協力者層「検図による図面修正、手戻り、手直し」投入時間・事例第 1 位(2-6-1)

iyoblog (2-6-1)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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協力者層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 1 位「検図による図面修正、手戻り、手直し」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-51-1 へ、協力者層「手戻り・後処理投入時間上位10テーマ」の年間浪費時間と比率を示す。

また図 2-51-2 へ、同テーマの 1 人当り年間浪費時間と比率を示す。

更に図 2-51-3 へ、協力者層手戻り・後処理投入時間第 1位で「検図による図面修正、手戻り、手直し」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

同様に図 2-51-4 へ、同テーマの階層別年 1 人当たり浪費時間と占有率を示す。

同じく表 2-51 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、協力者層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 23 %、協力者層の手戻り・後処理業務比率は 20 %から、勤務時間に対しては 4.6 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.046 = 22.1 分/日 )となり、協力者層全員が休み無しでは、略毎日 22 分強を本テーマへ振り向ける実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 25.1 分となり、実質協力者層全員が略毎日 25 分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門協力者層は、年間 2,300 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時 1 名が 100 %、別に1名が毎日1時間 22 分相当の時間を本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 協力者層を大きく分けると、

(1)派遣会社から構内常勤で対応して貰える協力者層、

(2)持帰り外注設計者が仕事場を自宅から構内に代え常勤対応して貰える協力者層、

(3)特定の短期間または日昼の特定時間だけアルバイト的に構内常勤で対応して貰える協力者層、

(4)持帰り外注設計者層の4通りの形態がある。

なお本書の中では、製作込みで設計委託契約する場合の例は、説明の対象から除外した。

この中で(1)派遣会社から構内常勤で対応して貰える協力者層には、他社を含め長年設計経験を積んだ協力者層、新人に近い殆ど設計経験を持たない協力者層が一緒に混在している。

また(2)持帰り外注設計者が仕事場を自宅から構内常勤に代え対応している協力者層は、他社を含め長年設計経験を積んだベテラン層が多く即戦力として役に立つ存在である。

(3)特定の短期間または日昼の特定短時間だけアルバイト的に構内常勤で対応して貰える協力者層には、以前同じ社内技術部門へ勤務していた人が事情で途中退職し、都合が着く期間または時間だけ常勤対応して貰える協力者層で、ある程度設計経験を積んだベテラン層が多く、社内事情にも精通し即戦力として同様に大いに役に立つ存在である。

その他に(4)持帰り外注設計者層は、他社を含め長年設計経験を積んだベテラン層が多く、即戦力として、また納期短縮面で多いに役に立つ存在である。

(注・但し本書中の数値DATAには、持帰り外注設計者層のDATAは採取できず含まれていない。)

以上に列挙した協力者層は、開発・設計技術部門社員担当者1人当りの開発・新規着手設計テーマの処理能力を高め、期間の短縮化、開発・設計業務の自動化が本格的に進むまでの部門の生産性向上、売上の向上に無くてはならない存在として各社で位置付け、重用されている。

「改善点と予防取り組み法」

 派遣会社から構内常勤で対応している協力者層へ業務委託する場合には、派遣業法の適用があり同じ構内で作業しても、原則として派遣会社窓口責任者を通して個々の協力担当者へ依頼する形態を採る必要がある。

その意味では、持帰り外注へ業務委託するのと何ら変わらない。

しかし多くの企業実態では、同じ構内で社員担当者と席を並べ、ペアを組んで絶えず遣り取りしながら一緒に仕事をしている場合が多い実態がある。

 ここで問題は、同じ派遣会社から同時複数で受入れた協力者層個人差による手戻り・後処理発生率にバラツキがある。

これを派遣会社内で対応解決して呉れれば、何も問題は無い。

しかし現実に社員と席を並べ、ペアを組んで絶えず遣り取りしながら一緒に仕事をしている協力者層が経験の殆ど無い新人である場合には、社員担当者負担は非常に大きい。

この問題を解決するには、派遣会社へ図面品質確保の事前教育を確り行って欲しいとお願いするしかない。

また受入れ側による必要な教育は、避けて通れない。

これを覚悟して真剣に実施する必要がある。

 そこでこれら協力者層の本テーマ時間を軽減し、図面品質を高めるには、社員担当者からの依頼事項には、とにかく何でもメモを採り忘れない様に努力して貰う事が大切となる。

図面を書く場合、線、数字、記号全てに意味がある。

これを1つずつ確実に覚えて貰う。

部品では形状の決め方が、角、隅、溝、穴、丸型、筒型、角型、直線、全て大事な意味を持つと理解して確り覚えて貰う。

先人の図面を模範に細かい所を見逃さず真似をして、作成する。

その際に指差しながら、大丈夫同じだと確信した所は塗潰す。

つまり自分で確保できる図面品質は、自分で確保し、検図で不備を他人から指摘されない様に努力する。

これらが、図面修正、手直しを防止、予防に役立つ。

ここで協力者層の本テーマ検図による図面修正、手戻り、手直しが、何故発生するか? これが、問題である。

委託側社員担当者が、受託する側の派遣者が必要な事をキチンと行える様に手取り足取り教えたのか? 手本図や手引書を用意し与えたのか? 最初は何も知らない人間にキチンと確り理解できる様に教えたのか? が問題である。

最初は時間が掛かるのは当たり前で、短期間に習熟して貰うための修得のさせ方が問題となる。

ここで確り教えることが、この後の協力者層の仕事振りに直接影響を与える。

ここで最初の教え方が悪ければ、後々その着け払い結果を社員担当者が依頼する至る所で現れ苦労する事になる。

一緒に仕事をしながら教育に当たる社員担当者は、心得たい。

本テーマの原因発生者は、紛れもなく 100 %が協力者層である。

理由は、製造技術基礎知識を殆ど知らないか、充分修得しないままで適当に作図する結果である。

以上から本テーマ時間を減らし、予防するには、協力者層の製造技術基礎知識向上教育を優先して取組む必要と、知識修得までの不足を補う手本図、手引書等の資料類整備、および社員担当者による事前、途中の協力者層へ重点的に定期巡回指導実施法を決め、即実施対応を強化する必要がある。

「予防取り組みの改善効果」

 製造技術基礎知識修得教育には、時間が掛かる。

対象は未知な協力者層が主対象となる。

協力者層に引き続き長年協力して貰う事を前提に考えれば、年 150 時間( 3 H/週 × 50 週/年 = 150 H/年 = 凡そ年に1ケ月分相当の時間)を3年間程度続け、じっくり修得して頂く積りで取組む事を勧めたい。

 修得教育までの期間を埋める手段として、社員担当者層を中心に資料整備も同時に進め、完成した分から即活用配布を進める。

 修得教育と資料整備の不備を補う手段として、社員担当者層による協力者層に対する毎日、午前、午後の定時、定期巡回指導と相談対応を交代で実施する。

これらの実施繰返しにより、本テーマの検図による図面修正、手戻り、手直しの削減、予防を進める。

目標は 1 年で半減化、2 年で 4 分の 1 化、3 年で 8 分の 1 化、等で取組みを確実に実現する迄、根気良く続ける強い決意が必要である。

これらの努力継続により、ドラスチックに本テーマ時間が削減する。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・協力者層投入時間1位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」公開済み

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」投入時間・事例第 10 位(2-5-10)

iyoblog (2-5-10)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 10 位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-50-1 へ、新人層手戻り・後処理時間第 10 位で「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-50-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-50 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

(注・本テーマは、全階層手戻り・後処理合計投入時間第 10 位内へ入らないテーマである。)

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 5 %、新人層の手戻り・後処理業務比率は 26 %から、勤務時間に対しては 1.3 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60分/時間 × 0.013 = 6.2 分/日 )となり、新人層全員が休み無しでは、略毎日6分強を本テーマへ振り向ける実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 7.1 分となり、実質新人層全員が略毎日7分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 234 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時1名が毎日1時間4分ずつ相当の時間が、本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ(設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼)に対する新人層の役割は、主に新人層担当者自身が当初作成した設計案等で試作、検証した結果目標性能、特性、要求設計条件未達でNGとなり、当初案作成のやり直しと、再度設計審査会(本件では通常 DR・1 に該当)開催で点検し、再設計、図面修正、再試作、再検証を行う段取りを発生させずに済む様、仕様書で要求している諸条件を満たす取組み法を、リーダー層と成熟したベテラン層が着手前にキチンと実施指導する事である。

その理由は、本テーマ原因発生者の 100 %が新人層担当者の為である。

 ここで問題点は、キチンとした開発、新規着手時の手順や取組み法が判らずに取組めば、前記の繰返しは、何回やれば良いか? また何時終わるか? の保証が無い。

放置すればテーマ内容によっては1回や2回では済まず、多い場合には 10 回以上、何十回も繰返す可能性も高い。

問題は何時終わるか? が判らないだけで無く、当初立てた目標性能、特性、要求設計諸条件(確保達成すべき目標寿命や信頼度値)を実現できる保証と見通しが無いまま繰返し取組む事である。

 これを確実に所定期間内に確実に目標性能、特性、要求設計諸条件(確保達成すべき目標寿命や信頼度値)を最少回数で達成できる様に新人層担当者へ取組ませるか? は、直接指導に当たるリーダー層と指導的な成熟したベテラン層の能力が試されていると、考える必要がある。

「改善点と予防取り組み法」

 何時終わるか判らない新人層担当者任せで開発・設計を進める取組み法を止め、確実に一定回数内に目標を達成できる取組み法で進める必要がある。

その方法とは、原理試作、方式試作、構造試作、量産試作の各段階で、できるだけ数多く設計試案を用意、検証し、1つずつ目標をクリアーして完成度を高めながら次へ進める取組み方式である。

これが所要期間内に実現できないと、当初目標の性能値を途中で引き下げたり、検証を疎かにし、極端な場合は省略したりすると、完成してから重大事故原因に繋がり、やがて大きなクレーム要因となる。

 未経験分野の開発、新規設計着手時に新人層担当者に採って指導上で一番大切な事は、一定目標期間内に段階と必要な手順を追って完成度を確実に高める進め方で取組んで貰う事である。

 そのためには、最少単位の機能要素(ボルトとナット組合せの様な単純最少単位で機能を実現できる素子)開発から着手すると良い。

この場合に同じ目標を実現する方法でも、原理、方式(基本原理を複数組合せ目標達成する組合せ方式)、構造、形状、材料、処理、工作法、これらの組合せ法は無数に存在する。

 全て零からスタートする場合に筆者は、着手目標テーマを定め特許調査で先人が苦労して編み出した実現方法を先ず検索、収集、調査する。

これは、自分で考えるより、物事を冷静に判断できる。

なまじ中途半端なアイデアがあるとこれに拘り、完成できるか? どうか? 判らない物を何時までも追う形になる。

例えば、異なった材料間の接合方法を調べると、数千件(実際には5千件を超える実態)の出願数がヒットする。

これらをヒントに実現可能な新しい組合せ案件を考え、依頼者へ最終的に百件前後にまとめて構成し提案する。

 次の段階では、実際に世の中に出回っている先行製品で使われている物件事例を参考に、目標実現性の高い組合せ案件で試作、検証へ取組む。

その中から目標達成確実性の高い物を残し、更に次の機能要素の組み合わせへ進める。

「予防取り組みの改善効果」

 達成すべき設計目標テーマと条件が決まり、所要期間に制限がある場合には、構造簡単な機能要素開発から着手する。

原理、方式、構造、等は、特許調査により先人の知恵を拠り所に、検証は先行商品、製品で実際に使われている構造例を参考に新しい組合せ案を作成し、試作、検証で確実に完成度を高め、目標へ近づく手順で作業を進める。

 この時注意すべき点は、紙の上で1つに絞り込み、勝負をしてはいけない。

必ず異なる 10 種類以上の試験用モデルを用意し、目標実現度の高い案件を複数件必ず残す様に進める。更にそれらを組合せ、より性能を高める試作、検証へ進める取組み方法とする。

紙の上で試作、検証案を 1 つに絞込み、目標未達でまた最初からやり直しを繰返す取組み法は、何回目で完成できるか判らないが、前記手順の繰返しで、後戻りせずに完成度を高める取組み法では、原理試作、方式試作、構造試作、量産試作と言う4階段を確実にSTEP UPして完成品へ到着する。

前記取組み法を確り新人層担当者へ教え修得させ、義務付け習慣化することで、目標期間内に完成させ、本テーマを確実に減らす予防が可能になる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間10位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」


(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」公開済み

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「苦情処理回答、フォロー業務」投入時間・事例第 9 位(2-5-9)

iyoblog (2-5-9)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 9 位「苦情処理回答、フォロー業務」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-49-1 へ、新人層手戻り・後処理時間9位で「苦情処理回答、フォロー業務」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-49-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-49 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 5 %、新人層の手戻り・後処理業務比率は 26 %から、勤務時間に対しては 1.3 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.013 = 6.2 分/日 )となり、新人層全員が休み無しでは、略毎日6分強を本テーマへ振り向ける実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 7.1 分/日、実質新人層全員が略毎日7分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 234 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時1名が毎日1時間4分相当ずつ、本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ(苦情処理回答、フォロー業務)の主たる原因発生者は、新人層担当者自身である。

これは、客先へ営業と共にリーダーまたは指導的成熟したベテラン層と一緒に出向き原因発生者である新人層担当者から、真摯に向き合い苦情内容に対する必要な回答を行うと共に、同じ苦情を繰返し出さないで済む様に設計改善策を即実施する事である。

ここで設計改善策を即実施する事の意味は、苦情が設計方法と内容等に起因する指摘の場合に、客先の要望する方向で改良を実施する事が望ましい。

操作盤位置と取扱い性が悪いので変更して欲しいのか? 出力と入力性能が悪いのか? 消耗品の問題か? 保全性の問題か? 客先要望の改良が実施可能か? 不能か? 可能ならどの様に変更、改良して欲しいのか? を確認して、対応法を決め、可能な事は回答と共に即実施する。

 ここで本テーマの苦情処理回答、フォロー作業が、新人層担当者に何故多く発生するか? これが、問題である。

 客先の製品苦情申し出の対応で大切な事は、不具合発生現象内容をできるだけ丁寧、詳細に聞く。実際の現場も良く確かめる。

その上で客先自身の手で回復、復帰、または問題解決が可能な範囲の場合には、不具合回復処置法の手順を判り易く説明し、取組んで頂き、結果を連絡して頂く。

 客先だけではとても対応できる限界を超えて、放置すると不具合事項の影響が大きい事が判断できる製品の部品破損、損傷が伴う等で副次的災害が伴う可能性が大きい場合には、直ちに保全サービス要員を派遣し緊急回復措置に当る必要がある。

 苦情内容から機能停止に伴う周囲への影響は少ないが、部品交換を必要とするが、在庫が無く取り寄せ、または製作に時間が掛かる場合には、その旨を説明し、猶予期間をお願いし、了解を頂く。

また代替品が必要な場合には、代替品を提供しご理解を頂く。

しかし前述何れの場合にも、不具合に至った現象内容原因を調査の上、丁寧に説明、回答する必要がある。客先が望む、望まないに関係なく、口頭と文書の両方で回答した方が良い。

これらは、何れの場合にも本テーマでは避けて通れない。また原因発生者の客先現地訪問と面談によるヒアリングの経験は、本人の設計能力を高める貴重な経験となる。

「改善点と予防取り組み法」

 商品、製品技術面に対する本テーマを防止し、基本的に予防するには、苦情となる製品不具合現象を発生させない事である。

営業面や企業サービスが悪いとか、直接的な製品技術面で無いテーマを除き、客先側では直接対処できない製品稼働保障期間内で不具合発生しない商品、製品を提供する様に心掛ける。

特に受注前の仕様打ち合わせ段階で、客先要望を仕様面で丁寧に反映させる。

 またできれば製品を構成する部品一点ずつに、機能、性能を維持、確保できる交換を必要とする迄の稼働保証時間、期間、つまり寿命を明確に表示、アナウンス(連絡)する。

不具合が部品寿命期間を超えたために発生したか? どうか? 客先でも容易に判る様にして置くことが望ましい。

客先が寿命を無視して、壊れるまで使い続けた不具合へ、メーカーが苦情(クレーム)を受ける理由は無い。

これは喩え大事な客先であっても部品寿命を表示するメーカー側の誠意を、理解して頂く必要がある。

「予防取り組みの改善効果」

 本テーマの苦情を減らす1方法として客先へ商品、製品を提供、納品する際には、構成部品の一点ずつへ、機能、性能を維持でき、必要な部品交換する保証時間、期間をキチンとメンテナンスマニアル、パーツリスト、トラブルシュウティング、および売買契約書等の書面上へ明示し、且つ口頭でも直接、または営業を経由してキチンと伝える。

これを新人層担当者へ日頃より周知徹底させ、実施する取組みを行わず、発生させずに済む本テーマ時間を発生させるのは、新人層担当者を指導するリーダー層、成熟したベテラン層の能力が疑われる行為と自覚する。

 機械・電機装置製品では、稼働することで構成部品は時間経過と共に各種理由で劣化する。

金属部品類は、稼働により負荷が掛り続けることで劣化が進む。

ここで劣化とは、部品強度が製作時の使用前と、稼働開始から使用後、または購入後の時間経過後では、劣化により強度が低下する現象を言う。

これらを、機会あるたびに客先へ充分周知頂くことも同時に大切である。

 稼働の有無に関係無く、時間経過と共に製品を構成する部品類が劣化し、やがて寿命となり機能、性能を維持、発揮できなく成り損傷、不具合が生ずる事を、客先に承知して使って頂く事が大切となる。

客先も部品寿命を承知しながらご使用頂くことで、本テーマを削減、予防が可能になる。

その意味では、開発、設計時点で製品構成部品の寿命把握をキチンと行い、これを表示する習慣を担当者へ義務付けが必要である。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間9位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

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(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

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(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

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「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

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(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

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(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「客先クレーム処理」投入時間・事例第 8 位(2-5-8)

iyoblog (2-5-8)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 8 位「客先クレーム処理」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-48-1 へ、新人層手戻り・後処理時間8位で「客先クレーム処理」テーマの全階層年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-48-2 へ、同テーマの全階層1人当り年浪費時間と比率を示す。

更に表 2-48 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 6 %。新人層の手戻り・後処理業務比率は、26 %。勤務時間に対しては、1.6 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.016 = 7.7 分/日 )となり、新人層全員が、休み無し状態では、略毎日8分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 8.5 分/日・人となり、実質では新人層全員が略毎日9分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 281 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この時間値は、常時1名が毎日1時間 17 分相当ずつの時間を、本テーマだけのために費やしていると置き換えて見る事も可能である。

これを何とか減らしたい。予防したい。無くしたい。と、危機感を持つ必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマが発生した場合新人層担当者は、客先へ直属上司のリーダー層または成熟したベテラン層と一緒に原因発生担当者として出向き、お詫びを伝え真摯に向き合い必要な回復措置に当たる。

また同じクレームを繰返し出さない様に設計改善策を客先へも伝え、即対策の実行に当たる。

ここで設計改善策を即実行する必要は、クレーム内容が設計不具合に起因する損傷で部品交換を必要とする場合に、客先で不具合を起こす前に事前交換可能な部品寿命の把握体制を確立する事を言う。

言い方を変えると、クレーム原因発生者による設計部品では、寿命が1年と持たない設計を実施している事も判らず、且つ検証も殆ど行なわずにいた状態を、周囲が指摘、改善できずに推移した結果と見做し対応する必要がある。

何故各製造業設計技術部門の新人層担当者が、本テーマ時間を繰り返し投入され続けているのか? これには、同時に開発・設計時の客先クレーム防止に必要な品質作込み設計法に問題があると考え、管理者層、リーダー層、成熟したベテラン層と新人層担当者を含めて一緒に対策法を検討し、改善へ着手する必要がある。

問題となる客先クレームが検図を擦り抜けるポカミスに原因が有る場合には、機械部品で具体例を挙げると、段付効果と呼ぶ急激な肉厚変化を伴う段付き部品では、隅コーナー部に応力が集中し破損する。

溝付効果と呼ぶOリング溝、C型止め輪溝、キー溝底部隅の応力集中、穴明き効果と呼ぶ軸直角方向に明けた径の大きな貫通穴、パイプ径を無視した横穴、軸方向に明けた止まり穴奥部リセス(逃げ用奥内側寸法拡大)加工による肉厚変化部の応力集中による破損。また同時にこれらの形状では、熱処理焼入れ冷却時の肉厚差部分で冷却速さが異なり割れが生じ易い。

これらが部品として組込まれると、使用開始後短期間に損傷、破損、クレームの直接原因となる場合が多い。

前記不具合となる真の原因は、原因発生者である新人層担当者の形状設計知識と材料や熱処理知識不足等に起因する。

これは、製造技術基礎知識教育の不備または不足の結果である。

「改善点と予防取り組み法」

 本テーマの予防法は、極めて簡単である。今までと異なった形状に新規設計された部品は、必ず試作品を製作の上、寿命試験を実施する。

設計上の許容基準負荷を疲労限度値で 100 %と設定した場合には、116 %値の負荷を掛ければ、所要期間を10 分 1(疲労試験を平均値 20 万回)へ短縮して寿命把握が可能になる。

同様に 135 %値の負荷を掛ければ 100 分1(疲労試験を平均値 2 万回)へ短縮して寿命把握が可能になる。

つまり開発、新規設計着手時点で機械装置を構成する部品寿命をきちんとその場で把握すれば良い。

前述客先クレームを起こす不具合原因最大の理由は、新人層担当者が自分で設計した機械装置部品類の寿命値と経過期間毎の信頼度値(同時に不具合発生確率値)の裏付けを事前把握出来ていない、または実施しない結果である。

部品寿命が開発、設計時点で予め把握できていれば、客先で不具合発生前に交換の必要をアナウンス(事前連絡)できる。

これが出来ていない結果、不具合を起こしクレームとなる。

この簡単な論理と現象が、新人層担当者と直接指導に当たるリーダー層、成熟したベテラン層を含めた関係者が従来から理解し、その都度・その場でキチンと実施させていないからに他ならない。

「予防取り組みの改善効果」

 新人層担当者に対する技術基礎知識教育で優先的に教えるべき事は、納品した設計品機械装置類が客先にとって予期しない状況下で突然の機能停止、稼働不能となれば、クレームとせざるを得ない状態となる実態を詳しく知らせる事である。

そのために被る客先の損害、メーカーとして賠償や回復措置に掛かる費用と低下する信用等を良く理解させる必要がある。

客先クレーム防止、予防のため設計担当者が最初に必ず行うべき事は、設計品の寿命値と経過時間毎の信頼度値の変化を現物で検証把握し、不具合発生前に何時でも部品交換できる態勢を準備、確保して置く事である。

この事を確り新人層担当者に理解させ、実施を義務付け習慣化して置く事である。

 そのため本テーマ件数を根本的に減らしたい、予防したいと望む場合には、まず機械装置構成部品の寿命値と信頼度値を開発、新規設計着手時点できちんと把握する。

これを確り義務付け習慣化する。つまり担当者が設計した部品の寿命値を把握していれば、客先に納めたどの製品装置、どの部品では、稼働開始から何ケ月間または何ケ年間経過したら不具合に至るか、発生前に必要部品を何時交換すれば良いか? の判断と、客先に対する事前の交換時期アナウンスが可能となる。

大事なことは、寿命試験を必ず新人層担当者へ義務付け習慣化し実施する。

また把握した部品交換時期を客先へ製品納品時、または不具合発生前に必ず連絡して置く。

これにより、客先クレームを劇的に減らし、予防が可能となる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間8位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」


(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「量試後のコストダウン再検討」投入時間・事例第 7 位(2-5-7)

iyoblog (2-5-7)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 7 位「量試後のコストダウン再検討」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-47-1 へ、ベテラン層投入時間第7位で「量試後のコストダウン再検討」テーマの別階層年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-47-2 へ同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-47 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応原則法例を示す。

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は6%、新人層の手戻り・後処理業務比率は、26 %。勤務時間に対しては 1.6 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.016 = 7.7 分/日)となり、新人層全員が休み無し状態では、略毎日8分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220日/年 )と仮定すると 8.7 分/人・日となり、実質では新人層全員が、略毎日9分弱ずつを本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 281 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時1人が毎日1時間8分相当ずつ、本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 何故各製造企業設計技術部門の新人層は、本テーマだけの為にこれだけ多くの時間が繰り返し投入され続ける必要があるのか? 本テーマ原因発生者の 100 %が新人層担当者で占める現実がある。

理由の1つには、開発・設計時着手担当者の目標コスト実現方法に必要な新人層教育法に問題があると考え、見直しする必要がある。

 量試後にコストダウンの再検討を必要とする理由は、試作するまで設計品のコスト(製造原価)が当初目標を達成しているか? どうか? 判らない状態で新人層担当者が取組んでいる。

このため実績コストが判明してから、再度コスト低減へ取組み仕直しなければならない状態を言う。

 新人層担当者が主にそのための時間を繰返し発生させていることは、何の疑問も持たないのか? 管理者層、リーダー層、成熟したベテラン層それぞれの指導的役割の資質が問われるテーマと受止める必要がある。

 ここで考えられる第1の問題点は、新人層担当者が開発、新規着手で設計へ取組む前に達成すべき目標の一つとしてコストがきちんと設定されているのか? と言う疑問である。

第2の問題点は、目標コストを新人層担当者へ達成させるための取組み方法、手順を事前にキチンと教育、指導していないのか? と言う疑問である。

 開発、設計で従来品より10 %以上コストダウンへの取組みでは、機能開発と同じ新規コスト開発であると言う捉え方が、現実には必要である。

コスト目標数値は、従来法とは異なる原理、方式、構造、形状、材料、処理法、工作法、の組合せ法を変え、新規取組み法で実現する考えが必要となる。

新人層教育の中でコスト目標も設計テーマに含まれる事を初期段階から教える事が大切である。

 従来設計品の見直しによる1部手直し程度でコストが下がると考えても、今まで長期に渡りコストダウンを繰返し継続している中で、更なる 10 %以上のコストダウン実現は、簡単ではない。

従って新人層担当者へ新しいコスト開発へ決意を持って取組む様に当初教育の中へ含める必要がある。

また方法論も大切となる。

「改善点と予防取り組み法」

 筆者は、某企業が新商品開発で1年後に市場クレームで 70 億円の損害を出した企業から、開発段階から利益が出る新商品・新規製品開発・設計取組み法の社員教育講師を頼まれ、対応した経験がある。

ここでは、企業名、商品名、分野を紹介できないが、経緯を簡単に触れると、目標とした期間内の機能開発は難航したが、何とか開発目標とした先行商品と市場で充分対抗できる性能面で商品モデルを作り挙げた。

その時点でコストを試算した所、営業が要求した設定販売価格を倍近く上回った。

しかし経営判断が働き、市場で売れれば2~3年以内に量産効果で赤字販売は解消できるだろうと販売に踏み切った。

所が機能上で、市場クレームが発生した。

リコールせざるを得ない状態となった。その回収、交換に掛かった費用が70億円を突破したのである。

筆者は、MUST-COST法の取組み方法を勉強会で紹介した。

MUST-COST法は、仕様で要求された機能、性能、特性、設計条件を、目標コストを実現し得る従来法と異なる原理、方式、構造、形状、材料、処理法、工作法、組合せ案をできるだけ多数作成し、それらのコスト試算(見積り)を先ず行う。

 前記多数作成案の中で目標コスト達成可能案を残し、達成不能案は捨てる。

次に残った目標コスト達成可能案の一つずつについて、要求仕様を満たす性能が確保できるか? どうか? を、試作、検証で確認する。

「予防取り組みの改善効果」

 MUST-COST法による取組み方法では、当初から目標コストを実現可能か? どうか? の確認を実施した上で進めるため、開発、新規設計着手段階から目標コスト実現が可能となる。

つまり開発当初から利益を出すことが可能となる。

 本テーマ防止、予防効果を確実に実施する上で最も大切なことは、目標コスト実現も仕様の一部と見做し新人層担当者へ前述したMUST-COST法で取組む様に指導、義務付けが必要である。

特に着手段階最初に仕様で要求された機能、性能、特性、設計条件を従来法と異なる原理、方式、構造、形状、材料、処理法、工作法、組合せ案を多数作成し、それらのコスト試算(見積り)を必ず先に行う。

 次に前記複数作成案の中で目標コスト達成可能案のみで、試作、試験、検証へ進める。この順序を頑なに守らせ実施する。

これにより、本テーマを確実に減らし、予防が可能になる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間7位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「設計不良の後始末」投入時間・事例第 6 位(2-5-6)

iyoblog (2-5-6)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 6 位「設計不良の後始末」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-46-1 へ、新人層手戻り・後処理時間 6 位で「設計不良の後始末」テーマの全階層年浪費時間と比率を示す。

また図 2-46-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-46 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

(注・本テーマは、全階層手戻り・後処理合計時間10位内へ入らないテーマである。)

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 7 %、新人層の手戻り・後処理業務比率は 26 %から、勤務時間に対しては 1.8 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.01.8 = 8.6 分/日 )となり、新人層全員が休み無しでは、略毎日9分弱を本テーマへ振り向ける実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月× 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 9.9 分となり、実質新人層全員が略毎日 10 分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 328 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時1名が毎日1時間 19 分ずつ相当が本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ(設計不良の後始末)に対するキチンと教育を受けた新人層担当者が原因発生者となる場合の役割は、大きく4つある。

第1は、製品引き渡し後の無償保障期間内に客先で稼働中に予期せぬ突発的不具合で稼働停止に伴う客先クレーム発生時の後始末処理法である。

第2は、製品完成引渡し前の立合い時に仕様欠落を客先指摘で追加設計、製作、再組立発生時の後始末処理法である。

第3は、新人層担当者の製造知識不足による出図後の製造クレーム発生時の後始末処理法である。

第4は、DR(DR・0、DR・1、DR・2、の各段階)時指摘と出図前検図時指摘による手戻り・後処理発生時の後始末処理法である。

これらは何れも原因発生者が着手時に適切なリーダー層と指導的成熟したベテラン層からの指導が欠如した結果の着け払いとして発生したと考え再発防止、予防へキチンと対応する必要がある。

ここで本テーマの設計不良の後始末が、キチンと教育を受けた新人層担当者に何故多く発生するか? これが、解決すべき最大の問題点である。

 第1に挙げた製品引き渡し後の客先で稼働時に予期せぬ突発的不具合で稼働停止に伴う客先クレーム発生時の後始末処理原因の問題は、基本設計時に開発品部分の寿命と信頼度値把握の技術検証実施不備か、または欠落結果と考える必要がある。

結論はキチンと教育を受けた筈の新人層担当者が、リーダー層と指導的な成熟したベテラン層了解の許で、着手時に開発品部分の寿命と信頼度値把握の技術検証実施をキチン義務付けせず、且つ事前指導しなかった事が直接の原因と理解して再教育する。

 第2に挙げた製品完成引渡し前の立合い時に仕様欠落を客先指摘で追加設計、製作、再組立発生時の後始末処理原因の問題は、結論はキチンと教育を受けた筈の新人層担当者が、リーダー層と指導的な成熟したベテラン層了解の許で、担当者任せにせず着手時に開発品部分の仕様書作成に抜けが生じない様にキチンと作成できる方法と能力を事前指導できなかった事が、直接の原因と理解し再教育する。

本来仕様書は、新人層担当者任せずリーダー層と指導的な成熟したベテラン層了解の許、両者が作成して担当者へ達成すべき目標指示書として引き渡す事が望ましい。

 第3に挙げた新人層担当者の製造知識不足による出図後の製造クレーム発生時の後始末処理法の問題は、結論は新人層担当者が、リーダー層と指導的成熟したベテラン層了解の許で、着手時に製造技術上で製造・ラインクレームを起こさない様に注意点をキチンと事前指導しなかった事が直接の原因と理解し再教育する。

 第4は、DR(DR・0、DR・1、DR・2の各段階)時指摘と出図前検図時指摘による手戻り・後処理発生時の後始末処理法の問題は、結論は新人層担当者が、リーダー層と指導的成熟したベテラン層了解の許で、開発品部分の商品・製品企画と構想図・計画図作成上の注意点、基本設計取組み上の注意点、詳細設計取組み上の注意点、出図図書作成上の注意点を新人層担当者へキチンと事前指導しなかった事が直接の原因と理解し再教育する。

「改善点と予防取り組み法」

 前述4項目で列挙した内容は、新人層が全ての責任を1人で負ってできる訳でもない。

また物理的に無理がある。

従ってリーダー層と指導的な成熟したベテラン層へ協力を仰ぎ一緒に処理対応で、取組む必要がある。

 新人層担当者の上司であるリーダー層と指導的な成熟したベテラン層を動かし協力して貰うには、3つの動機が必要である。

 論理(人を動かす大儀明文)、依頼者への信頼感、協力する事に対する損得勘定の3つである。

論理とは、手伝って貰うとクレームが減る。仕事が楽になる。

部門・会社の業績が上がる。

等の根拠を説明することである。

これだけの根拠で人は動くか? 残念ながら動かない。

 信頼感とは、この人物と一緒に仕事をする、手伝うと上手く行く。信頼して協力すれば、自分の成績・業績も良くなる、と思う感覚に訴える事である。

これだけで人は動くか? 残念ながら動かない。

 損得勘定とは、この人物を手伝うと自分が直接得をする事が多い、と思う計算勘定に訴えることである。

上司の立場であっても会社や部門が良くなっても手伝う者へ何も恩恵がなければ、人は動かない。

論理だけでは、人は動かない。手伝わない。

また日頃信頼感情を抱かない人の依頼事へ手伝わない。動かない。

手伝う事で自身に対し得する事が判れば、感情抜きで人は動き、快く手伝う。

一緒に協力して貰いたい時には、この3項目に対する指示・依頼を受ける人の感情、感覚を何時も忘れない。無視しない。

「予防取り組みの改善効果」

 本テーマの設計不良の後始末が、現実に各技術部門で中々減らせないのは、必要と思われる事が判っていながら今までキチンと取組まれて来なかった事が多いためである。

今まで管理者層、リーダー層、指導的な成熟したベテラン層を含め多くの新人層担当者が個人的に必要を感じながら、周囲の人、特に管理者層、リーダー層、指導的な成熟したベテラン層を一緒に巻込んで取組めなかった結果が大きい。

その直接原因は、周囲の人を動かすインパクトが無かったからに他ならない。

 本テーマに限らず、手戻り・後処理で生じている現象テーマとして、何故不具合が起こり得るのか? その原因と対策法など論理的に詰めると誰にでも判っている事ばかりと言える。

しかし実際には、効果的対策が実行されずに繰返し引きずっているのが実情である。

どうしても遣らなければならない事項については、管理者層、リーダー層、指導的な成熟したベテラン層へ、部下である新人層が、個人的損得勘定の感覚に訴えて取組む事も考える必要がある。

その場合の効果は、図り知れない大きな物となる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間第 6 位テーマ」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」公開済み

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「販売・取説・マニアル校正」投入時間・事例第 5 位(2-5-5)

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 5 位「販売・取説(オペレーティングマニアル・メンテナンスマニアル・トラブルシューティング)マニアル校正」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-45-1 へ、新人層投入時間第5位で「販売・取説(オペレーティングマニュアル・メンテナンスマニュアル・トラブルシューティング)・マニュアル校正」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-45-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-45 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 9 %、新人層の手戻り・後処理業務比率は、26 %。

勤務時間に対しては 2.3 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.023 = 11 分/日 )となり、新人層全員が休み無し状態では、略毎日 11 分を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 12.8 分/日となり、実質では新人層全員が、略毎日 13 分弱ずつを本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 421 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時1名が毎日1時間55分ずつ相当の時間を、本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 本テーマ(販売・取説(オペレーティングマニュアル・メンテナンスマニュアル・トラブルシューティング)・マニュアル校正)の全階層投入時間中に占める新人層の比率は、35 %を超える。この意味は、各企業共に未だ設計処理能力を充分身に着けていない教育途中の新人層に相応しい作業と位置付けているためと思われる。

勿論原文作成に当たったベテラン層は、校正作業を当然行う。リーダー層、管理者層も目通しは必然的に行う。しかし一番本テーマへ時間を掛け行っている対象者は、新人層である。

何故各製造企業設計技術部門の新人層は、本テーマだけの為にこれだけ多くの時間が繰り返し投入され続ける必要があるのか? 本テーマ原因発生者は、原文作成者であるベテラン層担当者である。

外部へ発行されるマニュアルとなるため、作成者以外の目を通し、間違いはキチンと正して置きたい。

その為に避けて通れない作業として発生する部分と捉える必要がある。

これを新人層および社内技術部門関係者から除きたいと思う場合には、印刷業者へ委託する等の方法で対応する必要がある。

「改善点と予防取り組み法」

 筆者はここで手戻り・後処理作業は、原則悪と定義して開発・設計技術部門から基本的に減らす、徐々に無くすにはどうしたら良いか? の観点で個々のテーマへ対処法を採り上げ説明させて頂いている。

 自分たちでどうしても遣らなければならない事と、できるから行う事は、キチンと区別すべきと考える様にお勧めしたい。

その意味で新人層が行う本テーマ作業取組みは、社外化できるなら専門業者へ任せ、社員負担を取除くのが好ましいと説明したい。

但し、校正作業を通し新人層へ機械装置類の教育効果を図りたいと考え行う場合には、新人層が着手する設計テーマに関連する部分へできるだけ絞込み行う事を勧めたい。

 本テーマの校正作業を通し、マニュアル類の勉強をして貰うと言う教育効果を期待する意味があるか? を考えた場合に、新人層に対する時間の使い方面で、もっと優先するテーマがある筈だと考えたい。筆者は診断時の階層分類上で新人層を入社3年以内の主として教育時間半分、実務見習い時間半分で養成中の人達をイメージして区分けした。

 これは、キチンと新人層へ将来開発・設計者として一定レベルの技術的ポテンシャルを身に着けて業務へ取組んで貰うためには、最低1,800時間以上の教育、訓練時間と期間が必要と理解しているためである。

その根拠は、筆者が技術士試験を受験、合格するために取組んだ時の経験から割出した最低必要な時間である。

期間とは、1日3 時間 × 年 200 日 ×3年としての計算である。

午前3時間は、仕事上に必要な技術基礎教育に充てる。

午後は先輩の手伝いを通し、実務見習いとして時間を充てる。

自分の給料分を稼いで貰う感覚である。

午後の実務見習い期間中は、教える立場のベテラン層から見れば実質半分は手取り足取りの教育で推移せざる得ない状態と理解される。

「予防取り組みの改善効果」

 筆者が技術コンサルタントの立場で診断、業務改善、設計者教育等で関与した多数の製造企業開発・設計技術部門の実態は、殆どの企業で投入時間の 30 %が本書で紹介する手戻り・後処理時間テーマで浪費されている現実がある。

その理由を辿ると、入社後3年の新人層段階で確りした技術基礎教育を体系的に行われていない、またはできない為、5年以上 10 年経っても注意していれば自分で防げる簡単な間違いを繰返す未熟なベテラン層を多数抱えている実態に唖然とするからである。

 その意味で、新人層段階では、開発・設計業務上で出図後に製造クレーム・トラブル防止に必要な製造技術基礎教育と、商品・製品出荷後の市場・客先クレーム・トラブル防止に必要な開発、新規設計品寿命と信頼度値確認の技術検証方法修得に対する教育・訓練を確り身に着く迄行う事をお勧めしたい。

 特に開発・設計部門へ配属された新人教育で大切な事は、未知のテーマへ遭遇した際に、他人の支援無しに、自分で解決できる能力を確り身に着けさせる事である。

ここで未知のテーマへ遭遇した際と表現した意味は、他人の支援無しに仮説を立て、モデルを試作し、DATAを採取、分析・評価し、設計仕様をまとめる開発能力を身に着ける事を言う。

長く勤務して貰う(年金受給資格の最低25年以上の勤務と、高齢化に伴う定年延長を)前提で考えれば、新人層段階の3年は極めて短い期間である。寧ろ新人層期間に確り必要な教育を実施しないと、製造クレーム、市場・客先クレーム多発と手戻り・後処理発生に伴う浪費部分と、失う損失は、投入時間値の10倍以上となり、各社売上金額の2%を超える損失計上実態がある。

その意味で新人層に対する教育効果は、これらをドラスチックに引き下げる結果を充分に期待できる様になる。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間5位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「設計仕様・設計内容事後チェック」投入時間・事例第 4 位(2-5-4)

iyoblog (2-5-4)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 4 位「設計仕様・設計内容事後チェック」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-44-1 へ、新人層手戻り・後処理投入時間第 4 位で「設計仕様・設計内容事後チェック」テーマの階層別浪費時間と占有率を示す。

また図 2-44-2 へ、同テーマの階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-44 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 10 %、新人層の手戻り・後処理業務比率は 26 %から、勤務時間に対しては 2.6 %に相当する。

これは1日実働8時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.026 = 12.5 分/日 )となり、新人層全員が休み無しでは、略毎日 12 分強を本テーマへ振り向ける実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 14.2 分となり、実質新人層全員が略毎日 14 分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 468 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時 1 名が毎日 2 時間 8 分ずつ相当の時間が本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 新人層が先輩達から開発・設計に必要な基礎教育を受けた後、簡単な部品設計から始め、徐々に複雑な部品組合せを伴う機能要素・素子設計、機能モジュール設計、機能ユニット設計、簡単な機能装置設計、等のテーマが与えられ取組む場合いきなり図面作成へ向き合う前に遣るべき事がある。

それは着手する設計テーマで設計情報として作り込みが必要な技術情報は何か? を良く理解するため、仕様書をまとめて頭の中を整理して見る事である。

仕様書とは、これから着手する設計テーマ上で実現達成または確保しなければならない機能、性能、特性、要求設計条件(①・外部規格値、➁・保証値、➂・限界値、④・目標値)を明確に把握、理解する事である。

開発・設計とは、図面を書く事が最終目的ではない。最終的に達成実現すべき仕様内容が大事である。

その裏付け根拠を確保する方法は、どうするか? が、大切である。

ここで機能とは、部品等の用途、目的、働きとしての役割を1次機能、2次機能、3次機能、副次機能、等の形態で抽出し文言で定義し、はっきりさせる事を言う。

また性能とは、丈夫(力学的に強く)にしたいのか? 軽くしたいのか? 小さくしたいのか? 省エネにしたいのか? 廉価(安い)にしたいのか? 取扱い易くしたいのか? 等、作り込む性質を明確に文言で性能目的を定義する。

同様に特性とは、管理すべき物性値(例えば、強さにも振動・衝撃強さ、疲労強さ、腐蝕強さ、摩擦・摩耗強さ、揺動・ねじり強さ、熱衝撃強さ、他に電磁気学的(耐絶縁、耐高電圧、等)性質上の強さ、化学的(耐アルカリ、耐酸)性質上の強さ、紫外線・X線に対する性質上の強さ、等)を具体的文言や単位数値で定義する。

要求設計条件とは、①・外部規格値(安全確保上で法令や業界団体で定められた確保必要な最低基準値)、

➁・保証値(メーカーが客先へ保証する寿命と信頼度設定の基準値)、

➂・限界値(注・不具合が多発仕始める管理点。強さの場合正規分布上のー3σ値とする例が多い。但し応答速度等の場合には、+3σ値側となる。)、

④・目標値(材料強度バラツキの中央値)等、達成すべき内容を明確に文言で定義するのが目的となる。

「改善点と予防取り組み法」

 本テーマ(設計仕様・設計内容事後チェック)時間を削減、予防するには、日頃から先輩たちがまとめた類似先行商品・設計品の標準基本仕様書を準備して貰い参考にできる様にして置く事が望ましい。

新人層もこれらを日頃から新しいテーマへ着手する度にキチンとまとめて置く事で、次のテーマへ着手する際に

(1)・新たに追加が必要な機能、不要な除去すべき機能の確認。

(2)・変更を必要とする要求性能、

(3)・新たに把握が必要な要求特性、

(4)・変更を加える必要がある要求設計条件値、を中心に着手必要な内容を把握検討すれば済む。

本件実施による試行錯誤削減による時間と期間節約効果は、非常に大きい。

 また着手仕様を関係者と打合せ時に前記内容詳細を客先等へ開示することで、後から仕様洩れ指摘発生を防止する予防効果が大きい。

それ以上に初期段階の仕様作成、構想時間と点検時間の大幅節約へ寄与する効果が非常に大きい。

「予防取り組みの改善効果」

 新人層が仕様書作成の商品・製品企画段階、基本設計段階で何故本テーマの様な手戻り・後処理作業が発生するか? の最大理由は、先輩達が事後チェックで不具合事項を取除く慣習から抜けられないでいる事にある。

何故事後チェックの形態に拘るか? の理由は、忙しさを言訳に事前指導による不備入り込みを防止、予防する行為を手抜きして来た。

また行わなかった為である。

何故事前指導による不備入り込み防止、予防行為として行わなかったのか? と言えば、事後チェックで行う方が簡単手っ取り早く行えるのではないか? 長い期間の思い込みである。

しかし現実は、事後チェックの指摘で其の都度担当者の修正手戻り発生、指摘箇所の再点検発生繰返しの現実がある。

その得失評価(費用対効果)をして来なかったからに他ならない。

また事後チェック時に指摘洩れが有ると出図後製造クレームの出図図書差替え要求による手戻り発生、立会時客先の仕様欠落指摘による追加出図と製作やり直しの手戻り発生、出荷後の市場、客先からクレーム対策に伴う手戻り、対策業務の発生、等が繰返される。

しかも設計プロセスの各ステップ、各ステージで手戻り修正に伴う追加設計時間だけでなく、追加製作費用発生を伴う特徴がある。

これらを事前指導で防止、予防を進めるのと、事後チェックで手戻り・後処理時間と追加対策費用発生と、どちらが得か? 損か? を比較すれば、筆者の費用対効果試算では、事前指導を 1 とする場合に対し、事後チェックに伴う手戻り・後処理に伴う費用発生実態は 10 倍を超える。

つまり事前指導実施による防止、予防取組みの方が遥かに得策の一語に尽きる。

これを新人層へ初期の教育へ確り実務で行える様に繰返し修得させる事が大切である。

 本テーマの対象となる開発・設計プロセス上の各ステップ、各ステージでは、商品・製品企画・構想図・計画図作成( DR・0 対応)段階と、基本設計( DR・1 対応)段階が主な対象となるステージである。

本テーマ部分は、手戻り・後処理時間全体の 24 %中の 8 %(新人層のみで年 468 時間相当)を占める。

この削減、予防効果は大きい。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間4位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「検索キーワード」

「設計」 「手戻り・後処理予防」 「階層別」 「改善法」 「業務効率」 「効率把握4指標」 「価値形成業務」 「基盤整備業務」 「手戻り・後処理業務」 「補助業務」 「管理者層」 「リーダー層」 「ベテラン層」 「新人層」 「協力者層」「未熟なベテラン層」 「商品コンセプト作成」 「作業指示書および指示の為の資料作成・持ち帰り設計と打合せ」 「購入部品仕様検討・評価基準作成」 「市場・顧客要望調査・仕様確認」 「デザイン検討構想図作成」 「設計・裏付け試験検証プランニング・評価工程計画作成(評価基準書)」 「強度計算書作成」 「コスト試算」 「試験・試験評価報告書作成」 「個別ユニット・モジュール・部品デザイン検討」 「取説原稿作成」 「仕様変更による先行手配受注品構成表作成」 「WG活動」 「研修・展示会」 「展示会出品準備対応」 「予算・実績評価」 「委託先・取引先と事前打合せ」 「仕入れ品業者PR対応」 「QC委員会」 「特許調査」 「設計・製図・試験事前・途中指導」 「設計着手前前関係部署打合せ」 「DR1・DR2」 「加工・組立事前・途中指導」 「次世代製品検討会」 「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前点検・確認」 「客先クレーム処理」 「検図指摘による図面修正」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「現場からのクレーム処理」 「量試後のCD再検討」 「設計案再検討、図面修正」 「苦情処理解答」 「追加出図」 「DR指摘による仕様書・図面修正」 「品質改善活動」 「図面改廃処理」 「クレーム対策会議」 「設計案・試験結果NG再評価」 「設計仕様・設計内容事後チェック」 「設計不良の後始末」 「販売・取説・マニアル校正」 「量試不具合検討・再試験法打合せ」 「DR4・DR5」 「社内連絡文書(メール)作成」 「業務外(朝礼・組合活動・診療所・私用外出・トイレ・休憩)」 「工場間移動時間」 「試作・再試作・再試験依頼実験・データ採取」 「評価会準備」 「自己検図・承認手続き」 「ワークサンプリング表の記入」 「生産CODE振当制約条件修正・改訂に伴う工数含む」 「ワープロ入力」 「ファィリング・資料整理」 「製品構成表メンテ」 「構造解析計算」などがある。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」投入時間・事例第 3 位(2-5-3)

iyoblog (2-5-3)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 3 位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-43-1 へ、新人層手戻り・後処理時間3位で「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-43-2 へ、同テーマの 1 人当り階層別 1 人当り年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-43 へ、本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 11 %、新人層の手戻り・後処理業務比率は、26 %。勤務時間に対しては 2.9 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.0.029 = 13.9 分/日 )となり、新人層全員が休み無し状態では、略毎日 14 分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定する 15.6 分/日となり、実質では新人層全員が略毎日 16 分弱を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 515 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時 1 名が毎日 2 時間 20 分を超える時間を本テーマだけの為に費やされていると置き換え見る必要がある。

これを何とか減らさなければならない。危機感を持つ必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 入社3年以内の新人層に採って大事な事は、開発・設計と言う仕事の取組み法を確り修得するための貴重な教育期間中の身でありながら、自分達以外の協力者層(派遣者を含む構内外注設計者層と持帰り外注設計者層)が作成した図面類の検図へ主に参加して不備や間違いの摘出と指摘を通して正しい図面の作成法を学ぶ場を与えられていると理解が大切である。

この場合に新人層が摘出・指摘できる不備・間違いには、自分達が先輩から教わった内容の範囲内でしかできない限度と弱点がある。

従ってできる事は、寸法、寸法線、加工記号、精度および公差記号、材料、処理、数量、名称。図番、等の簡単な記載洩れ、明らかな記載間違い程度の範囲に限られる。

ここで問題点は、前述した内容の殆どは作図担当者自身が充分注意しながら作図して貰えれば、本来発生させずに済ませた内容項目ばかりではないのか? と言うことができる。

これらを新人層へ教育の名目で行わせる事態が正しい教育行為か? と言う問題点を含んでいる。

この問題点とは、作図者が自分で確保できる図面品質は、自分で先ず確保して貰う原則をキチンと構築する必要がある。

出図前の検図行為は誰が行うか? ではなく、できれば減らしたい。

そして無くしたい。

出図前検図を止む無く行うのは、出図してから製造技術上で加工できない等の製造クレーム・トラブルを防止する。

完成後の市場クレーム・トラブルを無くすことに、本来の目的がある。これを忘れない。

製造技術上で問題を起こす不自然な形状設計か? 加工可能か? 不能か? 測定は可能か? 不能か? 組合せは可能か? 不能か? 分解可能か? 不能か? 使用中問題を起こす可能性は有るか? どうか? 新人層にそれらを判断する能力は殆どないと言える。

しかし新人層が不自然と感ずる場合には、成熟したベテラン層へ確認するか? 製造部門へ出向き、現場で一緒に見て貰い確認する方法がある。これを、行うと良い。

「改善点と予防取り組み法」

 何故新人層が、本テーマ(部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認)だけの為に、前掲した多くの時間を発生させる必要があるのか? 

第1の要因は、構内協力者層と持帰り外注設計者層の直接出図前検図を新人層の検図だけに頼ると擦り抜けて出図後に製造クレームや市場クレーム原因を発生させる可能性が高い。

問題点は、新人層が注意を払った積りで検図しても製造クレームと市場クレームとなる原因を殆ど見付け切れないと判断できる事である。

その理由は、新人層は自分で消化しなければならない簡単な部品設計等の案件を抱えながら他の人達の検図も行う。

そのため内容を理解できないまま実を入れて充分対応仕切れていない事も大きい。

第2の要因は、構内協力者層、持帰り外注設計者層へリーダー層やベテラン層から直接業務委託時に、必要な図面品質確保指導法に不備がある場合も想定できる。

ここで不備とは、不注意の間違い等の本人が注意していれば防げる間違いを防ぐ様に厳しく指導仕切れていない事である。

特に構内協力者層と持帰り外注設計者層に対しては、契約書に痂疲へ賠償条項を記載するだけでなく、その都度依頼時に繰返し強調して要求する事が大切である。

これには、筆者が関与先で対応した良い例がある。

業務委託時に、特に注意を払って貰いたい事項を箇条書きしたメモを一緒に添付する。

委託時に説明し、受託者が納得したらサインして貰う。

勿論委託者も一緒にサインする。この効果は、非常に大きい。

これは、筆者が診断で関与した多くの企業で関係者全員へヒアリングした際、依頼者は「受託者が依頼通りに実施して呉れない。」、受託者は「依頼されてない事を実施してないと言う。」相反した異見に多く遭遇した事である。

前述事項を実施した後の、依頼者による事後点検時間を大幅に短縮した経緯がある。

「予防取り組みの改善効果」

 構内協力者層、持帰り外注設計者層への委託でも、新人層の本テーマ投入時間を減らす上で確保すべき注意点は、後から指摘して直させる方式は止め、原則事前指導重点方式へ切り替える。

これにより、出図前点検と納入時の受入れ点検を原則軽減できる体制を徐々に構築する。

また本人が判らない、判断が着けにくい項目が見込まれる内容部分には、構内協力者層だけでなく持帰り受託者に対しても教育は多少の金額を負担しても実施する。

方法書、手順書、基準書、手本図、規格等の資料類を整備、構築しながら原則可能な情報全てを提供する。

また持帰り先へ担当者が出向いてでも、定期巡回による事前指導方式を実施する。

これらの積み上げが、新人層と全階層から出図前検図負担を軽減する。

そのため本人で確保できる図面品質は、原則本人へ確保させ、周囲がこれを助けない。

原則本人自身で図面品質確保へ責任を持って取組む様に仕向ける。

基本原則は、事後点検で図面品質を確保できる事は殆ど無く、あくまで事前指導実施を義務付け対応する。

これらの実行により、主として新人層の本テーマ負担の軽減化が徐々に実現可能となる。

これに伴いその他の階層の本テーマ関係軽減も実現する。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間3位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」

(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」
(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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新人層「検図による図面修正、手戻り、手直し」投入時間・事例第 2 位(2-5-2)

iyoblog (2-5-2)「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」設計力向上研究会(伊豫部将三)編

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新人層投入時間で見た手戻り・後処理テーマ第 2 位「検図による図面修正、手戻り、手直し」の能力浪費予防と削減取り組み法

「現状と問題点」

 図 2-42-1 へ、新人層手戻り・後処理投入時間第 2位 で「検図による図面修正、手戻り、手直し」テーマの階層別年浪費時間と占有率を示す。

また図 2-42-2 へ、同テーマの 1 人当り階層別年浪費時間と占有率を示す。

更に表 2-42 へ本テーマ予防取組みで必要な対応法原則例を示す。

 本テーマが、新人層の手戻り・後処理作業時間中に占める比率は 15 %、新人層の手戻り・後処理業務比率は 26 %から、勤務時間に対しては 3.9 %に相当する。

これは1日実働 8 時間では( 8 時間/日 × 60 分/時間 × 0.039 = 18.7 分/日)となり、新人層全員が休み無しでは、略毎日19 分弱を本テーマへ振り向ける実態となる。

ここで休暇分を差し引いた年勤務日数を 220 日( 20 日/月 × 12 ケ月 = 240 日/年-有給休暇 20 日/年 = 220 日/年 )と仮定すると 21.3 分となり、実質新人層全員が略毎日 21 分強を本テーマへ振り向けている実態となる。

また 100 名規模の製造企業設計技術部門新人層は、年間 702 時間相当が本テーマだけの為に失われていると見做す必要がある。

この投入時間値は、常時 1 名が毎日3時間 12 分相当本テーマだけの為に費やされていると置き換えて見る必要がある。

「着眼点・分析と評価法」

 入社して3年以内の新人層自身に採って大切な事は、開発・設計業務の殆ど未知の領域で先輩に教わりながら初めて取組む仕事である。

学校の講師に聞いた話しや書物で多少の予備知識が有っても、漠然と大筋をイメージしている程度で細部までは判らない。

部品や材料の現物に接して見ると、書物写真や記載内容との違いに唯驚くのみである。

図面と現物の関係を理解するにも慣れるまでが大変である。

また粗材から加工される製造工程と加工設備の関連も、手順を理解できる様になる迄時間が掛かる。

加工法も同じ形状、仕上り具合を出す為に、色々な方法から最良の選択法を理解するにも時間が掛かる。

これらを1つずつ理解し記憶の形で身に着けながら、先輩から教わった内容を思い出し図面を書く必要がある。

そのため先輩が教える事の吸収理解を早めるには、とにかく何でもメモを採り忘れない様にする努力が大切となる。

図面を書く場合、線、数字、記号全てに意味がある。

これを1つずつ確実に覚える。

部品では形状の決め方が、角、隅、溝、穴、丸型、角型、筒型、板状、L型、凹型、直線、平面、全て大事な意味を持つと理解して確り覚える。

先輩の図面を模範に細かい所を見逃さず注意深く真似をして、作成する。

その際に指差しながら、大丈夫同じだと確信した所は塗潰す。

つまり自分で確保できる図面品質は、自分で確保し、検図で不備を指摘されない様に努力する。

これが、図面修正、手直しを防ぐ、予防に役立つ。

ここで新人層の本テーマ検図による図面修正、手戻り、手直しが、何故発生するか? これが、問題である。先輩がキチンと手取り足取り教えたのか? 手本図、模範図、手順書を用意して貰ったか? 最初は何も知らない人間にキチンと確り理解できる様に教え、教わったのか? が問題なのである。

時間が掛かるのは当たり前で、修得のさせ方が問題となる。

ここで確り教え、覚えることが、この後の新人層の仕事振りに直接影響を与える。

ここで最初の教え方、教わり方が悪ければ、後々その着け払い結果が至る所で現れる。教育担当に当たる者は、特に心したい。

「改善点と予防取り組み法」

 本テーマの原因発生者は、紛れもなく 100 %が新人層である。

理由は、製造技術基礎知識を殆ど知らないか、充分修得しないままで適当に作図する結果である。

原因の大部分が、次に挙げるケースである。

 第1は、No.41「現場からのクレーム処理」の説明項で列挙した図書出図前検図段階で検図者が見付けられず、製造部門で加工着手前に判明する図書記載で指定された材料・材種が入手できない場合、等がある。

 第2は、No.41「現場からのクレーム処理」の説明項で同様に列挙した加工、製作へ着手してから判明する図面指定通り加工、完成できない場合である。

これに対する新人層の役割は、製造部門または生産委託の取引先へ原因発生者としてリーダー層または成熟したベテラン層と一緒に出向き、現場で真摯に向き合い、必要な製造技術面の図面訂正処理を即行うと共に、同じ内容の製造クレームを他のチームを含む新人層間で繰返し発生させない様に設計改善策(再教育の実施、資料化配布、先輩達による事前巡回指導および広報活動展開)を即実施して貰う。

ここで設計改善策を即実施する意味は、製造クレーム内容が設計不備に起因する図面差替えを必要とする場合に、管理者層、リーダー層、ベテラン層へ製造・ラインクレームで不具合を起こす前に事前指導対応可能な製造技術上の教育、経験則の資料化配布、事前巡回指導対象項目として過去の製造クレーム内容紹介する広報活動体制を構築して貰う事を言う。

 本テーマによる図面修正、手直し発生防止では、主に部品図作成等の詳細設計面で製造技術面からバラツキをできるだけ少なく安定して、且つコストをできるだけ安く設定できる製造法選択面から部品設計を行える力が着く教育内容で実施して貰う。

従ってここでは、出図後の製造部門からのクレーム処理を如何に減らし、予防するかの観点に焦点を合わせ、出図図書作成面から新人層指導と教育および必要な経験則の資料整備を実施して貰う。

その意味で詳細設計時に重点を置いて、取組んで貰う必要がある。

以上から本テーマ時間を減らし、予防するには、新人層の製造技術基礎知識向上教育へ優先して取組む必要と、知識修得までの不足を補う資料類整備、および管理者層、リーダー層、ベテラン層分担による事前、途中の新人層へ重点的に定期巡回指導実施法を決め、即実施対応を強化して貰う必要がある。

「予防取り組みの改善効果」

 製造技術基礎知識修得教育には、時間が掛かる。

対象は未知な新人層が主対象となる。前記担当者に引き続き長年勤続して貰う事を前提に考えれば、年 600 時間( 3 H/日 × 200 日/年 = 600 H/年 )を3年続け、じっくり修得して頂く積りで取組む事を勧めたい。

 修得教育までの期間を埋める手段として、管理者層、リーダー層、ベテラン層を中心に資料整備も同時に進め、完成した分から即活用配布を進める。

 修得教育と資料整備の不備を補う手段として、管理者層、リーダー層、ベテラン層分担による新人層に対する毎日、午前、午後の定時、定期巡回指導と相談対応を交代で実施して貰う。

これらの実施繰返しにより、本テーマで現場からの検図による図面修正、手戻り、手直しの削減、予防を進める。

目標は 1 年で半減化、2 年で 4 分の 1 化、3 年で 8 分の 1 化、等で取組みを確実に実現する迄根気良く続ける強い決意が必要である。

これらの努力継続により、ドラスチックに本テーマ時間が削減する。

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「引用文献」

・本稿は筆者(伊豫部将三)が執筆し、日刊工業新聞社月刊「機械設計」誌2016年3月号臨時増刊号へ掲載した「設計の手戻り・後処理予防60例・新人層投入時間2位事例」部分へ今回ブログ掲載に当りタイトルを「設計の働き方改革と手戻り・後処理予防取り組み法」へ変更し、加筆し不備部は訂正した。

なお原本入手ご希望の方は、出版元(日刊工業新聞社出版局)へ直接お問い合わせを給わりたく、何分宜しくお願い申し上げます。

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「全体目次」


(2-0)設計の手戻り・後処理予防60例「全体要約」

(2-0-1)設計の手戻り・後処理予防
60例「総論・第1章」公開済み

(2-0-2)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第2章」公開済み

(2-0-3)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第3章」公開済み

(2-0-4)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第4章」公開済み

(2-0-5)設計の手戻り・後処理予防60例「総論・第5章」公開済み

「全階層の心得と実務」(全階層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-1-1)全階層合計投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書(ドキュメント)の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-1-2)全階層合計投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-1-3)全階層合計投入時間第3位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-1-4)全階層合計投入時間第 4位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-1-5)全階層合計投入時間第 5位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-1-6)全階層合計投入時間第 6位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-1-7)全階層合計投入時間第 7位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-1-8)全階層合計投入時間第 8位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-1-9)全階層合計投入時間第 9位「追加出図」公開済み

(2-1-10)全階層合計投入時間第 10位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」公開済み

「管理者層の心得と実務」(管理者層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-2-1)管理者層投入時間第 1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-2-2)管理者層投入時間第 2位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-2-3)管理者層投入時間第 3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-2-4)管理者層投入時間第 4位「品質改善活動」公開済み

(2-2-5)管理者層投入時間第 5位「図面改廃処理」公開済み

(2-2-6)管理者層投入時間第 6位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-2-7)管理者層投入時間第 7位「クレーム対策会議」公開済み

(2-2-8)管理者層投入時間第 8位「設計案・試験結果NG再評価」公開済み

(2-2-9)管理者層投入時間第 9位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-2-10)管理者層投入時間第 10位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

「リーダー層の心得と実務」(リーダー層投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-3-1)リーダー層投入時間第1位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-3-2)リーダー層投入時間第2位「客先クレーム処理」公開済み

(2-3-3)リーダー層投入時間第3位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-3-4)リーダー層投入時間第4位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-3-5)リーダー層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-3-6)リーダー層投入時間第6位「クレーム対策会議」公開済み

(2-3-7)リーダー層投入時間第7位「品質改善活動」公開済み

(2-3-8)リーダー層投入時間第8位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-3-9)リーダー層投入時間第9位「設計不良の後始末」公開済み

(2-3-10)リーダー層投入時間第10位「追加出図」公開済み

(2-4-1~2-4-10)ベテラン層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-4-1)ベテラン層投入時間第1位「客先クレーム処理」公開済み

(2-4-2)ベテラン層投入時間第2位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」公開済み

(2-4-3)ベテラン層投入時間第3位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-4-4)ベテラン層投入時間第4位「検図による図面修正、手戻り、手直し」公開済み

(2-4-5)ベテラン層投入時間第5位「設計仕様・設計内容事後チェック」公開済み

(2-4-6)ベテラン層投入時間第6位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」公開済み

(2-4-7)ベテラン層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」公開済み

(2-4-8)ベテラン層投入時間第8位「追加出図」公開済み

(2-4-9)ベテラン層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」公開済み

(2-4-10)ベテラン層投入時間第10位「設計不良の後始末」公開済み

(2-5-1~2-5-10)新人層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-5-1)新人層投入時間第1位「現場からのクレーム処理」公開済み

(2-5-2)新人層投入時間第2位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-5-3)新人層投入時間第3位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-5-4)新人層投入時間第4位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-5-5)新人層投入時間第5位「販売・取説・マニュアル校正」

(2-5-6)新人層投入時間第6位「設計不良の後始末」

(2-5-7)新人層投入時間第7位「量試後のコストダウン再検討」

(2-5-8)新人層投入時間第8位「客先クレーム処理」

(2-5-9)新人層投入時間第9位「苦情処理回答、フォロー業務」

(2-5-10)新人層投入時間第10位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-1~2-6-10)協力者層の心得と実務」(投入時間上位10テーマ作業の要約と目次)

(2-6-1)協力者層投入時間第1位「検図による図面修正、手戻り、手直し」

(2-6-2)協力者層投入時間第2位「設計仕様・設計内容事後チェック」

(2-6-3)協力者層投入時間第3位「設計案再検討、図面修正、再試作・再試験依頼」

(2-6-4)協力者層投入時間第4位「DR指摘による仕様書・図面修正・手戻り・後処理」

(2-6-5)協力者層投入時間第5位「量試後のコストダウン再検討」

(2-6-6)協力者層投入時間第6位「部下・同僚・外注設計作成図書の事後検図、出図前の点検・確認」

(2-6-7)協力者層投入時間第7位「図面改廃処理」

(2-6-8)協力者層投入時間第8位「追加出図」

(2-6-9)協力者層投入時間第9位「客先クレーム処理」

(2-6-10)協力者層投入時間第10位「設計不良の後始末」

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「筆者略歴」

 1957年4月~1974年3月の17年間・富士重工業㈱(注・現社名スバル)三鷹製作所(現・群馬県大泉町へ移転)生産技術部門に勤務。乗用車用エンジン・ミッション製造の工場自動化機器・専用機設計業務へ従事。1974年技術士(機械部門・第7916号)登録、伊豫部技術士事務所を開設。開発・設計および生産技術部門の技術コンサルタントとして現在に至る。この間、上場および中堅企業100社以上で社員教育や業務改善支援業務に従事。現在までに、社団法人日本技術士会理事、りそな中小企業振興財団「中小企業庁長官新技術・新製品賞」贈賞の専門審査委員、東大和市商工会理事、等を歴任。

 著書「設計の故障解析51(CD-ROM付)」、「設計の基本仕様51(CD-ROM付)」、「設計のマネジメント101」、「設計者の心得と実務101」、「設計の経験則101」、「設計の凡ミス退治101」、「設計のムダ退治101」、「ハンドリング簡易自動化201」、「設計審査(DR=Design Review)支援ツール集・Ⅰ(事前審査編)」以上日刊工業新聞社から刊行。月刊「機械設計」誌へ長期連載等あり。「品質機能展開50事例(CD-ROM付)」、「MC選定資料マニアル」、熊谷卓氏と共著「組立・ハンドリング自動化実例図集」、以上新技術開発センターから刊行などが有る。

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