が多い。

この部分のDR指摘が適切でない場合には、客先検収立会時段階で手戻り・後処理時間の8%発生につながって行く実態がある。

基本設計審査(DR・1)時指摘内容では、耐久試験と信頼度検証を必要とする開発・新規着手必要部分と、既存技術で対応組合せ可能部分に対する予想される不備・欠陥部分の要修正・改良指摘である。

ここでは、開発部分の試作品と検証試験方法面の指摘内容が多く発生する。

しかし開発品部分に対する達成すべき寿命と経過年数毎の明確な信頼度の目標数値が指摘されていないと、製品出荷後のクレーム多発と対策としての手戻り・後処理業務発生原因となる現実がある。

この部分のDR指摘が適切でない場合には、手戻り・後処理時間の45%発生につながって行く実態がある。

 詳細設計審査(DR・2)時指摘内容では、出図後製造クレームが予想される不備・欠陥部分の要修正・改良必要箇所の指摘である。

この部分のDR指摘が適切でない場合には、出図後の手戻り・後処理時間23%発生につながって行く実態がある。

「改善点と予防取り組み法」

 ここでDR(DR・0、DR・1、DR・2)が手戻り・後処理削減または予防に対し本来どうあるべきか?を考えると、従来多くの製造企業で共通して習慣的に行われている担当者が作成した仕様書案、構想図案、基本設計案、詳細設計案の各原案の品質確保上の不備、欠陥部分の修正、改良指示指摘中心の方法と内容に疑問点が生ずる。

それは、修正、改良指示は、そのまま手戻り・後処理発生を繰返す。

後から手戻り・後処理をできるだけ発生させずに済むDR方法は、どうあるべきか?を、考え直して見る必要が生ずる。

その方法とは、設計審査会ではなく、必用な予防措置を事前に担当者へ機能する、働きかける様に設計指導会へ内容と方法を改める必要がある。

 開発企画審査(DR・0)指導会で一番大切なことは、仕様書が洩れが無い様にきちんと作られることに尽きる。

要求機能、性能、特性、設計条件(例えば確保すべき寿命値、信頼度値)で抜けが無く、担当者が設計で達成すべき目標数値を確り示すことが大切となる。

そのためには、仕様書は全社 DR・0 事前指導会メンバーの手と場で作られることが望ましい。

基本設計審査DR・1事前指導会で一番大切なことは、開発品の試作試験で寿命値と経過年数毎の信頼度値の把握をきちんと行い、確認作業が行われることである。

これも DR・1 事前指導会メンバーがきちんと必達すべき開発品の寿命数値と経過年数毎の信頼度数値を、試験・検証の実施方法を含めて事前指導すべき場として活用が望ましい。

 詳細設計審査 DR・2 事前指導会で一番大切なことは、出図後の製造クレーム未然防止に重点を置くことである。

ここでは、材料、熱処理、表面処理、他各種工作技術の知識と経験を充分持つ人を中心にメンバーを構成し、担当者着手前に事前指導会の場として活用、運用されることが望ましい。

「予防取り組みの改善効果」

 開発企画審査(DR・0)指導会がきちんと着手前に実施できれば、手戻り・後処理時間の 8 %節約の可能性がある。

これの実現には、3 年後半減(50%)化目標等で取組むと良い。

基本設計審査(DR・1)指導会がきちんと事前に実施できれば、市場クレームの大幅削減と手戻り・後処理時間の 45 %節約の可能性がある。

これの実現には、3 年後半減(50%)化目標等で取組むと良い。

詳細設計審査(DR・2)指導会がきちんと事前に実施できれば、出図後発生する手戻り・後処理時間の 23 %節約の可能性がある。

これの実現には、3 年後半減(50%)化目標等で取組むと良い。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間第 10 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し加筆し不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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