管理者層「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」投入時間・事例第 3 位(2-2-3)

iyoblog (2-2-3)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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管理者層で見た手戻り・後処理テーマ第 3 位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキョメント)の事後検図、出図前の点検・確認」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-13-1 へ管理者層投入時間第 3 位で「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキョメント)の事後検図、出図前の点検・確認」テーマの階層別投入時間と占有率比較例を示す。

図 2-13-2 へ同テーマの1人当り年投入時間と占有率比較例を示す。

また表 2-13 へ本テーマ予防取組みで必要な対応原則法例を示す。

  

 本テーマが、管理者層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 21 %、管理者層の手戻り・後処理業務比率は、54 %。勤務時間に対しては 11.3 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.113 = 54.2 分/日)となり、管理者層全員が休み無し状態では、略毎日 54 分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年)と仮定すると、実質では管理者層全員が略毎日 61.9 分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門管理者層は、年間 1,134 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

何故各製造企業設計技術部門の管理者層は、本テーマだけの為にこれだけ多くの時間が繰り返し投入され続ける必要があるのか? これには、開発・設計担当者、協力者および持帰り外注者へ委託時に必要な図面品質確保指導法に問題があると考え、見直しする必要がある。

 本テーマへ管理者層の投入時間発生は、本来望ましいことでは無い。できれば、無くしたい。

本テーマへ管理者層の投入時間発生には、2つの側面がある。

 1つは、社内ベテラン担当者等に余裕がなく、管理者層が直接持帰り外注設計へ委託、依頼せざるを得ないケースとして、納入図書(ドキュメント)で自ら受入れ検図、点検に当たる場合である。

 2つ目は、社員担当者全員の最終出図承認印を押印するに当り、つい気になり出図図書(ドキュメント)の中味に目を通さざる得なくなる場合である。

 1つ目で挙げた管理者が直接持帰り外注等へ委託した納入図書を、検図せずそのまま製造または購買部門経由で取引先へ出図できれば良い。

しかし委託時に契約条件で検図せず出図し不具合が生じた場合の損害賠償と手直し条項をキチンと設定、受託者も了承の上の取引きなら何も問題は無い。

しかし多くの設計部門で持帰り設計受託者との間で通常その様な契約を実施している委託例は殆ど無いと言って良い。

管理者層で有っても、この場合にどうしても依頼者が、直接受入れ検図に当たらざるを得ない実情がある。

この種の委託時に管理者の本テーマ発生が、避けられない。

 また2つ目に挙げた管理者が、社員担当者全員の最終出図承認印を押印するに当り、つい気になり出図図書の中味に目を通さざる得なくなる場合が問題である。

筆者が知る限り多くの設計技術部門で、最終出図承認までに通常3回検図を実施している。

通常同僚レベル検図者、先輩ベテランまたはリーダー格の検図者、最終検図者兼出図承認権を持つ管理者の3段階である。

出図承認権を持つ管理者の検図は、細部まで見ない場合もあるが、出図後や出荷後に手戻り・後処理が多い担当者に対しどうしても気になり、かなり細部まで目を通す傾向がある。

そのため管理者の本テーマ時間が中々減らない実情がある。

 1つ目の管理者が担当者を経由せず直接活用する持帰り設計受託者に対しては、納入時の検図負担を減らす工夫が必要である。

その方法とは、受託者で確保できる図面品質は、受託者へ責任を持たせる。

不具合に対する損害へ賠償責任を契約に明文化する。

また手直し方法も期限を定め一緒に記載する。できれば、管理者層からの直接委託は無くする。

また2つ目に挙げた管理者が、社員担当者全員の最終出図承認印を押印するに当り、作図者本人が注意していれば防げる簡単な内容項目の検図は、管理者層が点検に参加しないで済む様に切り替える。

成熟したベテランの点検段階で、本人へ差し戻す。

できるだけ本人で確保可能な図面品質は、本人に注意させ、周囲は助けないことが必要である。

周囲が助けることに慣れ、依存する体質を無くす努力が必要である。

「改善点と予防取り組み法」

 管理者層から本テーマ作業は、原則無くす方向で取組む。管理者層が持帰り外注へ直接の委託行為は、原則行わない。

必ず部下担当者経由で、委託する。

納入時の検図は、担当者へ委託する。

これは管理者に代わって担当者が検図することでは無い。

持帰り受託者で確保できる図面品質は、受託者へ確保させる行為は習慣化できる迄、繰り返し徹底する。

そのためには、担当者へ持帰り受託者の許へ出向いてでも、事後点検から注意点の事前指導に当たらせる。

 管理者層は、最終出図承認段階で本人が注意していれば確保できる図面品質面の点検は、原則廃止する。

大事なことは、事後点検で図面品質を確保することでは無く、必要な事前指導を行き届かせ、間違い訂正で手戻り・後処理しないで済む設計や図面作成に当たらせることを重点とする。

「予防取り組みの改善効果」

 持帰り外注活用でも、担当者による確保すべき重要事項と注意点は、事前指導実施へ切り替える。

これにより、納入時の受入れ点検を原則省略できる様に推進する。

また本人が判らない、判断が着けにくい項目が見込まれる場合には、持帰り受託者に対しても教育は実施する。

手順書、基準書、手本図、等の資料類も提供する。

これらの積み上げが、管理者層だけで無く、社員各階層の受入れ検図負担を軽減する。

 社内担当者に対しても本人で確保できる内容は、本人へ確保させ周囲がこれを助けない。本人で行う様に仕向ける。

基本原則は、事後点検で設計、図面品質を確保することでは無く、設計、図面品質確保に必要な注意点と内容は、事前指導で対応する。

これらの実施により、管理者層の本テーマ負担の軽減化が可能となる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・管理者層投入時間3位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更、加筆し不備部は訂正した。

 なお原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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