管理者層「図面改廃処理」投入時間・事例第 5 位(2-2-5)

iyoblog(2-2-5)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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管理者層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 5 位「図面改廃処理」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-15-1 へ管理者層投入時間第 5 位で「図面改廃処理」テーマの階層別投入時間と占有率比較例を示す。

また図 2-15-2 へ同テーマの階層別 1 人当り年投入時間と占有率比較例を示す。

更に表 2-15 へ本テーマ予防取組みで必要な対応原則法例を示す。

(注・なお本テーマは、全階層手戻り・後処理合計時間 10 位内へ入らないテーマである。)

 本テーマが、管理者層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 7 %、管理者層の手戻り・後処理業務比率は、54 %。勤務時間に対しては 3.8 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.038 = 18.2 分/日 )となり、管理者層全員が休み無し状態では、略毎日 18 分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると、実質では管理者層全員が略毎日 21 分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門管理者層は、年間 378 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 ここで本テーマの図面改廃作業が、管理者層に何故発生するか? これが、問題である。

 図面改廃処理とは、担当者が着手、進行中の設計テーマ途中では、殆ど発生しない。

過去の製品図書(ドキュメント)を再活用し、同じ製品を作る場合にメンテナンスが行われていないと、再出図した際に以前あった不具合を再発させる可能性がある。

担当者の記憶に残っている場合には、これは是非避けたい。従って再出図前の図面改廃処理が必要になる。

 また最近手離れした出荷済み製品で予期せぬ客先クレームが発生し、急遽対策設計に取組まざるを得ず、問題部品と周辺関連部品の改良設計が必要となり、これに伴い図面改廃処理が発生するケースは多い。

 他に製作中の製品図書(ドキュメント)の中に、製造クレームとなったが、現場と相談し、図面訂正無しで形状変更や、材質変更、処理法変更、仕上げ面粗さ変更、公差変更、等を行う場合もある。

これを図面へ反映させるため、次のテーマへ着手する前の製品完成後に図面改廃処理するケースも稀に発生する。

 前記作業等が通常はあり得ない管理者で発生する理由は、過去に自身が担当した案件絡みで、他に任せられる担当者がいないため、やむを得ず行う場合もある。

また取引きが無くなった持帰り外注へ委託した案件処理で、やはり頼むべき担当者が多忙で頼めず、管理者自身でやらざるを得ない場合も有り得る。

これらを如何に管理者層から減らし、無くすべきか?として考える必要がある。

「改善点と予防取り組み法」

 管理者層が、自身も開発、設計テーマを持ち、管理業務の傍ら直接着手する行為は、何も悪いことではない。

問題は、部下であるリーダー層、社員ベテラン層、新人層、協力者層を多数抱え、品質問題処理を必要とする案件を多数抱えながら、同時に手戻り・後処理も多く、業務効率も低い状態のままで、自身も担当者と一緒にテーマを消化する姿勢は、管理者層として果たして良いと言えるのか? が問題となる。

 社員担当者が、開発、設計した製品で品質案件が多いとすれば、管理者層はこの解決と再発防止指導取組みを最優先する必要がある。

 また部門内で手戻り・後処理が繰返し多く発生している状態で有れば、業務効率が著しく低下した状態を示す。

これらの背景と実態を把握、理解せず、新テーマ案件消化に走るのは、管理者層としての能力を疑われる行為と周囲には映る。

 開発、設計技術部門管理者層の業務とは、本来何か? どうあるべきか? を常に考えて見る必要がある。

その上で本テーマの図面改廃作業は、どう処理すべきか? の答えを出すのが望ましい。

筆者は、本テーマを管理者層から基本的に除外すべき代表的作業項目の1つに挙げている。

その理由は、品質改善取組みの中で、図面改廃を必要とした不具合事案から原因を解明し、結果を予測し防止へ必要な取組みへ繋げることが、予防措置と考えることが大切である。

「予防取り組みの改善効果」

 管理者層に採って優先すべき着手テーマは、何か? 市場、顧客に喜こばれ、時期に合った適正な価格(プライス)と、且つ利益が出る原価(コスト)で作れ、売れる商品、製品を開発、設計すること。

開発、設計商品、製品では、市場、客先で後からリコール(回収)で損害となる品質問題を発生させないこと。

開発、設計で市場・顧客クレームや製造・ラインクレーム対策で手戻り・後処理を極力発生させない様に、部下担当者となるリーダー、ベテラン、新人、協力者が仕事をやり易く支援の仕組みを構築すること。

ここで仕事をやり易くする支援の仕組みとは、必要な、

①・技術基礎教育を修得できるまで体系的に実施、

➁・リーダー、成熟したベテラン先輩達が技術構築したノウハウとノウホワイを日常の設計着手時に使い易く資料化、整備、構築、確実に使い熟せる様修得させること、

➂教育と資料化の不足部分を管理者、リーダー、成熟したベテラン陣が分担、日常定期定時巡回しながら事前、途中指導で担当者に不備、間違い作り込みを防止させること、

④・担当者が着手した開発、設計業務に於いて品質問題等で、周囲の他の人達へ迷惑を掛けない様に責任感を持って業務へ注意深く取組む様に、繰返し必要なマナー、モラル教育を、指導、実施すること、等を言う。

 期間と目標を定め前述事項を繰返し身に着く様に実施することで、開発、設計に伴う品質問題の発生を減らし、予防する効果が発揮される。

同時に手戻り・後処理削減、予防に伴い、業務効率も向上も可能となる。例えば1年で半減化、2年で4分の1化、3年で8分の1化を目指す、等である。

その結果、管理者が本テーマへ着手せずに済む状態が可能になる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・管理者層投入時間第 5 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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