全階層「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」投入時間・事例第 10 位(2-1-10)

iyoblog (2-1-10)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 10 位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」の能力浪費予防と削減取り組み法例

「現状と問題点」

 図 2-1-101 へ全階層合計第10位で「DR指摘による仕様書・図面修正手戻り・後処理」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-102 へ本テーマの階層別1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-10 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 10 位の能力浪費予防と削減取り組み法例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 2.8 %、勤務時間に対しては 0.84 %に相当する。これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.0084 = 4.0 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 4 分の時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 1,670 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間では協力者層 ( 年 1,100 時間 ) が一番多く、ベテラン層 ( 年 300 時間)、新人層 ( 年 120 時間 )、リーダー層 ( 年 90 時間 )、管理者層 ( 年 30 時間 ) と続く。但し新人層 ( 年 120 時間 ) と管理者層 ( 年 30 時間 ) の時間は、共に 10 位以下の順位となるテーマである。

1 人当り投入時間で見ると協力者層 ( 年 44 時間 )、新人層 ( 年 13 時間 )、リーダー層 ( 年 9 時間 )、管理者層 ( 年 6 時間 ) 、ベテラン層 ( 年 5.9 時間 )と続く。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日 ( 20 日/月 × 12 ケ月-休暇分 20 日/年 = 220 日/年 ) と仮定すると、協力者層が毎日 12 分相当ずつ。新人層が毎日 3.5 分相当ずつ。リーダー層が毎日 2.5 分相当ずつ、ベテラン層が毎日 1.6 分相当ずつ。管理者層が毎日 1.6 分相当ずつを、それぞれ投入している実態となる。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ時間を減らす、または予防するとは、

①開発企画審査(DR・0)時指摘事項へ修正対応、

➁基本設計審査(DR・1)時指摘事項へ修正対応、

➂詳細設計審査(DR・2)時指摘事項へ修正対応、の3段階で手戻り・後処理発生時間の削減および予防法を考える必要がある。

 開発企画審査(DR・0)時指摘内容では、これから新規着手する商品・製品企画段階の仕様書案と構想図・計画図案に対するDRメンバーによる要修正または必要追加項目の指摘である。

このDR段階で後から欠陥・不備となる指摘洩れが生ずると、立会時の検収・出荷前に直接客先から仕様洩れ事項に対する追加と変更、または改良要求となる指摘を受け、追加設計、製作、組立や、改造設計作業と追加工事発生となる場合が多い。

この部分のDR指摘が適切でない場合には、客先検収立会時段階で手戻り・後処理時間の8%発生につながって行く実態がある。

基本設計審査(DR・1)時指摘内容では、耐久試験と信頼度検証を必要とする開発・新規着手必要部分と、既存技術で対応組合せ可能部分に対する予想される不備・欠陥部分の要修正・改良指摘である。

ここでは、開発部分の試作品と検証試験方法面の指摘内容が多く発生する。

しかし開発品部分に対する達成すべき寿命と経過年数毎の明確な信頼度の目標数値が指摘されていないと、製品出荷後のクレーム多発と対策としての手戻り・後処理業務発生原因となる現実がある。

この部分のDR指摘が適切でない場合には、手戻り・後処理時間の45%発生につながって行く実態がある。

 詳細設計審査(DR・2)時指摘内容では、出図後製造クレームが予想される不備・欠陥部分の要修正・改良必要箇所の指摘である。

この部分のDR指摘が適切でない場合には、出図後の手戻り・後処理時間23%発生につながって行く実態がある。

「改善点と予防取り組み法」

 ここでDR(DR・0、DR・1、DR・2)が手戻り・後処理削減または予防に対し本来どうあるべきか?を考えると、従来多くの製造企業で共通して習慣的に行われている担当者が作成した仕様書案、構想図案、基本設計案、詳細設計案の各原案の品質確保上の不備、欠陥部分の修正、改良指示指摘中心の方法と内容に疑問点が生ずる。

それは、修正、改良指示は、そのまま手戻り・後処理発生を繰返す。

後から手戻り・後処理をできるだけ発生させずに済むDR方法は、どうあるべきか?を、考え直して見る必要が生ずる。

その方法とは、設計審査会ではなく、必用な予防措置を事前に担当者へ機能する、働きかける様に設計指導会へ内容と方法を改める必要がある。

 開発企画審査(DR・0)指導会で一番大切なことは、仕様書が洩れが無い様にきちんと作られることに尽きる。

要求機能、性能、特性、設計条件(例えば確保すべき寿命値、信頼度値)で抜けが無く、担当者が設計で達成すべき目標数値を確り示すことが大切となる。

そのためには、仕様書は全社 DR・0 事前指導会メンバーの手と場で作られることが望ましい。

基本設計審査DR・1事前指導会で一番大切なことは、開発品の試作試験で寿命値と経過年数毎の信頼度値の把握をきちんと行い、確認作業が行われることである。

これも DR・1 事前指導会メンバーがきちんと必達すべき開発品の寿命数値と経過年数毎の信頼度数値を、試験・検証の実施方法を含めて事前指導すべき場として活用が望ましい。

 詳細設計審査 DR・2 事前指導会で一番大切なことは、出図後の製造クレーム未然防止に重点を置くことである。

ここでは、材料、熱処理、表面処理、他各種工作技術の知識と経験を充分持つ人を中心にメンバーを構成し、担当者着手前に事前指導会の場として活用、運用されることが望ましい。

「予防取り組みの改善効果」

 開発企画審査(DR・0)指導会がきちんと着手前に実施できれば、手戻り・後処理時間の 8 %節約の可能性がある。

これの実現には、3 年後半減(50%)化目標等で取組むと良い。

基本設計審査(DR・1)指導会がきちんと事前に実施できれば、市場クレームの大幅削減と手戻り・後処理時間の 45 %節約の可能性がある。

これの実現には、3 年後半減(50%)化目標等で取組むと良い。

詳細設計審査(DR・2)指導会がきちんと事前に実施できれば、出図後発生する手戻り・後処理時間の 23 %節約の可能性がある。

これの実現には、3 年後半減(50%)化目標等で取組むと良い。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間第 10 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し加筆し不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「追加出図」投入時間・事例第 9 位(2-1-9)

iyoblog (2-1-9)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 9 位「追加出図」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-91 へ全階層合計第 9 位で「追加出図」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-92 へ本テーマの階層別 1 人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-9 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 9 位の能力浪費予防と削減取り組み法例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 3 %、勤務時間に対しては 0.9 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.009 = 4.3 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 4 分強の時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 2,130 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層 ( 年 1,300 時間 )が一番多く、協力者層 ( 年 500 時間 )、リーダー層 ( 年 180 時間 )、新人層 ( 年 120 時間 )、管理者層 ( 年 30 時間 )と続く。

1 人当り投入時間で見るとベテラン層 ( 年 25 時間 )、協力者層 ( 年 20 時間 )、リーダー層 ( 年 18 時間 )、新人層 ( 年 13 時間 )、管理者層 ( 年 6 時間 )と続く。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日 ( 20 日/月 × 12 ケ月-休暇分 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると、ベテラン層が毎日 6.8 分相当ずつ。協力者層が毎日 5.4 分相当ずつ。リーダー層が毎日 4.9 分相当ずつ、新人層が毎日 3.5 分相当ずつ。管理者層が毎日 1.6 分相当ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 これらの時間値結果が示す意味は、それぞれの担当者が約束した出図納期まで間にあわず、納期遅れで出図している分がどの程度発生しているか、を投入時間値として把握したものである。つまり全体としては、納期遅れが、定常的に繰り返し 3 %共通発生していることを意味している。

本テーマ時間を減らす、または予防するとは、出図納期遅れを減らす、または無くすことを言う。では出図遅れは何故発生するのか、原因は何かを明らかにする必要がある。

出図納期遅れが発生するには、幾つかの原因がある。1つは、着手遅れがある。

2つ目に当初の所要工数見積もり不足、または日程設定上に見込み違いが有った場合である。

3つ目に担当者処理能力(習熟度不足の場合と、突発事故で怪我や病気入院発生等)で日数不足に陥る場合がある。

着手遅れとは、前に担当した業務部分でクレーム発生等、対策に手間取り、計画日程通り着手できず、また他の担当者へ業務振替えできず、遅れて着手せざるを得なかった場合である。

2つ目に挙げた所要工数見積もり不足とは、後から客先仕様で追加項目が増え、当初予想した見積もり時間より着手すべき業務内容が大幅に増加し、納期は変えられず、また応援が得られず計画日程内に消化できない状態へ陥る場合を言う。

3つ目に挙げた習熟度不足とは、別の担当者(経験豊かなベテラン)が所要時間・期間を見積もり、実際に着手する担当者能力が見積者より習熟度が低く(経験が浅く処理能力が充分で無い状態)で所要時間、期間が多く掛かる場合を言う。

前記何れの場合も、外注設計活用で乗切る方法も有るが、長い信頼関係構築が無い外注先は、設計では、中々使えない実情がある。

「改善点と予防取り組み法」

 現状ベテラン層の出図納期遅れが、多くの製造業で共通定常化している。

そのため本来管理者層やリーダー層では存在しない筈の本テーマ時間発生が有るのは、持帰り外注活用等で管理者層とリーダー層がどうしても消化せざるを得ない設計テーマ処理へ着手するためである。

 持帰り外注設計委託では、検図、図面修正、出図・製作手配、納期遅れ時の本テーマ作業等、担当する管理者、リーダー本人が直接消化せざるを得ない形で時間発生させる。

 本テーマ時間発生を直接削減、予防するには、1つは、標準図化、標準設計方法化を進め、できるだけ繰返し類似内容での新規着手部分を減らす。

ここで標準設計方法化とは、テーマ毎に標準手順、標準基準、標準構造部品組合せ方法、等の資料類を用意し、新人や構内および持帰り外注設計者の教育ツールと作業マニアルとして活用する。

マニアル作りは、ベテランが中心となり、3 年計画程度の期間目標で新規図面作成の半減化へ取組む。

 2つ目は、手戻り・後処理業務全体の半減化を同じく 3 年計画程度の期間目標で取組むことで本テーマの削減も可能となる。

「予防取り組みの改善効果」

 既存設計品と出力性能を少しUPした製品、部品類の配置構造と大きさを若干変えた製品、右勝手・左勝手を変える製品、温泉地仕様・海水仕様・寒冷地仕様、熱帯乾燥地仕様へ材種変更する製品、等で新たな検証を必要とする部分を除けば、大筋類似内容繰返しで新規着手部分を減らす標準図対応できる標準化取組みは、時間節約から出図納期遅れを減らす上で特に大事となる。

 また前のクレーム処理対応面から着手遅れで本テーマ時間となるのを防ぐには、最初にクレーム予防へ取組むことが一番時間削減効果と費用削減効果も大きい。

手戻り・後処理時間の 45 %は、クレーム対応で発生している現実がある。この部分の原因は、寿命と信頼度把握検証がきちんと行われていない場合が多い。

ここでの本テーマ削減効果との関連は、クレームが減れば、追加出図も直接減る相関関係にある。

 2番目に本テーマ削減、予防で大事な着手すべき手戻り・後処理のステージは、検収・出荷前の手戻り・後処理部分である。

このステージで発生する設計部分は、100 %追加出図となる。つまり追加出図、追加購入、追加製作、追加組立作業、の発生が伴うためである。この部分の主たる発生原因は、仕様決め・構想図作成ステージで、顧客要求仕様設定の不備にある。

ここに一番の注意を払うことが大事となる。

本テーマ削減効果との関連は、仕様変更に伴う手戻り・後処理が減ればそのまま追加出図が減る相関である。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防 60 例・全階層投入時間 9 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」に変更し加筆し不備部は訂正した。

原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「苦情処理回答、フォロー業務」投入時間・事例第 8 位(2-1-8)

iyoblog (2-1-8)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 8 位「苦情処理回答、フォロー業務」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-81 へ全階層合計第8位で「苦情処理回答・フォロー業務」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-82 へ本テーマの階層別 1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-8 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 8 位の能力浪費予防と削減取り組み法例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 4 %、勤務時間に対しては 1.2 %に相当する。これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.012 = 5.8 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 6 分弱の時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 2,460 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層 ( 年 980 時間 ) が一番多く、リーダー層 ( 年 720 時間 )、管理者層 ( 年 378 時間 )、新人層 ( 年 230 時間 )、協力者層 ( 年 150 時間 )と続く。

1 人当り投入時間で見ると管理者層 ( 年 76 時間 )、リーダー層 ( 年 72 時間 )、新人層 ( 年 26 時間 )、ベテラン層 ( 年 19 時間 )、協力者層 ( 年 6 時間 )、と続く。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日 ( 20 日/月 × 12ケ月-休暇分 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると、管理者層が毎日 20.7 分相当ずつ。リーダー層が毎日 19.6 分相当ずつ、新人層が毎日 7.1 分相当ずつ。ベテラン層が毎日 5.2 分相当ずつ。協力者層が毎日 1.6 分相当ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 これらの時間結果が示す意味は、開発、設計不具合による市場、客先クレームの発生に伴い、即現地へ出向いてクレームとなった状況、不具合現象、内容と程度の確認および考え得る原因の推定。機器、部品に損傷がある場合にその程度、部品交換必要の有無、修理等で短期間に機能修復、回復可能か、どうか、の見極め。

対策および原因究明方法として現地でどう処置、措置、対処すべきか。現地で直ぐ対処、処置可能な場合には、関係者に許可を得てその場で機能回復措置を施す。

できない場合には、装置、部品類を持帰り必要の有無。回復処理に時間が掛かると予想される場合の対策として、応急処置の方法はどうするか。

また客先の苦情へ取敢えず現地で説明すべき内容と、後日改めて説明すべき内容の区分。

社内上司へ実情の連絡、報告、相談と、担当者として現地で採るべき対応へ指示を仰ぐ等、クレームに伴う苦情処理ではやらなければならない事は多い。

また一人当り投入時間で管理者層とリーダー層の時間が、新人層に対し凡そ約 3 倍、ベテラン層に対し約 3.5 倍と多い。

この理由は、苦情処理回答に当たらねばならない客先と原因発生担当者が、その都度異なり客先へ一緒に出向く回数が増えるためである。

「改善点と予防取り組み法」

 本テーマを減らすまたは予防するには、基本的に苦情原因となる開発・設計不具合を減らさねばならない。

全階層合計第 2 位「客先クレーム処理」テーマの予防法で触れた様に、顧客が期待する寿命期間より短期に機能不全を起こすことへ苦情が出たものである。

その原因は、顧客へ購入して頂いた商品である装置と構成部品個々の寿命を予め伝えて置かないことが大きい。

装置構成のどの部品は、何時間または何日間稼働すれば、どんな不具合を起こし機能不全となるか、予め伝えられ判っていれば、不具合時に備えた準備または予防措置が可能である。

これが伝えられていない状態で、突然稼働中に機能不全で停止となれば、メーカへ苦情となる。

 装置機械・電機機器系製品を構成する部品不具合の 80 %は、振動・衝撃劣化、疲労劣化、腐蝕劣化、摩擦・摩耗劣化、揺動・ねじり劣化、熱衝撃劣化の 6 原因で占めることが知られている。

また装置電気制御計装・実装系構成部品では、落雷・高圧サージ電圧損傷、水滴付着繰り返し絶縁劣化短絡、静電気放電発火・引火、電磁ノイズ誘導誤動作、過負荷発熱焼損、部品ワイヤ断線、膨張収縮はんだ剥離で機能停止の 7 原因が 90 %近くを占めることも知られている。

できれば開発または新規設計で装着した装置構成部品は、全て前記 13 項目で交換必要時期としての寿命を、予め試験で把握し、顧客へ引渡し時に伝えて置くことが望ましい。

「予防取り組みの改善効果」

 本テーマ削減および予防取組みでは、装置構成部品類の開発および新規設計着手では、事前に必ず寿命把握試験実施を義務付ける。

また経過時間毎の寿命に至る前段階で機能喪失となる前兆候現象把握も一緒に義務付ける。

例えば振動が急激に増大する。異常な発熱現象が見られる。異音が生ずる。焼けた臭い、異臭が漂う。色が変わる。

 寿命とは、機械・電機装置類では機能喪失、稼働不能状態を意味する。

特に構成部品の損傷・破損による機能喪失では、該当部品だけでなく周囲部品や装置本体へ影響する場合も生ずる。

前兆候が事前に把握され損傷以前に、該当部品のみ交換で済めば、ユーザーの稼働停止期間と修復費用発生も最小限で済む。

 納期が短いので出荷前に寿命試験を実施する余裕が無いと言うのであれば、加速試験で追試し期間を短縮し把握する方法もある。

要するに納品した客先で不具合による苦情が発生する前に、寿命が把握されていれば苦情となる現象へ予防処置の事前準備対応が可能となる。

納品した後からでも、早い時期にどの部品は何時までに交換が必要ですと、アナウンスすれば良い。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間第 8 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」に変えて加筆し不備部は訂正した。

原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」投入時間・事例第 7 位(2-1-7)

iyoblog (2-1-7)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 7 位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-71 へ全階層合計第 7 位で「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-72 へ本テーマの階層別1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-7 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 7 位の能力浪費予防と削減取組法例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 5 %、勤務時間に対しては 1.5 %に相当する。これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.015 = 7.2 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 7 分強の時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 3,270 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層 ( 年 1,630 時間 ) が一番多く、協力者層 ( 年 1,200 時間 )、新人層 ( 年 230 時間 )、リーダー層 ( 年 180 時間 )、管理者層 ( 年 30 時間 ) と続く。

1 人当り投入時間で見ると協力者層 ( 年 48 時間 )、ベテラン層 ( 年 32 時間 )、新人層 ( 年 26 時間 )、リーダー層 ( 年 18 時間 )、管理者層 ( 年 6 時間 )と続く。

 前記階層別時間配分値等から判ることは、主に基本設計段階で検証を必要とする開発、新規着手設計部分と、既存設計部分と結合、締結部分について、担当者から提出された当初設計案のまま試作、検証へ進めるのは、品質確保と目標コスト確保面および製作 ( 材料入手、処理、加工、組立上 ) 面上から管理者とリーダーから経験上問題が出る可能性を想定し、再検討の指示が出て、図面修正、再設計の手戻り時間発生に至る部分と見做す必要がある。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日 ( 20 日/月 × 12 ケ月-休暇分 20 日/年 = 220 日/年 ) と仮定すると、協力者層が毎日 13.1 分相当ずつ。ベテラン層が毎日 8.7 分相当ずつ。新人層が毎日 7.1 分相当ずつ。リーダー層が毎日 4.9 分相当ずつ、管理者層が毎日 1.6 分相当ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 これらの時間結果が示す意味は、担当者が当初基本設計案作成時に品質確保方法、目標コスト確保方法、製作 ( 材料、処理、加工、組立法等 ) 面を十分吟味せずに設計案作成を進めている傾向が多い結果と窺える。

 本テーマで協力者層の投入時間が多いのは、再検討指示で、結果として実際の図面修正、再設計に当たる役割が多いためと窺える。

「改善点と予防取り組み法」

 本テーマに伴う手戻り時間を減らすには、担当者が基本設計案をまとめる際に、検証を必要とする開発、新規着手案のまとめ法として、先ず担当者が考えた試案をいきなり図面化してリーダーや管理者上司へ確認、承諾を得ようとするのではなく、仕様 ( 要求品質、目標コスト等 ) を満たすユニットまたはモジュール部分の原理、方式、構造、部品形状、使用材料、処理、加工、組立方法組合せの異なる複数試案を用意する。

その複数試案作成は、手書きのポンチ絵で良い。

そのポンチ絵の状態、段階でリーダー、管理者へ事前に相談し、最善案を選んで貰い、了承が得られた案の具体的基本設計案の作図化へ移行する。

 但しこの段階に複数試案で基本設計案の作成へ移行する場合もある。

筆者は、品質 ( 特に寿命と信頼度値の確認 ) とコストの検証は、なるべく複数 ( 多いほうが良い ) 案で行うことを勧めている。

 信頼度値確認では、経過期間毎の数値把握が必要となるため、バラツキ把握には絶対条件としてサンプル数を複数用意する必要がある。

「予防取り組みの改善効果」

 本テーマの設計案再検討、図面修正とは、設計案作成やり直しを言う。これを減らすには、基本的にやり直しせずに済む設計案の作り方で取組むことである。

やり直しせずに済む設計試案の作成方法とは、当初から開発、新規設計着手必要部分の作成では、原理・方式・構造・形状・材料・処理・工作 ( 加工・組立・締結 ) 法、等の組合せが異なるできるだけ多数の試案を作成する。

それらの中から品質確保と目標コスト実現可能性の高い案件を複数残し、次の試作、検証結果で最良の物を選別し、最終基本設計案をまとめることが、望ましい。

 以上に記載した手順は、一見手間が掛かり、市場の短期開発要求にそぐわない方法と考えがちとなる。

しかし試作、検証期間を大幅短縮する方法として、加速試験法がある。

寿命確認や耐久試験および信頼度確認には、通常方法で実施すれば時間が掛かる。

しかし10倍に加速すれば所要期間 ( または時間 ) を 10 分の 1 へ、100 倍に加速すれば所要期間を 100 分の 1 へ短縮が可能となる。

これにより開発、新規着手設計期間を縮めることが容易となる。

つまり試案作成に掛かる時間分を、検証時間で充分取戻しできる。

 紙の上で基本設計案を 1 つに絞り込み、試作、試験による検証結果で要求品質 ( 寿命性能、信頼度等 )、目標コストを達成できず、設計案再検討、試作、検証繰返しを何回も繰返す場合を考えれば、当初基本設計案作成段階から設計案再検討を繰返さずに済む取組み法で進めることが、どれだけ望ましい方法か判る。

ここで設計案再検討とは、手戻り・手直し時間であると理解することが大切である。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間 7 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」に変更し加筆し不備部は訂正した。

原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「量試後のコストダウン再検討」投入時間・事例第 6 位(2-1-6)

iyoblog (2-1-6)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 6 位「量試後のコストダウン」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-61 へ全階層合計第 6 位で「量試後のコストダウン再検討」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-62 へ本テーマの階層別1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-6 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 6 位の能力浪費予防と削減取組法例を示す。




 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 6 %、勤務時間に対しては 1.8 %に相当する。これは1日実働 8 時間では( 8時間/日 × 60 分/時間 × 0.018 = 8.6 分/日)となり、設計技術部門全員が略毎日 9 分弱近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 3,930 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある

「着眼点・分析と評価法」

本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層 ( 年 1,630 時間 ) が一番多く、管理者層 ( 年 1,134 時間 )、協力者層 ( 年 800 時間 )、新人層 ( 年 280 時間)、リーダー層 ( 年 90 時間 )、と続く。

1 人当り投入時間で見ると管理者層 ( 年 227 時間 )、協力者層 ( 年 48 時間 )、ベテラン層 ( 年 32 時間 )、新人層 ( 年 26 時間 )、リーダー層 ( 年 18 時間 )、と続く。

 前記階層別時間配分値等から判ることは、量産試作時の生産コスト実績結果を見て、管理者層が市場要求コストを満たすには、更なるコスト低減取組みが必要と判断し、担当者へコスト低減の再設計指示を出し、担当者が再設計に費やす時間として発生させている状態が窺える。

これらの時間は、担当者が詳細設計時の部品設計と出図図書(ドキュメント)作成時に部品材料コスト、処理・加工コスト、組立コスト等を殆ど気にせず設計した結果を量産試作後の実績コスト見直し等で再設計した結果として発生させている時間と見做す必要がある。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日 ( 20 日/月 × 12 ケ月 – 休暇分 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると、管理者層が毎日 61.9 分相当ずつ。

協力者層が毎日 13.1 分相当ずつ。

新人層が毎日 9.8 分相当ずつ。

ベテラン層が毎日 8.7 分相当ずつ。

リーダー層が毎日 4.9 分相当ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 これらの時間結果が示す意味は、担当者が詳細設計時に部品材料コスト、熱処理や加工コスト、組立コスト等を日常殆ど意識せずに設計へ取組んでいる実態が窺える。

そのため量産試作結果による生産コスト実績から、コストダウンの必要上で見直し、修正の再設計指導で管理者層が集中的に直接指示で取組んでいる実態も窺える。

 ここでの問題点は、各担当者が当初から品質を確保しながらコストを最も安く設計する取組み法で着手する様如何に教育、誘導するかが大切となる。

これを抜きに量産試作結果の実績コストを見てから、改めて管理者指示でコストダウンへ取組む手戻り状態を無くすことはできない。

「改善点と予防取り組み法」

 筆者が関与した中で、担当者が日常的に設計品コストに強い関心を持ち、品質を確保しながらその都度採りうる最善のコストを追及する設計法を実施している企業例がある。

 その方法は、要求仕様 ( 機能・性能・特性・設計条件・他 ) を満たす可能性を持つ原理、方式、構造、材料、処理、工作 ( 加工・組立・締結 ) 法の異なる設計案を同時複数考え、作成した各設計案のコスト見積もりを実施、横並び比較する。

その中から最も安く実現できる組合せ構造案を検証し、最終設計案としてまとめて行く取組み法を毎回習慣として定着させ、必ず繰り返し実施している。

 前記設計取組み法は、一見時間が掛かり面倒そうに見えるが、量産試作で実績結果からコスト見直し、手戻りで再設計取組みを行なう場合と比較すれば、遥かに効率的(費用と時間節約および期間短縮効果を持つ)設計取組み法となる。

この手法は、MUST COST法と呼ばれている。

「予防取り組みの改善効果」

 担当者が設計品へコスト(製造原価)を意識せず、納期を理由に手慣れた既存類似の設計組合せ法で部品形状、使用材料、処理、加工、組立て、締結法を繰返すのは、品質を確保するため新規設計品では避けられない検証作業を回避するためである。

 しかし新興国の低コスト競争に晒され、品質をより高めながら絶えず低コスト実現へ設計面から取組まざるを得ない現状では、設計者は従来設計組合せ方式をコスト面から絶えず見直し変えて行く覚悟が必要である。

 コスト低減設計取組みでは、毎回前回設計品より 15 %下げるとか、20 %下げるとか、具体的目標数値を設定して取組むことで、時代に合う目標実現可能な新しい原理・方式・構造・材料・工作法等の組合せ案が実現する。

腕時計に見るメカニカルムーブメント構造からクリスタルを組込んだ電子式ムーブメントへの転換例は、その代表的存在と言える。

 担当者が毎回の設計品に対するコスト低減追及意識を持ち定着化する様、設計取組み時にMUST COST法を採り入れ、複数案でコスト横並び比較を必ず行わせる。

この方法でコスト従来より安く実現する組合せ法を見付ける習慣を身に着ける。

この訓練を、毎回繰返し日常習慣化で定着させる。

前記手法の実施により量産試作後の生産コスト実績結果を見てから、管理者がコスト低減再設計指示に費やす手戻り時間を削減する。同時に担当者が再設計に取組む時間も節約される。

その為の低減目標は、1年で半減化、2年で4分の1化、3年で8分の1化の様に設定し、即実施へ着手する。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間6位事例」部分を今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」と変更し加筆し不備部は訂正した。

原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「現場からのクレーム処理」投入時間・事例第 5 位(2-1-5)

iyoblog (2-1-5)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 5 位「現場からのクレーム処理」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-51 へ全階層投入時間合計第 5 位で「現場からのクレーム処理」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-52 へ本テーマの階層別1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-5 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 5 位の能力浪費予防と削減取組法例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 7 %、勤務時間に対しては 2.1 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.021 = 10.1 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 10 分強近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 4,490 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

「着眼点・分析と評価法」

本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層(年2,940時間)が一番多く、新人層(年750時間)、リーダー層(年540時間)、協力者層(年150時間)、管理者層(年108時間)と続く。

1人当り投入時間で見ると新人層(年83時間)、ベテラン層(年58時間)、リーダー層(年54時間)、管理者層(年22時間)、協力者層(年6時間)と続く。

 これらの時間は、担当者が詳細設計時の部品設計と出図図書(ドキュメント)作成時に部品材料選択、熱処理や表面処理、および加工・工作知識不足等で、製造や工作部門、および加工依頼の取引先から製作できない等で問合せや出図図書の差替え要求として出された結果の手直し等で発生させている時間と見做す必要がある。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働220日(20日/月×12ケ月-休暇分20日/年=220日/年)と仮定すると、新人層が毎日22.6分ずつ。ベテラン層が毎日15.8分ずつ。リーダー層が毎日14.7分ずつ。管理者層が毎日6.0分ずつ。協力者層が毎日1.6分相当ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 これは、管理者層とリーダー層は原因発生者の現場からの製造不備クレーム内容に応じて、時には現場へ一緒出向き、対策および処理法の対応に充てざるを得ない時間である。

ベテラン層、新人層、協力者層は、それぞれ担当者として現場に出向きながら製造クレームの対応処理に直接充てざるを得ない時間と見做す必要がある。

また本テーマを詳細に分解すると、材料と熱処理選択知識不足に起因する対応面、および製造法と工作法知識不足に起因する対応面へ内容を分けて発生時間削減法を考える必要がある。

これを判り易く表現すると、材料と熱処理選択法の知識不足と、製造法と工作法知識不足とは、設計担当者に対する必要な、

①技術基礎教育の不備または欠如、

➁教育不備を補う活用可能な設計経験則類資料化整備の不備と欠如、

➂教育と経験則資料化不備を補う上司、先輩による事前、途中巡回指導の不備と欠如、

④担当者全員に対し、着手した業務の自分で確保できる設計および図面品質は原則自分で確保し、他人へ迷惑を掛けない様にするモラルとマナーを確り身に着けさせる面での日常指導不備と欠如結果等の着け払いとして発生している理解と対応が必要である。

「改善点と予防取り組み法」

技術基礎教育面の不備に対しては、3年間で600時間程度を掛けて、担当者全員へ材料と熱処理法、および製造法と工作・加工法等の知識を確り修得させる。

 経験則資料化整備面の不備に対しては、リーダー層と経験あるベテラン層が中心になり、期間と目標を定め事例集の形態でまとめる。

 事前・途中の巡回指導は、リーダー層と経験あるベテラン層が中心になり、それぞれ受持ち対象者を決め、毎日午前と午後定時・定例巡回指導を実施する。

 自分で確保できる品質は自分で確保し、他人へ迷惑を掛けない仕事のモラルとマナー意識保持は、

毎日の朝礼で実施して欲しい凡ミス(ヒューマンエラー)防止上の注意点等を書き出し、これを唱和しながら身に着くまで繰り返す。

「予防取り組みの改善効果」

 教育効果は、修得できた項目から反映される。しかし教育に伴う修得には、時間が掛かることを覚悟する。

しかし一度身に着けば、担当者にとって一生の財産となる。

また修得結果は、勤務するその後の期間、仕事に直接反映される。

この効果が大きい。年金との関係で最低25年以上の勤務する場合を考えれば、3年間の教育費用に対する効果は遥かに大きな物となる。

経験則の資料化効果は、活用できる資料が完成した分、またその時点から仕事へ直ぐ反映が可能となる。教育より期間が短く効果が反映する特徴がある。

上司、先輩による毎日その都度の事前、途中の定時、定期巡回指導実施は、結果と効果を仕事へ直ぐ反映する。実施が早い程、効果も大きい。

担当者に対する仕事への責任感と、他人へ迷惑を掛けない気持ちを持って取組んで貰うことは、品質確保と手戻り・後処理削減には絶対に欠かせない。

また効果を持続する上でも、必須要件である。何れも欠かさず実施する。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間 5 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを変更、加筆し、不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「設計仕様・設計内容事後チェック」投入時間・事例第 4 位(2-1-4)

iyoblog (2-1-4)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」 設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層合計投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 4 位「設計仕様・設計内容事後チェック」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-41 へ全階層合計第 4 位で「設計仕様・設計内容事後チェック」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-42 へ本テーマの階層別1人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1-4 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 4 位の能力浪費予防と削減取り組み法を示す。


 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 7 %、勤務時間に対しては 2.1 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日× 60 分/時間× 0.021 = 10.1 分/日)となり、設計技術部門全員が略毎日10 分強近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 4,550 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。
 
               「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層(年 2,280 時間)が一番多く、協力者層(年 1,300 時間)、新人層(年 470 時間)、リーダー層(年 450 時間)、管理者層(年 54 時間)と続く。

1 人当り投入時間で見ると協力者層(年 52 時間)、新人層(年 52 時間)、ベテラン層(年 45 時間)、リーダー層(年 45 時間)、管理者層(年 11 時間)と続く。

これらの時間は、設計担当者が仕様設定と構想設計時の企画審査(DR・0)前と、基本設計審査(DR・1)前に於ける自己点検時と、その結果の手直しで発生させている時間と見做す必要がある。

これを1日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日( 20 日/月× 12 ケ月-休暇分 20 日/年= 220 日/年)と仮定すると、協力者層が毎日 14.2 分相当ずつ。

新人層が毎日 14.2 分ずつ。

ベテラン層が毎日 12.3 分ずつ。

リーダー層が毎日 12.3 分ずつ。

管理者層が毎日 3.0 分ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 これは、管理者層とリーダー層はDR前の事前相談時指摘に充てている時間、ベテラン層、新人層、協力者層は、それぞれDR前に自己点検結果の修正に充てている時間と見做す必要がある。

また本テーマを更に分解すると、仕様設定内容修正と構想図・計画図作成 (DR・0 )面、および基本設計案(DR・1 )作成面に対する内容修正を分けて対応法を考える必要がある。
 
               「改善点と予防取り組み法」

 開発および新規品設計着手時には、仕様(要求機能、性能、特性、設計条件、等)作成から開始する。

営業情報に基づき市場または顧客要求を設計仕様書としてまとめるに当り、製作を開始または製品を完成してから顧客指摘で変更や再製作等に至る機能抜け、性能不足、特性不備、設計条件設定間違いが無い様に対応する。

また同時にコスト面から過剰品質にならない様に慎重に、達成すべき目標値を設定しなければならない。

 本テーマの1つは、設定した仕様案を実現する構想図または計画図案を一緒に作成し、最初の全社設計審査(DR・0 )会を経て、部門長の承認、実施設計案としての基本設計案作成へ移行する。

この段階でDR・0 指摘を受けると、仕様書および構想図の修正が発生する。

この段階での指摘項目には、仕様内容設定面に関する部分が多い。

 本テーマ 2 つ目は、DR・0 をクリアした後、実施設計案としての要求仕様を満足できる基本設計案作成段階へ移行する。

ここでは通常新規開発を必要とする構造案 (試作、検証が伴う) 部分と、既存技術対応構造部分の組合せ案の作成となる。

 この部分の全社基本設計審査(DR・1 )会が承認となれば、通常出図図書(ドキュメント)作成に至る詳細設計(DR・2 )対応段階へ移行する。

しかしDR・1 で指摘を受けると、本テーマの修正作業発生となる。

この段階での指摘内容は、通常試作・検証を必要とする部分に集中する。

               「予防取り組みの改善効果」

 商品・製品企画段階の仕様書案と構想図案の設計審査(DR・0 )会指摘による手直しを少なくするには、開発・新規設計仕様書および構想図案と、類似先行商品・製品の仕様書および構造図による横並び比較対象表および構造図比較表を作成してDR・0 会メンバーに示すことが大切である。
開発・新規設計品案と先行類似既存品の仕様書案および構造案の横並び比較表を作成することは、

開発品と既存品との仕様と構造部分の特徴と違いを明瞭に示すことである。

また同時に開発・新規設計品(仕様と構想図)案の全社設計審査(DR・0 )会へ提示に当たっては、機能面、性能面、特性面、設計条件(寿命と信頼度値)面がそれぞれ異なる最低 3 案以上(できればより多く)を同時に用意して審査(DR・0 )会へ臨む様に心掛ける。

これを怠ると、通常同じ審査(DR・0 )会による指摘を何度も繰り返す結果となる特徴がある。審査(DR・0 )会指摘が減ることで、手戻り・後処理時間の10 %程度を削減が可能となる。

全社基本設計審査(DR・1 )会指摘による本テーマ時間の削減では、未経験の開発・新規設計部分が組込まれる場合には、試作・検証が必要となり、通常その実施法に対する指摘による手直しが中心となる。

 また必要な検証を怠ると市場・客先クレーム多発の原因となる。

クレーム多発の原因とは、試作・試験で機器・装置類の保証可能な主要構成部品寿命期間と経過年数毎の信頼度値がきちんと事前把握されない為である場合が多い。

構成部品の寿命と経過年数毎の信頼度値が事前把握されていれば、不具合発生前に交換必要部品の事前対応が可能となり、クレーム発生を予防(未然防止)可能となる。

これがきちんと把握それていない場合には、不具合でクレームとなる迄対応できない結果となる。

クレーム対応に伴う手戻り・後処理時間は、多くの製造企業で 45 %(勤務時間の 13.5 %相当)を占める共通実態がある。

従って寿命期間と経過年数毎の信頼度値を事前検証できちんと把握対処することで、これら時間の削減が期待できる。

また同時並行的に基本設計審査(DR・1 )会指摘が減ることで、手戻り・後処理時間 8 %相当の削減効果が期待される。
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「引用文献」

・本稿は筆者が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間4位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理削減・予防」変更・加筆し、不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「本文中記載の検索キーワード例」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60「総論・第5章」

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「検図による図面修正、手戻り、手直し」投入時間・事例第 3 位(2-1-3)

iyoblog(2-1-3)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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設計の手戻り・後処理予防取り組み法・全階層投入時間第 3 位「検図による図面修正、手戻り、手直し」の予防法

「現状と問題点」

 図 2-1-31 へ全階層合計第 3 位で「検図による図面修正、手戻り、手直し」テーマの階層別年間浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

また図 2-1-32・へ全階層合計第 3 位で「検図による図面修正、手戻り、手直し」テーマの階層別 1 人当年浪費時間と占有率の階層別内容例を示す。

更に表 2-1 へ全階層合計で見た手戻り・後処理テーマ第 3 位の能力浪費予防と削減取り組み法を示す。

本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 9 %、勤務時間に対しては 2.7 %に相当する。

これは 1 日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.027 = 13.0 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 13 分近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 5,730 時間相当が本テーマだけの為に失われている現実がある。

「着眼点・分析と評価法」

本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層(年 2,610 時間)が一番多く、協力者層(年 2,300 時間)、新人層(年 700 時間)、リーダー層(年 90 時間)、管理者層(年 30 時間)と続く。

1 人当り投入時間で見ると協力者層(年 52 時間)、新人層(年 52 時間)、ベテラン層(年 45 時間)、リーダー層(年 45 時間)、管理者層(年 30 時間)と続く。

これらの時間は、出図図書(ドキュメント)作成者が直接手直しで発生させている時間と見做す必要がある。

これを 1 日当りの発生時間へ換算すると、年実働 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月-休暇分 20 日/年 = 220 日/年と仮定)すると、協力者層が毎日 25.1 分相当ずつを投入。

新人層が毎日 21.3 分ずつを投入。

ベテラン層が毎日 13.9 分ずつを、それぞれ投入している実態となる。

 なおリーダー層が年 90 時間( 1 人当り毎日 2.5 分ずつ)、管理者層が年 30 時間( 1 人当り毎日 1.6 分ずつ)ずつ、本テーマへ投入の発生がある。

これについて筆者の知る例では、ベテラン層が消化しきれない分をリーダー層および管理者層が担当社員を経由せず社外の持帰り外注等へ直接設計委託した分を依頼者が点検し、納期に合わず直接手直し出図手配している例を見た経験がある。

これの良し悪しについては、一考の必要がある。

本件に対する考え方と対応法は、別のテーマで詳述したい。

「改善点と予防取り組み法」

「検図による図面修正、手戻り、手直し」テーマの投入時間を減らすには、後から修正、手直しを必要とする絶対件数を減らすことに尽きる。

つまり担当者が、検図者から図面修正、手戻り、手直しの指摘を受けずに済む出図図書作成に努力すれば良い。

 No.1「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」テーマで触れたが、設計時に作りこまれる欠陥、不備、間違い原因には、担当者の判断の間違い等による場合と、不注意等による場合があることを説明した。

また本テーマ「検図による図面修正、手戻り、手直し」原因の殆どは、不注意の間違い部分が多いことを指摘した。

従って本テーマの発生時間を減らすには、担当者が出図図書作成時不注意の発生防止に集中することが大切となる。

また周囲の他人へ迷惑を掛けてはいけないと言う強い気持ち持つこと、後で検図者が見て呉れるから適当で良いと言う気持ちを持たない様に仕向けることである。

 多くの企業で検図時の指摘に記入洩れが多い実態があることから、模範図を用意し、寸法および寸法線、寸法公差および幾何公差、加工面粗さ記号および仕上げ記号、材料および処理法指定、製作必要数量、角(ばり・面取り)・隅(肉盗み)の形状、名称と図番、注記事項、等にその都度、きちんと良く注意が行き届く様に仕向ける。

 また前述した簡単な項目については、原則本人へ注意を払わせ、出図前の上司、先輩、同僚による検図対象項目から外す (検図しない)事が望ましい。

つまり担当者の不注意の間違いに対しては、周囲が検図指摘で助けない様にする。

そのためには自己点検がきちんと行われていない出図図書は、原則出図許可を与えない指導が大切である。

「予防取り組みの改善効果」

上司、先輩、同僚による簡単な記載項目に対する検図を徐々に減らしながら、担当者の図面品質を確実に高め本テーマ時間を減らすには、毎月検図していた対象項目から除外するテーマを一つ決め、不注意の間違い防止強調月間の様なキャンペーン活動を展開する進め方がある。

筆者が関与した企業で取組んだ例を紹介すると、発生頻度の高い順に、最初の1ケ月目は「寸法の記入洩れ防止強調月間」、2 ケ月目は「公差の記入洩れ防止強調月間」、3 ケ月目は「加工記号の記入洩れ防止強調月間」、4 ケ月目は「材料と処理法記入洩れ防止強調月間」、等の様に進めると良い。

実運用面では、キャンペーンで取上げた月から各テーマを検図の対象から除く。

つまり担当者本人が責任を持って無くす様に努力して貰う。

これを毎月一つずつテーマを継続して積み上げる。

例えば3年後を目標に置き、先ず不注意による間違い防止の様な本人で確保できる品質は、本人自身で確実に確保、撲滅できる状態を作り上げる。

 これらを即実行し、結果を見ながら定着するまで繰り返す事が大切となる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間第 3 位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」に変更加筆し不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「本文中記載の検索キーワード例」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60「総論・第5章」

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「客先クレーム処理」投入時間・事例第 2 位(2-1-2)

iyoblog (2-1-2)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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全階層投入時間第 2 位「客先クレーム処理」の予防取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-1-21 へ「手戻り・後処理」業務中の全階層投入時間合計第 2 位である「客先クレーム処理」テーマへ階層別年間投入時間と占有率例を示す。

 また図 2-1-22 へ本テーマの各階層別 1 人当り年間投入時間内容例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 18 %、勤務時間に対しては 5.4 %に相当する。

 これは1 日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.054 = 25.9 分/日 )となり、設計技術部門全員が略毎日 26 分近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

 また 100 名規模の製造企業設計技術部門では、年間 1 万 1490 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ投入時間を階層別に見ると合計時間ではベテラン層が一番多い。

1 人当り投入時間で見ると管理者層、リーダー層が圧倒的に多くなる。

 ベテラン層は、自分自身が原因発生者で有る場合が多い。

全員が、毎回の様に発生させている訳ではない。しかし人数が多いため、1 人当り発生時間は少なくても合計時間として多くなる。

原因発生者はどうしても自分自身での対応が求められる。

ベテラン層は、直接対応の時間と見做される。

 一方管理者層とリーダー層には、部下である原因発生者と一緒に対応する必要に迫られる。

その結果の投入時間と見做す必要がある。

 管理者層の年間1人当り238時間は、年間実働 220 日(土曜、日曜、祭日、有給休暇日を引いた日数で換算)と仮定すれば、毎日 1 時間 5 分ずつ本テーマに振り向けている実態となる。

リーダー層の年間 1 人当り 189 時間は、毎日 52 分相当を本テーマへ振り向けている実態となる。

ベテラン層の年間 1 人当り 154 時間は、毎日 42 分を振り向けている実態となる。

何故本テーマ対応への時間が多く発生するか? 真の原因を明確にする必要がある。

「改善点と予防取り組み法」

 本テーマの客先クレーム内容実態を複数の関与先で集めた結果、必要としたクレーム対策費用発生原因の70%が、開発または設計に起因する各社共通点が判明した。

短期間に性能が低下する、部品寿命が劣化、損傷し稼働に支障を期たす等である。

機械電機系製品では、納品 1 ヶ月以内に 25 %、3 ヶ月以内 13 %、6 ヶ月以内 11 %、1 年以内 21 %のクレーム発生している企業間で共通するDATAがある。

判り易く表現するとクレームは納品後 6 ヶ月間 (半年)で計 49 %(約半分相当)が、1 年で 70 %が発生している実態がある。

開発、設計不具合原因の機械装置系では、6原因(①・振動・衝撃劣化、➁・疲労劣化、➂・腐蝕劣化、④・摩擦・摩耗劣化、➄・揺動・ねじり劣化、⑥・熱衝撃劣化)等で 80 %を占める。

また装置の実装・計装系では、7原因(➆・落雷・高圧サージ電圧損傷、⑧・水滴付着繰り返し絶縁劣化損傷、➈・静電気放電発火・引火、➉・電磁ノイズ誘導誤作動、⑪・過負荷発熱損傷、⑫・部品ワイヤ断線、⑬・膨張・収縮半田剥離で機能停止)等で 90 %を占める共通実態がある。

 前述原因による不具合クレームとは、開発・設計時に部品寿命をきちんと事前検証しなかった結果である。

寿命をキチンと把握検証するとは、故障で機能喪失前の不具合となる前兆候現象を同時に把握できる。

つまり寿命と不具合に至る前兆候を把握できれば、適切な交換時期をユーザーに対してアナウンスできる。

これらが、大切となる。

「予防取り組みの改善効果」

 開発・新規設計品に対し、メーカー側が寿命と不具合発生前の兆候現象を事前検証で把握していれば、ユーザーへ部品交換必要時期を適切に事前に伝えることが可能になる。

これが行われていない場合には、ユーザーはいきなり不具合に直面し、無償保障期間内で有れば当然クレームとなる。

当然メーカーへ機能回復の修理対応要求や、突然の機能停止で被った、また失われた損害の賠償要求となる。

実際には、クレーム対策費の 70 %が開発・設計不具合に起因し、機械装置類(制御系実装・計装系を含め)不具合原因の 80 %が前述記載 13 要因から、部品寿命と不具合前兆候把握の事前検証を確実に行うことで、約半分(注・0.8 × 0.7 = 0.56 )近いクレームを減らすことが可能となる。

問題点は、新興国との競争等から市場からコスト低減要求と併せ短納期開発・設計が求められ、検証時間を確保できない担当者の悩みがある。

現実には、出荷・納品後 6 ヶ月以内に約 50 %、1 年以内に 70 %のクレームが共通して発生している実態が有ることから、部品寿命検証を加速試験で実施することを勧めている。

 加速試験とは、1 年( 365 日/1 年 × 24 時間/日 = 8,760 時間/1 年 )を10倍に加速し 10 分の 1 へ短縮か、100 倍に加速し100 分の 1 へ短縮して評価することを言う。

 10 倍加速では、1 年を 37 日間へ短縮できる。半年では、19 日となる。100 倍加速では、1 年を 4 日間へ短縮できる。

半年では、2 日間となる。

 前述検証方法を使うことで、半年以内に発生する開発・設計不具合対応には、納品前に加速検証を実施してから出荷する。

どんなに忙しくても 2 日間の寿命検証期間は確保する。

1 年以内に発生する開発・設計不具合には、納品後 6 ケ月間の初期流動管理期間を設け、1 年以上 10 年以内に起り得る開発・設計不具合問題を検証する。

 大事なことは、ユーザーの許で不具合が発生してから対応を繰り返していては、根本的に客先クレーム処理はなくせない。

また開発・設計不具合は、検図では基本的に見付けられない。実物検証試験有るのみと心得る。

 筆者が関与した自家製品を開発したている多くの企業で、開発段階で 5000 時間耐久試験を実施している所が多い実態がある。

(注・5000 時間は、連続で 208.3 日 = 略 209 日間 = 6.97 ケ月 = 略 7 ケ月間を意味する。 )

何故か 5000 時間耐久を実施しながらクレームに悩む企業の殆どが、信頼度値把握を確りしていない事に気づいていない現実がある。

信頼度値を的確に把握するには、耐久試験を同時複数で実施する必要がある。

信頼度値を的確に把握するとは、経過期間別に信頼度値が変化する経緯を把握することを言う。

耐久試験では、最低でも同時に 7 台以上で行う必要がある。

出来れば同時に 40 台以上で実施する事を勧めたい。

ここで同時に 7 台とは、最低でも「 ± 1 σ」のばらつき値を把握して欲しいと言う意味である。

また同時に 40 台を勧めるとは、出来れば「 ± 2 σ」値を把握する事を言う。

それぞれ「± 1 σ」値また「± 2 σ」値が把握出来れば、DATAから試験品の正規分布曲線を描くことが出来る。

つまり経過期間別の信頼度値を、大まかに推測できる。これが、特に大切である。完成品で行うことが難しい場合には、重要部品単品毎で行なうと良い。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間2位事例」部分を今回ブログ掲載に当りサブタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」と改名・加筆し不備部は訂正した。

 原本入手ご希望の方は出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接お問い合わせ給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「本文中記載の検索キーワード例」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「要約・目次」

「設計の手戻り・後処理は、業務効率化を阻む最大の障害」

iyoblog 設計 実務 管理知識 シリーズ(2-0)設計力向上研究会編

2-0-1設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第1章」

「設計の手戻り・後処理の実態把握」

iyoblog 設計 実務 管理知識 シリーズ2-1)設計力向上研究会編

2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」

「設計の手戻り・後処理の実態分析とその削減・予防の考え方」

iyoblog 設計 実務 管理知識 シリーズ(2-2)設計力向上研究会編

2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」

「設計の手戻り・後処理の削減・予防のための具体的方法」

iyoblog 設計 実務 管理知識 シリーズ(2-3)設計力向上研究会編

2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」

「手戻り・後処理のテーマ別発生件数と時間の相関実態分析事例」

iyoblog 設計 実務 管理知識 シリーズ(2-4)設計力向上研究会編

BLOG2-0-5設計の手戻り・後処理予防60「総論・第5章」

機械部品の寿命と信頼度の短期把握可能な加速試験方法」

iyoblog 設計 実務 管理知識 シリーズ(2-5)設計力向上研究会編

2-1)設計の手戻り・後処理予防60例「全階層の心得と実務(全階層合計投入時間上位10事例テーマの要約と目次)

iyoblog2-1-1)全階層1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認

iyoblog2-1-2)全階層2位「客先クレーム処理

iyoblog2-1-3)全階層3位「検図指摘による図面修正

iyoblog2-1-4)全階層4位「設計仕様・設計内容事後チェック

iyoblog2-1-5)全階層5位「現場からのクレーム処理

iyoblog2-1-6)全階層6位「量試後のCD再検討

iyoblog2-1-7)全階層7位「設計案再検討、図面修正

iyoblog2-1-8)全階層8位「苦情処理解答

iyoblog2-1-9)全階層9位「追加出図

iyoblog2-1-10)全階層10位「DR指摘による仕様書・図面修正

2-2)設計の手戻り・後処理予防60例「管理者層の心得と」(管理者層投入時間上位10事例テーマの要約と目次)

iyoblog2-2-1)管理者層1位「客先クレーム処理」

iyoblog2-2-2)管理者層2位「量試後のCD再検討」

iyoblog2-2-3)管理者層3位「部下・同僚・外注設計作成図書事後検図、出図前点検・確認」

iyoblog2-2-4)管理者層4位「品質改善活動

iyoblog2-2-5)管理者層5位「図面改廃処理

iyoblog2-2-6)管理者層6位「苦情処理解答」

iyoblog2-2-7)管理者層7位「クレーム対策会議

iyoblog2-2-8)管理者層8位「設計案・試験結果NG再評価

iyoblog2-2-9)管理者層9位「現場からのクレーム処理」

iyoblog2-2-10)管理者層10位「設計仕様・設計内容事後チェック

2-3)設計の手戻り・後処理予防60例「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10事例テーマの要約と目次)

iyoblog2-3-1)リーダー層1位「部下・同僚・外注設計作成図書事後検図、出図前点検・確認

iyoblog2-3-2)リーダー層2位「客先クレーム処理」

iyoblog2-3-3)リーダー層3位「苦情処理解答」

iyoblog2-3-4)リーダー層4位「現場からのクレーム処理」

iyoblog2-3-5)リーダー層5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

iyoblog2-3-6)リーダー層6位「クレーム対策会議」

iyoblog2-3-7)リーダー層7位「品質改善活動」

iyoblog2-3-8)リーダー層8位「設計案再検討、図面修正」

iyoblog2-3-9)リーダー層9位「設計不良の後始末

iyoblog2-3-10)リーダー層10位「追加出図」

2-4設計の手戻り・後処理予防60ベテラン層の心得と実務(ベテラン層投入時間上位10事例テーマの要約と目次)

iyoblog2-4-1)ベテラン層1位「客先クレーム処理」

iyoblog2-4-2)ベテラン層2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」

iyoblog2-4-3)ベテラン層3位「現場からのクレーム処理」

iyoblog2-4-4)ベテラン層4位「検図による図面修正」

iyoblog2-4-5)ベテラン層5位「設計仕様・設計内容事後チェック」

iyoblog2-4-6)ベテラン層6位「設計案再検討、図面修正」

iyoblog2-4-7)ベテラン層7位「量試後のコストダウン再検討」

iyoblog2-4-8)ベテラン層8位「追加出図」

iyoblog2-4-9)ベテラン層9位「苦情処理解答」

iyoblog2-4-10)ベテラン層10位「設計不良の後始末」

2-5)設計の手戻り・後処理予防60例「新人層の心得と実務(新人層投入時間上位10事例テーマの要約と目次)

iyoblog2-5-1)新人層1位「現場からのクレーム処理」

iyoblog2-5-2)新人層2位「検図による図面修正」

iyoblog2-5-3)新人層3位「部下・同僚・外注設計作成図書事後検図、出図前点検・確認」

iyoblog2-5-4)新人層4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

iyoblog2-5-5)新人層5位「販売・取説・マニアル校正

iyoblog2-5-6)新人層6位「設計不良の後始末」

iyoblog2-5-7)新人層7位「量試後のCD再検討」

iyoblog2-5-8)新人層8位「客先クレーム処理」

iyoblog2-5-9)新人層9位「苦情処理解答」

iyoblog2-5-10)新人層10位「設計案再検討、図面修正」

2-6)設計の手戻り・後処理予防60例「協力者層の心得と実務(協力者層投入時間上位10事例テーマの要約と目次)

iyoblog2-6-1)協力者層1位「検図による図面修正」

iyoblog2-6-2)協力者層2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

iyoblog2-6-3)協力者層3位「設計案再検討、図面修正」

iyoblog2-6-4)協力者層4位「DR指摘による仕様書・図面修正」

iyoblog2-6-5)協力者層5位「量試後のCD再検討」

iyoblog2-6-6)協力者層6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認

iyoblog2-6-7)協力者層7位「図面改廃処理」

iyoblog2-6-8)協力者層8位「追加出図」

iyoblog2-6-9)協力者層9位「客先クレーム処理」

iyoblog2-6-10)協力者層10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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全階層「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」投入時間・事例第 1 位(2-1-1)

iyoblog(2-1-1)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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設計の手戻り・後処理予防60例 全階層 投入時間第 1 位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」テーマの予防には

「現状と問題点」

 図 2-1-1 へ「手戻り・後処理」業務中の全階層投入時間合計一位である「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」テーマへ年間投入時間の階層別内容例を示す。また 図 2-1-2 へ同テーマの各階層一人当り年間投入時間の階層別内容例を示す。

 本テーマが、全手戻り・後処理作業時間中に占める比率は20%、勤務時間に対しては6%に相当する。これは1日実働8時間では(8時間/日×60分/時間×0.06=28.8分/日)となり、設計技術部門全員が略毎日30分近い時間を本テーマへ振り向けている実態となる。

 また100名規模の製造企業設計技術部門では、年間1万2800時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 何故各製造企業設計技術部門では、本テーマだけの為にこれだけ多くの時間が繰り返し投入され続ける必要があるのか? これは、開発・設計時の従来からの品質作り込み方法、特に設計技術部門から製造部門や購買部門等へ出図時の図面品質確保方法に問題があると考え、見直しする必要がある。 

 筆者は今まで多くの設計技術部門と関わりを持った経験から、設計者だけに任せ本人以外の点検なしに製造や購買部門等へ直接出図させると、記載不備(欠陥、洩れ、間違いを含む内容)等で、そのままでは製造できない等で出図図書(ドキュメント)に対する差し替え要求が多発し、設計技術部門幹部、上級者へ図面品質向上要求となって跳ね返るためである。

 筆者が某企業へ関与した際に、出図図書に対する差替え要求が毎回平均50%を超える実態へ直面した経験がある。

 従って同じ部署の同僚、先輩、上司が、出図前点検として検図作業がどうしても避け得ないものと思い込む状態に陥った結果と見做される。そこで検図作業の効率化を考え、専任の検図担当者を置き、常時対応している企業も多い現実がある。

 しかし出図前に必ず誰かに点検して問題点や間違いを指摘して貰えると言う安心感は、設計担当者側から見れば多少手抜きして注意深く取り組まずとも、最終の図面品質確保は検図者へ任せれば良いと言う依存心も働き、これが徐々に定着化し、慢性化し、繰り返される危険性が生ずる。

「改善点と予防取り組み法」

 本来、設計担当者が本人以外の出図前検図有無に関わらず図面品質は設計品質そのものと考え、日頃自分でしっかり確保する強い信念を持ち注意深く取り組んでいれば、周囲の出図前の検図負担も軽減できる。

 これを周囲が助けなければ図面品質が確保できないと言う悪い習慣を長い時間を掛け続けて来たことが、設計担当者が少しでも楽をしたいと言う周囲に頼る依存心を定着させた結果と見做す必要がある。

 また多くの企業に於ける出図前検図の現状実態は、記載洩れに対する指摘が多くを占める現実がある。

 以前の手設計からCAD設計への転換が進んでから、この傾向が顕著である。

 手設計時には、図板上に貼られた図面用紙へ基本設計、詳細設計共に、組立図の作成、部品図の作成を行っていた。

 当時は、上司や先輩が担当者の脇へ立ち、作成中の図面を見て、担当者の考えや問題点を完成前に把握、指摘し、出図前の検図負担を軽くしていた。

 CAD設計に転換が進んでからは、担当者の作業内容が見えず、上司、先輩が途中段階へ指導的意味で介入する機会が少なくなり、出図前の段階で検図と言う形態で設計内容のすべてを確認する状態が多くなった。

 つまり設計品質と図面品質の両方を同時一緒に看る検図形態へ転換が進んだと言って良い。

 ここで設計品質と図面品質を区別したのは、検図者には承認者の検図視点と、製造・工作部門へ出図前に行う検図者の視点が異なる事に注意を払う必要が有る。

 承認者は、最終製品化した場合に市場・エンドユーザーの安全性、取扱い容易性、寿命、信頼度、コスト、クレーム発生時の対応策有無などを重点に見る。

 一方製造へ出図前の検図者は、材料入手性、加工・処理・測定・組立・分解の容易性、製造仕損の可能性有無、記入漏れや間違いの有無などを重点に見る。

 この違いは、大きい。

 最終承認者となる上司、製造へ出図前の検図者となる先輩による基本設計時と詳細設計時途中での指導的介入が出来難くなった分、出図前検図段階ですべてを看なければならなくなり、検図時の役割負担が増えている実情がある。

 従って上司、先輩が途中へ介入する方法と工夫が求められる。

 表 2-1 へ、本テーマの予防(未然防止)取り組み時に設計担当者および先輩、上司関係者へ必要な原則・対処法と義務付けすべき事項を簡単に列挙して示す。

「予防取り組みの改善効果」

 設計時に作りこまれる欠陥、不備、間違い等には、担当者の判断の間違い等による場合と、不注意等による場合がある。

 判断の間違い等を予防(未然防止)するには、本人が知らない事へどうしても取り組む必要がある場合には、自分勝手に判断せず、先輩、上司、社外を含め専門に詳しい人に必ず事前相談する。

 具体的着手前に社内外の前例、先行事例、裏付け資料を調べる。

 判る人がいない、前例、先行事例、裏付け資料が存在しない場合には、仮説を立て、試作、試験による実験DATAを採取、評価して、仮説が確実に使えることが判明してから設計実施案として採用する。これらの手順をきちんと守る。

 不注意の間違い等を予防するには、基本設計着手時、詳細設計着手時、出図図書(ドキュメント)作成時に、それぞれ必要な注意点を上司、先輩、専門的に詳しい人へ事前に教わってから取り組むことが大切となる。

 特に記入洩れや資料と照合すれば予防できる記載項目間違い等の簡単な自分で確保できる図面品質は、原則自分で確保する。他人を頼らない。また周囲も助けない。これらをきちんと守り、守らせる習慣を作る。

 本テーマでの手戻り・後処理の予防効果は、担当者が自分自身でできることを、焦らず例えば一年毎に半減化する等の目標を決め、簡単なことを強い決意で一つずつきちんと積み重ねることで、1年で2分の1以下へ、2年で4分の1以下へ、3年で8分の1以下へと減らすことが可能となる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・全階層投入時間1位事例」部分を今回ブログ掲載に当り「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」とタイトルを更に加筆し不備部は訂正した。

 本文を入手ご希望の方は、出版社(日刊工業新聞社・出版局)へ直接ご連絡を給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「本文中記載の検索キーワード例」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「総論・第1章」「設計の手戻り・後処理の実態把握」

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「総論・第2章」「設計の手戻り・後処理の実態分析とその予防取り組み法」

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「総論・第3章」「設計の手戻り・後処理の予防取り組み法」

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「総論・第4章」「設計の手戻り・後処理のテーマ別発生実態および予防取り組み法」

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「総論・第5章」「機械部品の寿命と信頼度の短期把握を可能にする加速試験方法」

(2-1)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「全階層の心得と実務」(全階層合計投入時間上位10テーマ予防取り組み法の要約と目次)

(2-1-1)全階層1位「部下同僚作成図書事後検図」予防取り組み法

(2-1-2)全階層2位「客先クレーム処理」予防取り組み法

(2-1-3)全階層3位「検図による図面修正」予防取り組み法

(2-1-4)全階層4位「設計仕様・設計内容事後チェック」予防取り組み法

(2-1-5)全階層5位「現場からのクレーム処理」予防取り組み法

(2-1-6)全階層6位「量試後のCD再検討」予防取り組み法

(2-1-7)全階層7位「設計案再検討、図面修正」予防取り組み法

(2-1-8)全階層8位「苦情処理解答」予防取り組み法

(2-1-9)全階層9位「追加出図」予防取り組み法

(2-1-10)全階層10位「DR指摘による仕様書・図面修正」予防取り組み法

(2-2)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ予防取り組み法の要約と目次)

(2-2-1)管理者層1位「客先クレーム処理」予防取り組み法

(2-2-2)管理者層2位「量試後のCD再検討」予防取り組み法

(2-2-3)管理者層3位「部下作成図書事後検図」予防取り組み法

(2-2-4)管理者層4位「品質改善活動」予防取り組み法

(2-2-5)管理者層5位「図面改廃処理」予防取り組み法

(2-2-6)管理者層6位「苦情処理解答」予防取り組み法

(2-2-7)管理者層7位「クレーム対策会議」予防取り組み法

(2-2-8)管理者層8位「設計案・試験結果NG再評価」予防取り組み法

(2-2-9)管理者層9位「現場からのクレーム処理」予防取り組み法

(2-2-10)管理者層10位「設計仕様・設計内容事後チェック」予防取り組み法

(2-3)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ予防取り組み法の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層1位「部下同僚作成図書事後検図」予防取り組み法

(2-3-2)リーダー層2位「客先クレーム処理」予防取り組み法

(2-3-3)リーダー層3位「苦情処理解答」予防取り組み法

(2-3-4)リーダー層4位「現場からのクレーム処理」予防取り組み法

(2-3-5)リーダー層5位「設計仕様・設計内容事後チェック」予防取り組み法

(2-3-6)リーダー層6位「クレーム対策会議」予防取り組み法

(2-3-7)リーダー層7位「品質改善活動」予防取り組み法

(2-3-8)リーダー層8位「設計案再検討、図面修正」予防取り組み法

(2-3-9)リーダー層9位「設計不良の後始末」予防取り組み法

(2-3-10)リーダー層10位「追加出図」予防取り組み法

(2-4)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「ベテラン層の心得と実務」(ベテラン層投入時間上位10テーマ予防取り組み法の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層1位「客先クレーム処理」予防取り組み法

(2-4-2)ベテラン層2位「部下・同僚・作成図書の事後検図」予防取り組み法

(2-4-3)ベテラン層3位「現場からのクレーム処理」予防取り組み法

(2-4-4)ベテラン層4位「検図による図面修正」予防取り組み法

(2-4-5)ベテラン層5位「設計仕様・設計内容事後チェック」予防取り組み法

(2-4-6)ベテラン層6位「設計案再検討、図面修正」予防取り組み法

(2-4-7)ベテラン層7位「量試後のCD再検討」予防取り組み法

(2-4-8)ベテラン層8位「追加出図」予防取り組み法

(2-4-9)ベテラン層9位「苦情処理解答」予防取り組み法

(2-4-10)ベテラン層10位「設計不良の後始末」予防取り組み法

(2-5)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「新人層の心得と実務」(新人層投入時間上位10テーマ予防取り組み法の要約と目次)

(2-5-1)新人層1位「現場からのクレーム処理」予防取り組み法

(2-5-2)新人層2位「検図による図面修正」予防取り組み法

(2-5-3)新人層3位「部下同僚作成図書事後検図」予防取り組み法

(2-5-4)新人層4位「設計仕様・設計内容事後チェック」予防取り組み法

(2-5-5)新人層5位「販売・取説・マニアル校正」予防取り組み法

(2-5-6)新人層6位「設計不良の後始末」予防取り組み法

(2-5-7)新人層7位「量試後のCD再検討」予防取り組み法

(2-5-8)新人層8位「客先クレーム処理」予防取り組み法

(2-5-9)新人層9位「苦情処理解答」予防取り組み法

(2-5-10)新人層10位「設計案再検討、図面修正」予防取り組み法

(2-6)設計の手戻り・後処理予防取り組み法「協力者層の心得と実務」(協力者層投入時間上位10テーマ予防取り組み法の要約と目次)

(2-6-1)協力者層1位「検図による図面修正」予防取り組み法

(2-6-2)協力者層2位「設計仕様・設計内容事後チェック」予防取り組み法

(2-6-3)協力者層3位「設計案再検討、図面修正」予防取り組み法

(2-6-4)協力者層4位「DR指摘による仕様書・図面修正」予防取り組み法

(2-6-5)協力者層5位「量試後のCD再検討」予防取り組み法

(2-6-6)協力者層6位「部下同僚外注設計作成図書事後検図」予防取り組み法

(2-6-7)協力者層7位「図面改廃処理」予防取り組み法

(2-6-8)協力者層8位「追加出図」予防取り組み法

(2-6-9)協力者層9位「客先クレーム処理」予防取り組み法

(2-6-10)協力者層10位「設計不良の後始末」予防取り組み法

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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